前回に続いて、沖縄県島尻郡南大東村「南大東島」での撮影に関する報告です。
今回は、SLIK ASTRA ECH630を用いて、追尾撮影してきた画像をお届けしたいと思います。今回は、ややマニアックに複数枚撮影した画像を天文画像処理ソフト「ステライメージ8(アストロアーツ社)」にてレタッチしたものです。
ケンコー・トキナーのセミナーでお馴染みのステライメージ8(以降、SI8と表記)は、使いやすく、天文初心者にも分かり易い操作性になっています。一般的な画像処理ソフトよりも専門的な天体画像処理に特化した機能になっているのも使い易いと言えるのかも知れません。
さて、その成果ですが。。。
60秒露出のRAWデータを50枚SI8でコンポジットしただけの画像です。
さそり座の頭部~心臓の部分(アンタレス/1等星)~天の川に掛けてのエリアです。
いて座の散光星雲も一緒に撮影出来ています。
上記画像をSI8でレベル調整→トーンカーブ→コントラスト調整したものです。
カラフルな散光星雲のガスが表現できます。
レンズ:Tokina-opera50mmF1.4FF/カメラ:Canon-EOS6DⅡ-SEOSP4
こちらは30秒露出のRAWデータを80枚程度SI8でコンポジットしただけの画像です。
さそり座のアンタレス付近の暗黒帯とカラフルタウンと呼ばれる散光星雲を狙ったものです。
上記画像をSI8でレベル調整→トーンカーブ→コントラスト調整したものです。
カラフルな散光星雲や暗黒帯のガスが表現できます。
レンズ:SAMYANG-85mmF1.4AS IF UMC/カメラ:Canon-EOS6D-HKIR
こちらは30秒露出のRAWデータを120枚程度SI8でコンポジットしただけの画像です。
へび座~いて座という天の川に点在する散光星雲とバンビの顔に似た領域を狙ったものです。
上記画像をSI8でレベル調整→トーンカーブ→コントラスト調整したものです。
カラフルな散光星雲や暗黒帯のガスが表現できます。
レンズ:SAMYANG-85mmF1.4AS IF UMC/カメラ:Canon-EOS6D-HKIR
これらの撮影には、SLIK-ASTRA-ECH630&SLIK-ライトカーボE84-FAを使用しました。共にコンパクトでECH630は、カメラバッグにもスッポリを入り、飛行機移動の際に懸念される「重量制限」もあまり気になりません。しかも追尾精度が高い。
大東島には固有種のワンコがいて、胴長短足の可愛いワンコです。
大東犬という南大東島の地犬で日本犬の一種です。個体数が極めて少ないそうです。
本当かどうかは不明ですが、台風でも飛ばされない様に短足になったと言われていますが、思っているよりも台風の直撃が少ない南大東島です。
今回お世話になったホテルよしざとから徒歩5分の民家で1匹が暮らしています。
レンズ:Tokina-opera50mmF1.4FF/カメラ:CANON-EOS6DmarkⅡ
かつて南大東島には、島を一周以上の距離の鉄道網がありました。島の産業であるサトウキビ栽培と製糖加工。これらの運送の目的にSLが走り、その後ディーゼル車によりそれらを運んでいました。今でもレールの一部と車両が保管されていると共に集落を含めて各所にレールが敷かれていた場所が道となって残っています。
レンズ:Tokina-opera50mmF1.4FF/カメラ:CANON-EOS6DmarkⅡ
最後に南大東島の新しい漁港の写真です。南大東島と北大東島は、絶海の孤島と呼ばれていて貨客船で島に行くと荷物などと同じ様に籠に乗せられてクレーンで荷揚げされる姿を旅番組やニュースで見た事がある人も多いかと思いますが、漁船も同じです。近年、沖縄県の政策で離島漁港の整備が進んでおり、南大東島にも綺麗で安全な漁港が建設されています。この状態でも使用していますが、まだ工事の一部が行われています。
今回の撮影に関する詳しい事や滞在中の画像などは、いつもの様に…私のFacebookに掲載してありますので、宜しければ参考にして頂けると幸いです。
それでは、また。
皆さんも満天の星空の下へ撮影に出掛けてみて下さい。