ひのけんの感動表現|『思い出の色を残せるレンズ』
こんにちは!
フォトグラファーのひのけんと申します。
この度、縁あり「AT-X 24-70 F2.8 PRO FX」を使用させて頂くことになりました。
普段は人物撮影や建築撮影を主に活動しており使用機材はSonyのα9、各種Sonyレンズが主になります。
普段から標準域の大三元ズームを多用している私は、サードパーティと言われる標準2.8通しレンズに対して少し懐疑的な思いを持っていました。
しかし「純正には無い色が出せる」「非常に高品質なレンズを製作している」と常々噂を耳にし
今回特別に機会を頂くことができましたので、早速MC-11と共に友人と出かけてきました。
舞台は青色を試すのにおあつらえ向き、真夏の海と青空です。
早速海に突撃し、まずは透き通った水面と波を撮影。
使用レンズ:AT-X 24-70 F2.8 PRO FX
焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/8000秒 ISO感度:100
まずはどうだと言わんばかりに解放で!
砂浜で砕け細かな泡を捉えていますが、ピントの合った面に対する描写力の高さに初っ端から非常に驚かされました。日差しも強く意地悪な状況でありつつも、光が強く当たった中心の泡から手前の砂浜、透き通る海の中までしっかりと美しく表現されています。
少し周辺光量落ちが目立つものの、色味と相まって少しノスタルジーな雰囲気に。
いきなりの一枚に衝撃を受け、少し意地悪をしてみようと思い切り太陽を入れてみることに。利用する前の事前情報としてネット上に「少し逆光性能が劣る」などと記載されていたこともあり、その様子をしっかりと残そうとして空へカメラを向けました。
使用レンズ:AT-X 24-70 F2.8 PRO FX
焦点距離:24mm 絞り:F/28 シャッタースピード:1/8000秒 ISO感度:100
逆光に弱いとは何だったのでしょうか?
思いきり太陽を入れているにもかかわらず、フレアもゴーストも殆ど見られません。
それどころか、先程垣間見た解像度の高さはこの状態でも維持されています。
更に色の階調表現も素晴らしく、明るく水色がかった右上から左に目をやると徐々にしっとりと深みのある青色が表現されていることがよく分かります。
鮮やかで深い色を残しつつも、雲の白もはっきりと残り非常に美しい。
もちろん角度によってはゴースト等が多少発生しますが、「逆光に弱い」とはとても言えないように私は感じることができました。
唯一気になった事としては、今回のような逆光では少しAFが遅れ迷うこと。
私の今回の使用環境が特殊なこともあり、α9というAF性能の良いカメラに動作保証の無いシグマ製のアダプターMC-11を利用している為本来想定されているものでは無いのですが…。
ですが昨今SONYユーザーが増えたこともあり、同じようにアダプター経由でサードパーティレンズを検討している方も多いはず。
そんな方に向け、実用できるレベルのAF性能があるのか?と試してみることにしました。
使用レンズ:AT-X 24-70 F2.8 PRO FX
焦点距離:70mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/8000秒 ISO感度:100
設定としてAFはAF-C、フォーカスエリアはエリアフォーカスで中央からやや右エリアを選定し連写しています。
先日アップデートされたことによりエリアフォーカスが使用可能になったα9ですが、5枚程の連写で3枚にピントが合う結果に。
ここも逆光+白背景+白球という悪条件ではありますが、解放でここまでしっかりピントが合うのは素晴らしい結果ではないでしょうか。
それでは今度は鳥はどうでしょうか?
先程は手前側に向かってくるボールでしたが、今度は砂浜から向かって右に飛び立つカモメを撮影。
使用レンズ:AT-X 24-70 F2.8 PRO FX
焦点距離:70mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/8000秒 ISO感度:100
撮影条件は先程と同様。
カメラを横に振りカモメを追いかけつつの撮影でしたが、しっかりとフォーカスはカモメを捉えています。ばっちり海面スレスレを飛ぶ姿を収めることができ、思わず「おぉ!」と声が漏れました。勿論純正通しの組み合わせには及ばず、AFの合わせ始めが出遅れることも多くありましたが
今回の組み合わせではそこまでストレス無く撮影できるように感じています。
重量もありずっしりしていますが、2.8通しらしい風格のあるAT-X 24-70 F2.8 PRO FX。
少しノスタルジックな色味は優等生である純正レンズにない味を持ちつつ、性能も全く申し分ありません。唯一気になったのは解放からF5.6辺りまでで少し目立つ周辺減光落ちですが、写真の色とマッチしていて魅力の一つであるように思います。
青の綺麗なこの季節にこそ、多くの方に一度触れてみて欲しいレンズの一つでした。