ももすけの感動表現|極上柔らかマクロ「Lensbaby Velvet56」

こんにちは。フォトグラファーのわたらいももすけと申します。
前回の記事に引き続き、「LensBaby Velvet 56」を使った作例をもとにご紹介しようと思います。

このレンズ、ホントにくせ玉で普通の感覚ではまず使いこなせないレンズです。
ただ、ピシっとハマる使い方をすれば今まで見たこともないような作品が出来上がることは間違いありません。

今回はこのレンズのもう一つの魅力でもある「マクロ」撮影を行っていきました。
まずはF2.8での一枚。

花びらのエッジが立ったりせず、非常に柔らかく写りました。レタッチで多少コントラストを上げて色みを調整してみましたが、色情報も適度に残っています。
そしてなんといってもこのとろけるようなボケ。素晴らしいの一言です。解像度は甘いですが、それと引き換えに手に入れられるこのボケ味は一見の価値ありです。

続いてF5.6まで絞ってみました。

おっ!と思わず声が出てしまいました。正直このレンズに解像度なんてものは求めていなかったのですが、合焦面に関してはきっちりと繊細に解像しています。そして流れるようにぼけていきます。
遠景の被写体に関してはいくら絞ってもカリカリに解像するわけではないのですが、マクロに関しては話は別のようです。

続いては、自転車の後ろについていた反射板を一枚。

お、おもしろい~~~!心の中で叫びました。今までマクロレンズというものを使ったことがなかったのでこれがマクロの面白さかと気づかされた一枚でした。
画面中央部に関しては意外としっかりと解像していてびっくりです。
標準域を好んで使う僕としては見たこともない景色との出会いでした。マクロレンズ。欲しい・・・。

続いてその辺の葉っぱ。

多少ピントが甘くなってしまいました。がそれでも掲載したのはこの球面収差による独特の表現を見てほしかったからです。
画面中央にある葉の中心から外側にいくにつれてグワっと収差が起きています。こんな面白い表現もこのレンズならではでしょう。

続いて解放でパイナップルをマクロ撮影してみました。

棘などがエッジの効いたパイナップルをあえて解放で撮ることにより、エッジを立たせず柔らかく表現したうえでフルーツならではの潤いや湿っぽさを表現できました。今回のスナップで一番のお気に入りです。
そして最後に、F8まで絞ったこちらの一枚をどうぞ。

う~ん。素晴らしいですね。画面中央部はしっかりと解像しそれでいてボケとコントラストで立体感を表現できています。それでいて写真全体としては柔らかく表現できています。

今回、このレンズを使用して痛烈に感じたことは「フォトグラファーとして新たな発見が必要」ということ。僕はけっこうくせ玉が好きで仕事でもよく変なレンズばかり使ったりするのですが、このレンズはその次元をはるかに凌駕しています。

そのため、今までの自分の撮り方ではこのレンズの良さを引き出すことはできません。

正直まだまだこのレンズの真骨頂は見せられていないかと思いますが、このレンズを使ってフォトグラファーとして一歩成長できたのではないかと思っています。

今までだったら素通りしていた景色もこのレンズなら主人公となりうる。そう感じさせてくれる1本でした。