齋藤千歳の感動表現|35mmか、50mmか? レンズ沼の入り口! はじめての単焦点

みなさん、撮ってますか!

まもなくサクラのシーズンを迎える北海道で、サクラに合うソフトフィルターをテストすべく7種のソフトフィルターと格闘している齋藤千歳です。

サクラのシーズンが終わると「やっぱり枝ものは難しいな〜」と毎年後悔するので、今年はソフトフィルターなども駆使して、より印象的なサクラを撮影しようともくろんでいます。

撮影したサクラの写真は、ケンコー・トキナー写真ブログはもちろん、電子書籍「ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ」にも掲載させていただく予定ですので、ぜひよろしくお願いします。


先日「50mmと35mmなら、私は断然35mmだけど、齋藤君は?」という師匠の問いに「そうですね、どっちも難しい焦点距離ですが、だいたいはじめて買う単焦点レンズは、この辺の焦点距離ですよね」とごまかしました。

そうです、センスの不足をレンズのパワーで補ってることを師匠に知られたくなかったのです。

私の好みや人間関係とは関係なく、レンズ交換式カメラのユーザーにとって、はじめての単焦点は50mmか、35mmが多いのではないでしょうか。


使用レンズ:SAMYANG AF35mm F2.8 FE

使用フィルター:Cokin 121S ソフトグレー2(ソフトND8)

◎焦点距離:35mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/10秒 ISO感度:50 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

35mm判フルサイズのカメラに装着すると広角レンズ的にも、標準レンズ的にも撮影でき、オールラウンドに撮影が楽しめます。


初心者の方が、はじめての単焦点レンズを購入する際に、大部分が50mmもしくは35mmになる大きな理由は価格にあります。

各メーカーがレンズ交換式のカメラで単焦点レンズの楽しさを、知ってもらうため(底なしといわれるレンズ沼に誘導するため? )に、コストパフォーマンスが高く、初心者にも購入しやすいレンズを50mmや35mmあたりに多数ラインアップしているためです。

50mmにしても、35mmにしても、はじめての単焦点レンズを選ぶ際の重要なポイントは、実はどのカメラと組み合わせるかにあります。

最近ではあまり意識されていない方もいるようですが、レンズ交換式の一眼カメラには、いくつかの撮像素子(センサー)サイズがあります。

メジャーなところで、多くのプロやハイアマチュア方々が使っている35mm判フルサイズ、これよりふたまわりほど小さいAPS-Cサイズ、フォーサーズ(4/3)規格はAPS-Cよりも、よりもさらに小さくなっています。

撮像素子のサイズが違うとなにが起きるかというと、同じ焦点距離のレンズを装着したときの画角(写る範囲)が変化します。

35mm判フルサイズを1.0倍とすると、APS-Cサイズでは一般的に1.5倍(キヤノンは1.6倍)、フォーサーズでは2.0倍に画角が変化します。

単純にいうなら撮像素子が小さいほど、同じレンズを装着しても、より望遠の画角になるわけです。

APS-Cを例にすると、300mmの望遠レンズは450mm相当の画角に、16mmの広角レンズは24mm相当になります。

望遠ではメリット、広角ではデメリットといったところでしょうか。


使用レンズ:SAMYANG AF50mm F1.4 FE
使用フィルター:Cokin 121S ソフトグレー2(ソフトND8)
◎焦点距離:50mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/5秒 ISO感度:50 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

35mm判フルサイズで撮影すると、もっともクセのない標準となる50mmですが、35mmと比較するとやや望遠気味な味わいも感じられます。


APS-Cと35mm判フルサイズでは、画角が変化するということを考慮して、35mmと50mmについては考えてみましょう。

35mmは35mm判フルサイズでは35mm、APS-Cでは53mm相当になります。

一方、50mmは35mm判フルサイズでは50mm、APS-Cでは75mm相当になるのです。

今回の作例を撮影している35mmのSAMYANG AF35mm F2.8 FEであれば、広角レンズである35mmが53mm相当の標準域の画角に、50mmのSAMYANG AF50mm F1.4 FEであれば、50mm標準レンズが中望遠の75mm相当の画角になるわけです。

レンズ自体の性質が変わるわけではないのですが、カテゴリーをまたぐほどの画角の変化は撮影にも影響を与えます。


使用レンズ:SAMYANG AF35mm F2.8 FE
◎焦点距離:53mm相当 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100 −2/3補正 (APS-Cモードで撮影)

35mm判フルサイズのミラーレス一眼などでは、撮像素子の中心部分を使ってAPS-Cサイズでの撮影が可能なカメラも増えています。便利です。


35mm判フルサイズのカメラを使っているなら、35mmは35mm、50mmは50mmとして、場合によってはAPS-Cモードなどを使うことで、53mm相当や75mm相当にして楽しむことができます。

ただし、入門者向けのエントリーモデルはAPS-Cサイズの撮像素子を採用しているのが一般的なので、35mmは標準の53mm相当、50mmは中望遠の75mm相当になるわけです。

ご自身のカメラが35mm判フルサイズか、APS-Cかを確認して、カメラに装着した際に何mm相当になるかを考慮して購入しましょう。


使用レンズ:SAMYANG AF50mm F1.4 FE
◎焦点距離:75mm相当 絞り:F/1.4 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100 +0.3補正 (APS-Cモードで撮影)

明るい50mmをAPS-Cサイズのカメラで使うと、中望遠のポートレートレンズに近いイメージなります。なんでも撮るにはちょっと長いのが弱点です。


35mmも50mmも35mm判フルサイズで使うことを考えると、いつもカメラに着けておいて、なんでも撮影するのにちょうどよい画角です。

しかし、APS-Cに装着した際の50mmレンズの75mm相当は、なんでも撮影するには、ちょっと望遠気味過ぎるのが弱点になります。

多くの50mmの単焦点レンズは、開放F値の明るいものが多く、ポートレートの撮影や背景をぼかした花などの撮影に向いています。

広角での撮影を期待して買った35mmは、APS-Cでは標準の50mm相当になりますので、思ったよりも広角での撮影はできないわけです。

APS-Cサイズユーザーの方は、35mmと50mmで悩むというよりは、53mmの標準と75mmの中望遠で悩むと考えたほうがいいでしょう。


使用レンズ:SAMYANG AF35mm F2.8 FE
◎焦点距離:35mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/1,000秒 ISO感度:100 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

35mm判フルサイズでは、広角的にも、標準的に使えてオールマイティな35mm。APS-Cでは広角色がスポイルされるのが少し残念だ。


さらに購入時に注意したい点は、検討しているレンズがAPS-C専用などといわれる35mm判フルサイズでは使えないレンズか、どうか? が重要です。

50mmの単焦点レンズでAPS-C専用はあまり見かけませんが、35mmなどではデジタル専用などともいわれる35mm判フルサイズでは使用できないレンズもありますの注意してください。

少し前までは、35mm判フルサイズのカメラは高価でプロや一部のハイアマチュア向けだったので、APS-Cサイズのセンサーに特化したレンズも多数ラインアップされています。

APS-C専用レンズにも、さまざまなメリットがあるのですが、現状35mm判フルサイズのカメラの低価格化と一般層への普及が進んでいるので、SAMYANG AF35mm F2.8 FESAMYANG AF50mm F1.4 FEのように35mm判フルサイズにステップアップしても、そのまま使えるレンズがおすすめです。

2018年時点でミラーレス一眼カメラも含め、35mm判フルサイズ化が進んでいますので、みなさんが数年後にカメラ本体の買い換えると考えるなら、購入するレンズは35mm判フルサイズに対応したものが優位だと思います。

実際に私自身、APS-Cサイズのカメラから35mm判フルサイズに乗り換えた際に、何本かのAPS-C用レンズがほぼ使えない状態になりました。


使用レンズ:SAMYANG AF50mm F1.4 FE
​​​​​​​◎焦点距離:50mm 絞り:F/1.4 シャッタースピード:1/2,500秒 ISO感度:100 +1 2/3補正 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

あまやかな絞り開放のやわらかい描写と大きくぼける背景を利用して、ポートレート的に撮影したくなるのも、このレンズの特徴です。


単焦点レンズに挑戦する理由は、それぞれでしょう。

大きなぼけやシャープな描写、コンパクトなレンズサイズなどなど、単焦点レンズにはたくさんの魅力があります。

せっかくレンズ交換式のカメラを購入したら、ぜひ単焦点レンズを使って、その性能を引き出してほしいと思っています。

購入時には、ご自分のカメラの撮像素子のサイズを確認、その結果、装着するとご自分のカメラでは何mm相当になるのかをチェックしてください。

さらに、レンズに比べて商品サイクルの短いカメラの本体の買い換えも考慮して、35mm判フルサイズでも使えるかも確認しておきましょう。

最後になりますが、もしAPS-Cサイズのカメラではじめての単焦点レンズの購入で50mmか、35mmか悩んだら、私は先に50mmをおすすめします。

レンズとしての汎用性は50mm相当になる35mmのほうが高いのですが、往々にして明るい50mmの単焦点レンズは、ダブルズームレンズキットなどでは得られないぼけを十分に楽しませてくれます。

明るい単焦点標準レンズのぼけを楽しんでから、汎用性の高い35mmというのが、私のおすすめではあります。

ただし、いつも着けっぱなしで、なんでも撮れて、軽くて高性能なレンズが多い35mmも捨てがたいのも事実です。

このように悩みながら、気が付くと手持ちのレンズが増え、みなさん、底なしのレンズ沼にはまっていくわけです。

レンズ沼への第一歩として50mmか、35mmか、ゆったりとお悩みください。

実は悩んでいるときがいちばん楽しい、なんて話もあります。

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/

SAMYANG AF50mm F1.4 FE


開放絞りのあまやかなぼけを意図的に封印! 初心者に撮りやすく、中上級者に難しい標準焦点距離をSAMYANG AF50mm F1.4 FEで楽しむ

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