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齋藤千歳の感動表現|なぜ50mmは優しくて難しいのか?SAMYANG AF50mm F1.4 FEを使って標準レンズをもう一度考えてみます

みなさん、撮ってますか!

このところ、各種ソフトフィルターの比較撮影にハマっている齋藤千歳です。

結果は、こちらケンコー・トキナー写真ブログでも報告しますが、すでに7種類を超えたソフトフィルターを収納するフィルターケースを物色中です。

まさか、自分が82mm径の丸形フィルターを8枚収納できるというCOMODO フィルターケース CMD-FC-01を真剣に検討することになるとは思いませんでした。

私の住む、北海道・千歳市もさすがに徐々に春が近づき、道路の雪が溶けていく季節です。

そんななか「ぼろフォト解決シリーズ&Foton電子写真集」というカメラ・写真関連の電子書籍を相も変わらずせっせと出版しております。

北海道のサクラは4月末のゴールデンウィーク当たりまで咲きません。

それでも、長年の習慣なのか? 4月が近づくと、新しい年がはじまるような、そんな、心新たな、新しいことをはじめてみたいような気分になるのは私だけでしょうか。

4月になると、新たな気持ちになるのは、日本人ならではなのでしょう。

多くのレンズを試す機会をいただくのですが、この季節になると基本に立ち戻ってみたい、気持ちになることも多いのです。

 

使用レンズ:SAMYANG AF50mm F1.4 FE

◎焦点距離:50mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:100 +1/3補正 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

私の大好きな撮影ポイントのひとつ、ウトナイ湖の朝焼けです。超広角などで撮影することが多いのですが、50mmの素直な描写も新鮮に感じます。

撮影協力:道の駅 ウトナイ湖 

 

そこで写真の基本、標準レンズの50mmです。

50mmのレンズというと、今回の撮影に使用したSAMYANG AF50mm F1.4 FEを含む、いわゆる標準レンズになります。

現在では、カメラ本体の購入するときにセットのキットレンズとして選択できるのは50mm相当の画角を含む標準ズームレンズがほとんどです。

しかし、ズームレンズ全盛となる以前は50mm前後の単焦点レンズが選択できることが多かったようです。

なぜ、50mmなのでしょうか。

正確には35mm判50mmもしくは50mm相当ということになります。

有力な説は、人間が普段見ているように撮れるからというものがあります。

自分が見ている印象に近く撮影できるので、初心者でも使いやすいので標準レンズであり、初心者にも使いやすいおすすめのレンズということなのでしょう。

しかし、よくいわれる話として「釣りがフナにはじまりフナに終わるなら、写真は50mmにはじまり50mmに終わる」というものがあります。

なぜなのでしょうか。

 

使用レンズ:SAMYANG AF50mm F1.4 FE

◎焦点距離:50mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/1,250秒 ISO感度:100 +1/3補正 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

ジュエリーアイスで有名な豊頃町のシンボルともいえるハルニレの木。50mmで誇張も強調もなく、素直に切りとってみました。

撮影協力:豊頃市 

 

 

カメラのデジタル化以前は、実際に人間の目で見るよりも、遠近感が強調される超広角や逆に遠近感が弱くなる超望遠などは、まずは撮ってみて、その場で確認という訳にはいかないフィルム時代は今よりも難しいレンズだったのでしょう。

特に経験の少ない初心者にとっては、自分の目で見た印象と大きく異なって写る標準以外のレンズは難易度が高かったわけです。

デジタル全盛、そして実際に写り具合を背面モニターで確認しながら撮影できる現状では、そういう意味では標準以外のレンズの難易度は下がっていると思われます。

ただし、私の経験が足りないこともあるのでしょう。

個人的には標準レンズは難しいレンズだと思っています。

自分の目で見た印象そのままに写ることが、写真の印象を強調することを難しくしているのように感じるのです。

要は普段の撮影では、レンズによる各種強調を利用して、写真の印象を強めているというわけでしょう。

そのため、超広角や超望遠のようにレンズの力に頼った撮影が難しい標準レンズは苦手というわけです。

 

使用レンズ:SAMYANG AF50mm F1.4 FE

使用フィルター:Cokin 121S ソフトグレー2(ソフトND8)

◎焦点距離:50mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:200 −1/3補正 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

晴天の支笏湖を50mmで素直を撮影しました。ただし、青空の印象を強めるのにソフトハーフNDフィルターを使っています。

 

見た目に近い画角で、見た目の印象に近く写る50mmの標準レンズは、写真の印象をレンズの力で強調しづらいといいました。

しかし、SAMYANG AF50mm F1.4 FEなどは、絞り開放付近を使って、発生する大きなぼけを上手に使えば、人間の目で見るのとは異なる印象に仕上げ、インパクトを強めることは簡単です。

そこで今回は、意図的に明るい開放付近の絞りを使った大きなぼけが魅力的な作例は掲載していません。

SAMYANG AF50mm F1.4 FEの開放付近のぼけや描写が気になる方は、同じケンコー・トキナー写真ブログのSAMYANG AF50mm F1.4 FEの実力

詳細までSAMYANG AF50mm F1.4 FEの性能を検証した電子書籍

Foton機種別作例集167 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG AF50mm F1.4 FE 機種別レンズラボ

 

SONY α7 II で撮影

監修:小山壯二/著:齋藤千歳/編:太田圭一・齋藤千歳/デザイン:Inori

価格:330円 

をご覧いただけると幸いです。

 

使用レンズ:SAMYANG AF50mm F1.4 FE

◎焦点距離:50mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/4,000秒 ISO感度:100 −2/3補正 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

最初に掲載した朝日の写真と同じウトナイ湖で撮影した朝焼けです。同じレンズ、同じ場所ですが、異なる印象で撮影できたのではないでしょうか。

撮影協力:道の駅 ウトナイ湖

 

画角や遠近感が目で見た印象に近いことが、初心者でも使いやすいといわれる原因のひとつと思われる標準の50mmレンズ。

明るいレンズも多いので、大きなぼけなどで写真の印象を強めることもできます。

しかし、中上級者にとっては、目で見た印象と変わらない画角や遠近感で写ることが使いこなしの難しいレンズになるようです。

このことが「写真は50mmにはじまり、50mmに終わる」といわれるゆえんでしょう。

SAMYANG AF50mm F1.4 FEのような明るい標準単焦点を持つと、つい絞り開放で大きなぼけという描写に走りがちですが、今日は開放を使わないなどのしばりを決めて撮影するのも楽しいレンズです。

絞りを開けないとレンズの力による印象の強調も少ないので、標準レンズは自身の実力を痛感させてくれる恐ろしいレンズでもありますが……。

だれでも楽しめて奥の深い、ぼけに頼らない50mm標準レンズの撮影に気分も新たにチャレンジしてみてはどうでしょうか。