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齋藤千歳の感動表現|星景写真の撮影の新たな定番となる「スターリーナイト」と「プロソフトン」のフィルター2枚付けの効果を試す

みなさん、撮ってますか!

齋藤千歳です。

CP+2019では、ケンコー・トキナーさんのサムヤンレンズカウンターで、チーム・サムヤンの一員として、みなさまにサムヤンレンズの魅力を伝えるお手伝いをさせていただきました。

多くの方にお目にかかれて、本当にうれしかったです。

わざわざお土産までもってきていただいたみなさま、ありがとうございます。

さて、CP+も終わると、世の中はすっかり春といったイメージですが、私の住む北海道は冬の終盤といった印象になります。

なにせ、オホーツク海にはまだ流氷が残っているのですから。

この最後の流氷を追いかけて、CP+が終わると確定申告も放置したまま、CP+で発表された新製品「スターリーナイト」と星空撮影の定番「プロソフトン」などの機材をキャンピングカーに押し込んで、友人たちと「一路北へ」と向かったわけです。

最近、北海道での撮影には、キャンピングカーが最強と改めて思い、レンタルなどで頻繁に利用しています。

使用レンズ:SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS

使用フィルター:なし

◎焦点距離:18mm相当 絞り:F/2.0 シャッタースピード:13秒 ISO感度:4000 (APS-Cサイズで撮影)

SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSを使って、能取岬から星空を撮影。山並みの後から町の光の影響を受けているのが分かります。

今回、「プロソフトン」といっしょに連れて行った星空撮影用「スターリーナイト」はCP+2019で発表された新製品です。

発売は2019年4月の予定になっています。

フィルターの種類としては、光害カットフィルターといわれるもので、ナトリウム灯と水銀灯の輝線波長をカットして、その影響を低減してくれるものです。

実は同じような効果が得られるフィルターとしては、「ASTRO LPR Filter Type 2」があるのですが、フィルター径52mmで希望小売価格が25,600円という、かなり高価なフィルターになっていました。

これに対して「スターリーナイト」は同じような効果が得られながら、52mm径の希望小売価格が5,000円という、リーズナブルな価格を実現してくれます。

「スターリーナイト」の値段なら、一般のユーザーでも十分に使うことのできる値段になったといえるわけです。

そのうえ「ASTRO LPR Filter Type 2」が100mm以上に望遠レンズ向けのフィルターだったのに対して、「スターリーナイト」は星景写真の定番である超広角でも使用できるうれしいフィルターになっています。

使用レンズ:SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS

使用フィルター:「MC プロソフトン(B)N」

◎焦点距離:18mm相当 絞り:F/2.0 シャッタースピード:13秒 ISO感度:4000 (APS-Cサイズで撮影)

すでにお約束といってもいい「MC プロソフトン(B)N」を使用。星の光の強さによって、にじむ量が変化し、星の描写がより印象的になっています。

街灯のLED化などが進み、水銀灯やナトリウム灯の影響だけをカットしても効果は少ないという話もあります。

とはいえ、実際の撮影でどの程度の効果が得られるか、今回は発売前の「スターリーナイト」を流氷の名所「網走・能取岬」での星景撮影に使ってみました。

流氷の名所であれば、流氷と星空といった写真が作例ではないのかという意見はもっともですが、海にレンズを向けると知床か、ロシアのユジノサハリンスクあたりの光害しか受けない位置なので(かなり大げさです)、しかも、この日は残念ながら網走には流氷が接岸しておりませんでした。

そのため、陸側にレンズを向けて撮影しています。

使用レンズ:SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS

使用フィルター:「スターリーナイト」

◎焦点距離:18mm相当 絞り:F/2.0 シャッタースピード:13秒 ISO感度:4000 (APS-Cサイズで撮影)

「スターリーナイト」を使用すると、山並みの背後から大きく影響していた光がかなり軽減しているのが分かるでしょう。

Googleマップなどで確認いただくとわかりますが、能取岬は網走の突端といってもよいような位置にあり、周りは網走分屯基地と能取湖、そしてオホーツク海に囲まれており、さほどの街の光の影響を受ける場所ではありません。

それでも、掲載した写真のように「スターリーナイト」を使うと、各種光害の影響を大幅に軽減できることがわかります。

どうしても背後からの明かりで色や明るさを影響を受けるという撮影シーンでは、非常に役に立つと思われます。

使用レンズ:SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS

使用フィルター:「スターリーナイト」+「MC プロソフトン(B)N」

◎焦点距離:18mm相当 絞り:F/2.0 シャッタースピード:13秒 ISO感度:4000 (APS-Cサイズで撮影)

「スターリーナイト」にプラスして「MC プロソフトン(B)N」を使用しました。光害の影響を低減しながら、プロソフトンの効果で星が印象的に仕上がりました。

「スターリーナイト」+「MC プロソフトン(B)N」の組み合わせは、ナトリウム灯と水銀灯の影響を低減しながら、プロソフトンによる星の印象的に仕上げる効果はそのままと、非常にうれしい仕上がりになりました。

いままでも星景写真を撮影していて、あの山並みの奥から影響しているオレンジ色などの光の影響が低減できればというシーンはたくさんありました。

しかし、それがナトリウム灯や水銀灯であるという確証もなしに、フィルター径52mmで希望小売価格が25,600円、同77mmで44,700円という「ASTRO LPR Filter Type 2」をちょっと試しに買ってみようなどということはとてもできませんでした。

これに対して「スターリーナイト」は52mm径の希望小売価格が5,000円です。

いままで街灯などの光の影響であきらめていた撮影ポイントも「スターリーナイト」と再チャレンジしてみる価値があると考えています。

光の影響であきらめていた撮影ポイントが、新たな価値をもつかもしれません。

私は撮影用の定番フィルターとして、「PRO1D プロソフトン[A](W)」「MC プロソフトン(B)N」「Kenko ND400 プロフェッショナル」「Kenko ZX C-PL」「Cokin 121S ソフトグレー2(ソフトND8)」「Cokin 121M ミディアムグレー2(ソフトND4)」を常に持ち歩いていますが、「スターリーナイト」を、このレギュラーに加える予定です。

水銀灯とナトリウム灯の光にしか効果がないと聞くと、LEDのライトが増えている、今、それほどの効果があるの? と思ってしまいますが、少なくとも実際に北海道の撮影シーンでは強い効果を実感できることが多く感じています。

ちなみに私は、「スターリーナイト」をレギュラー入りさせるのに、いままで使っていた82mm径のフィルターを6枚まで収納できるフィルターケースから、82mm径までのフィルターを8枚収納できる「COMODO フィルターケース CMD-FC-01」にフィルターケースを買い換える予定です。​​​​​​​

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/