Lensbaby SOL 45で自分好みの写真を撮るコツ

この秋口(2018年9月)に発売されたLensbaby SOL 45を3ヶ月程度使用してみて自分好みの写真を撮るコツがわかってきました。

このレンズの楽しみ方だったり、撮影するときに自分が注意している点を紹介します。Lensbabyのレンズに興味を持ってこのブログに来られたみなさんのヒントになればと思います。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/100sec ISO100
光源を入れるとSOL 45らしい周辺の描写が際立ちます。

まずは自分の撮影環境やスキルレベルについて。
現在、ソニー社製フルサイズミラーレスカメラのα9を使用しています。RAWで撮影してAdobe Lightroomで現像し、自分のブログやSNSへ投稿するのがメイン。カメラで撮影するのが趣味の一般人です。街で友達と写真を撮りながらお散歩したり、新製品の発表や新サービスのイベントに素人ブロガーとして参加して撮影したり。人を撮るポートレート撮影は苦手なのでその辺りは本ブログの他記事が参考になると思います。

さて、Lensbaby SOL 45。用意されているマウントはキヤノンEFマウント、ニコンFマウント、ソニーAマウント、ソニーEマウント、富士フイルムXマウント、ペンタックスKマウントがあります。マイクロフォーサーズ用にSOL 22もありますね。「あー、このレンズ使いたいけど自分のマウントは作ってないや」となるのは少々ガッカリしますものね。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/13sec ISO640
45mmという焦点距離は身の回りにあるものを撮影するには使い易いですね。

このレンズが他のレンズと大きく違うのは周辺の〝ボケ〟。ふわふわボケとかソフトボケとか呼ぶ人もいるようです。この効果は周辺にいくほど強く現れます。個人的にはこのエフェクトは〝ボケ〟というより〝滲み〟という方がしっくりきます。浅い被写界深度で撮影することで表現するボケとは異なる効果。

Lensbaby SOL 45は絞り値がF3.5固定です。この絞り値で得られる〝ボケ〟とLensbaby SOL 45特有の〝滲み〟を活用するとこのレンズは楽しくなってきます。更にいうなら〝ブレ〟(被写体ブレ、手ブレ)も合わせた3つの要素にしてうまく組み合わせると更に面白くなってきます。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/60sec ISO100
手前左手のブランコの滲みは中央奥のボケとは異なる効果。

「インフォーカス/高解像の部分と〝滲み〟〝ボケ〟〝ブレ〟の部分のメリハリを大切にしよう」

写真は光と陰、虚像と偶像、静と動など、反対の要素を一つの画に盛り込むと良いと言われています。このLensbaby SOL 45で撮影するときには主題にはシッカリとピントを合わせ、それ以外を滲ませ(&ボケ/ブレさせ)ることでメリハリを持たせると楽しいです。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/320sec ISO100
風でなびく花のブレや周辺の滲み、手前のボケがあるので真ん中の開いた花と閉じた花のペアが際立つ。

そのためには〝きちんとピントを合わせること〟がとても大切。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/50sec ISO500
人物を撮影する場合はその人の顔/瞳にしっかりピントを合わせれば伝わりやすい写真になります。

α9では一部を拡大してピントをシッカリ合わせることができます。また、シャッターを切った際に出てくる画像がどんな見た目になるか?を常に確認しながら撮影することができます。Lensbaby SOL 45は絞り羽根がありません。ボケは角張らずEVFに綺麗に表示されるのでファインダ越しの街を眺めているだけでも楽しいです。その中でハッとした構図を切り取ると更に撮影の面白みが増します。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/8sec ISO640
時計台を拡大してピントを合わせて撮影。

「三脚を使う」「置きピンをする」等、できる限りピントを合わせることに注力しましょう。

また、滲みの効果は周辺に出るので主題を真ん中あたりに持ってくると良いです。いわゆる日の丸構図がおススメ。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/30sec ISO320
ど真ん中に主題を入れ込んで背景の工夫でバランスの良い写真に。

日の丸構図でも周辺の滲みによって上がってくる画像はとってもキュート。二次元的には平凡でも前後感を持った配置で主題を捉えれば立体的な世界を持たせることができます。更にティルト機能を活用してみるのも良いでしょう。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 2sec ISO200
2枚目は左に少しティルトしてピント面にひと工夫。

周辺の滲みが画像全体に締める割合が秀逸なので、トリミングをしない方がバランスが良い写真に仕上がります(多すぎると感じた時だけ少しトリミングを)。

もちろん、ステップアップとして「敢えて一部にだけ滲みの効果を持たせる」など前もって計画をたてて構図を決め、その後トリミングする撮影方法もあります。トリミングするときには滲んでいる部分を多目にするとその効果が伝わりやすい気がします。

(1)ピントはしっかり合わせる、(2)主題は中心に、(3)トリミングは極力しない。これを守るとLensbaby SOL 45で撮った写真がグッと良くなります。

自分はNDフィルタを活用して色味にメリハリを持たせたり、遅いシャッタースピードで動きを持たせた静と動のメリハリを持たせた写真を撮ることが多いです。また、トリミングをしたく無いのでInstagramにアップする際もスクエアフォーマットを使わなくなりました。だって、周辺の滲み効果が勿体無いんですもの。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/6sec ISO100
NDフィルタを使わなくても夜や雨の日にスローシャッターでの撮影も楽しい。

時折、絞りたくても絞れない(被写界深度を深くしたいのにできない)歯痒さがあるときも。ピントが合っているように見える範囲を広く確保するために被写体から離れる、主題とそれ以外の距離を多く取って背景をぼかす、などの撮影の基本を実践する良い機会です。色々駆使してメインの被写体を際立たせることができたときに達成感を得られます。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/13sec ISO1000
現像で色味を変えてその時の雰囲気を伝えるのも一つの手です。

マニュアルフォーカス、絞り値が固定、周辺が解像しない、などの〝縛り〟があることで熟考を重ねながら撮影するクセが付きます。また、構図やシャッターチャンスだけに集中してシャッターを切ることができるので構図力を上げる良い練習になります(そして練習なのに上がってくる写真は可愛い、という特典付き)。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/125sec ISO125
たとえ設定を追い込めてないままシャッターを切っても面白い画にしてくれるレンズです。

Lensbaby SOL 45 f/3.5 45.0mm 1/10sec ISO320
何気ない閉店後の店内を外から。

Lensbaby SOL 45はちょっと気をつけて撮影するだけで〝可愛い〟写真になるのはいうまでもありません。また、レンズの特徴を活かし、制約を回避しながら撮影することで自身の腕前をあげるのにもってこいのレンズでもあります。そのため写真撮影を始めたばかりの人と、ある程度の撮影経験のある人の両方におすすめできるレンズです。

ヲヤマユースケ|Yusuke OYAMA

ヲヤマユースケ|Yusuke OYAMA

1976年 広島県出身 都内在住の一般会社員。音楽仲間のライブ撮影を手伝ったのがキッカケでカメラや写真撮影に興味を持つ。ブログやSNSを介して知り合ったカメラ好きの友人とフォトウォークに行くなどをして写真撮影を楽しんでいる。 https://about.me/usklog