光川十洋の感動表現|「下からのぞく」

花の撮影では、いろいろな要素で表情が変わってきます。光の当たり方の違いで、花の紹介に使えるような柔らかい光で順光の場合、透かして見える個性的な世界など、バリエーションが出てきます。花を主役にした時、脇役につぼみや葉を配することや、背景の丸ボケ(玉ボケ)を意識することも表現が広がります。ここでは、花を見る角度を低くして、近づく世界を超広角ズームで表してみます。

ハチやチョウの眼ではこんな感じかな、と想像してみるのも楽しいものです。思い切り花に近づいて見て、見上げてみると、感動表現ができそうに思ってきます。「下からのぞく」とは、おやっ?と思う言葉ですが、写真用語では、れっきとした「ローアングル」の世界です。世界的にも有名な小津安二郎監督作品は、見上げはしないのですが低い場所から見た世界(ロー・ポジション)を導入して、安心感のある新鮮な感動を与えています。

花を大きく撮影する場合、撮影機材としてはマクロレンズと三脚がすぐ頭に浮かぶところですが、超広角ズームレンズがあれば、花が大きく撮れ、背景の描写がはっきりします。APS-Cサイズのカメラなら、フルサイズに比べて、被写界深度も深くなり手前から遠くまでシャープに描写でき、手持ち撮影で機動的に動くこともできます。カメラの構造のひとつ、バリアングルファインダーなら便利です。が、そうでない場合、ライブビュー撮影ということでことでも構図は決めやすいです。

「下からのぞく」は、アングルの工夫のひとつです。モデル撮影や、チアガールなどの撮影時には、悪質な「ローアングラー」にならないように、マナーよく撮影をしていきたいものです。

 

 

「三島梅花藻の里」のミシマバイカモは、通年咲いていると聞いています。すぐ目の前からの撮影も可能ですので、超ワイドズームレンズを付けたカメラで、オートフォーカスにして、手を伸ばして撮影しました。

 

使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

◎焦点距離:12mm 絞り:F/20  シャッタースピード:1/40秒 ISO感度200   -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

青空のもとネモフィラの群生が見事な丘で、よく見ると白いネモフィラが見つかります。ひざまづいて、マニュアルフォーカスにして、眼で白い花にピントを合わせます。絞りを絞れば、広角レンズの特長で手前から遠くまでパンフォーカスに撮ることができます。

 

使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

◎焦点距離:12mm 絞り:F/20  シャッタースピード:1/80秒 ISO感度100  (APS-Cサイズカメラで撮影)

 

タンポポやハルジオンは、農道によく見られます。あたりまえすぎて撮影者の関心が薄くなりがちですが、超ワイドズームレンズを使えば、雑草と背景の描写が一体化して、春の息吹という感動表現ができます。つぼみが下を向いていることにも気がつきます。

 

使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

◎焦点距離:13mm 絞り:F/16  シャッタースピード:1/100秒 ISO感度100  (APS-Cサイズカメラで撮影)

 

快晴の空に花を広げている黄色のケシ。風にゆっくり揺られてはかなげなところも美しいのですが、撮影ではカメラをほぼ真上に向けます。このレンズの特長である速いAF(オートフォーカス)が便利です。花が暗くならないように、わずかにプラス補正します。

 

使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

◎焦点距離:12mm 絞り:F/22  シャッタースピード:1/100秒 ISO感度200   +1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

光川十洋(みつかわとうよう)

光川十洋(みつかわとうよう)

日本大学芸術学部写真学科卒。学研で創作分野歴任。現在クラブツーリズム、カルチャーセンター、写真団体の写真講師。日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター

AT-X 12-28 PRO DX


常用の広角スナップズームレンズとして便利な画角ですが、近くで撮る場合にも威力を発揮します。手持ち撮影で、機動性があるので、花の撮影にも便利です。

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