齋藤千歳の感動表現|35mm判32mm相当となるSAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CSの不思議な魅力

みなさん、撮ってますか!
カメラ・写真関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」の齋藤千歳です。
毎月? いや、毎週? くらいのペースでレンズやカメラの電子書籍を出版させていただいております。
そのため、大量のレンズをカメラバッグに詰めて、取っ換え引っ換え撮影しているだと思われる方も多いかと思います。
昔はそうやって撮影していたのですが、撮影後に写真を見直すと、どれもいっしょでつまらないことが多かったのです。
いまは、その日に撮影するレンズを限定して、さらに可能ならテーマを決めて撮影するようにしています。
魚眼レンズに、超広角から超望遠まで撮影させていただくのですが、実はなかでも難しいと思っているのが、標準と広角レンズです。



 使用レンズ:SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CS
◎焦点距離:32mm相当 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100 +1補正 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

35mm判32mm相当の画角は、個人的にはとても受け入れやすい。ぽつんと浮かぶ雲に引かれて撮影した。
 


厳密な定義はないですが、写真撮影用のレンズは35mm判に換算した焦点距離の長さで、超広角、広角、標準、中望遠、望遠、超望遠などとカテゴライズされることが多いです。
私の認識だと、下記のイメージです。
・超広角 24mm未満
・広角 24mm以上50mm未満
・標準 50mm前後
・中望遠 70mm程度から135mmくらいまで
・望遠 135mmくらいから300mm程度まで
・超望遠 300mm以降
時代や技術の進歩、考え方によっても変わるので、だいたいこんな感じだと思ってください。
40mmあたりから60mm程度までを準標準といった呼び方をする場合もあります。
このなかで私が難しいと思っているのが、24mm以上50mmまでの広角から標準あたりのレンズです。
スタンダードな単焦点レンズでいうなら24mm、28mm、35mm、50mmといったラインアップです。
なかでも、28mmと35mmは特に難しいと思っています。
私の場合、24mmは超広角的な撮影で、50mmの単焦点は明るいものが多いので大きなぼけで乗り切りことが多いのです。



 
使用レンズ:SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CS
◎焦点距離:32mm相当 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:100 +1補正 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

雲の流れと位置に引かれて撮影しています。超広角のように広すぎない画角が扱いやすく気持ちがいいのです。
 

超広角レンズならば、遠近感の強調やゆがみを活用できます。
また、逆に超望遠や望遠レンズなら、距離感の圧縮効果や焦点距離の長さによる大きなぼけで印象を強めることができます。
さらに50mm以上の明るい中望遠レンズは、その明るさと焦点距離にバランスがよく、美しいぼけで写真の印象を強められることが多いのです。
これに対して、28mmや35mmは、多くの人にとって見慣れた焦点距離で、私にとってはぼけや遠近感の強調や消失といったレンズのパワーによる印象の強調が行いづらい焦点距離になります。
しかも、多くの傑作が撮影されている焦点距離でもあります。
そのせいか、28mmや35mmという焦点距離のレンズには、コンプレックスがあるというか、苦手意識が強いのです。
そして、今回取り上げたのは、SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CS。
Canon M、FUJIFILM X、SONY E、そしてマイクロフォーサーズマウント向けのレンズになっています。
35mm判換算で32mmから42mmという私がもっとも苦手と感じている焦点距離です。
また、今回はSONY Eマウントで使用したので、32mm相当で撮影しました。



使用レンズ:SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CS
◎焦点距離:32mm相当 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/1,000秒 ISO感度:100 −2/3補正 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

雲の形と色に引かれて撮影。露出補正とホワイトバランス、さらにカラーコントロールで雲の印象を中心に色彩を調整しています。

32mm相当の広角レンズとはいえ、SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CSは、開放F値が1.4と明るく、最短撮影距離が28cmと短いので被写体に近寄れば十分以上にぼけます。
また、絞りが9枚羽根になっているのでぼけの形も美しいです。
しかし、私の苦手な28mmと35mmの間になる32mm相当のSAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CSは、実際に構えてみると風景との距離感がちょうどよく非常に気持ちよく撮れるのです。
撮影をしていて「いい雲だな〜」などと思った風景の範囲が、そのまま切りとれるといったらよいのでしょうか。
空を含んだ、見たままの自分が気持ちいいと感じた風景をそのまま切りとれるといった印象です。



使用レンズ:SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CS
◎焦点距離:32mm相当 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/2,500秒 ISO感度:100 +1/3補正 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

主題は完全に雲です。どのくらいの明るさで撮影するかによって、かなり印象が変わるので、露出補正は慎重に行っています。


32mm相当で撮影して気持ちいいなら、苦手意識の強い28mmで撮影しても、35mmで撮影しても、同じように感じるはずです。
しかし、私の場合、28mmや35mmといった定番の焦点距離の気持ちよさを感じる前に、勝手にプレッシャーに負けてしまっていたわけです。
勝手に感じたプレッシャーに負けていたことを認めたくないので、定番の焦点距離に遠近感の強調や消失、大きなぼけといった写真表現が活用しづらいなどの理由をつけて、それらよりも大切な素直に気持ちよく撮れることを認めることができなかったのです。
そんな私にとって、28mmと35mmの間の32mm相当というユニークな焦点距離は非常に受け入れやすいものでした。
理屈や頭で28mmや35mmは使いやすい焦点距離だから、昔から愛用されているとわかることと、「この画角は気持ちいい」と思うことは、写真を撮るうえでまったく違うことだと思います。
SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CSの32mm相当という焦点距離は、私に「やっぱり定番の広角焦点距離もいいな〜」と思わせてくれたレンズの1本です。
ぜひ気負うことなく、32mm相当1本だけをカメラに着けて、散歩するように撮影してほしいレンズだと思っています。
近接でのぼけ、スナップ・風景、そして明るい広角レンズなので夜景や星景にもおすすめです。
SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CSのレンズ特性の詳細やより多くの作例は
Foton機種別作例集153 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CS 機種別レンズラボ
SONY α7 II で撮影
監修:小山壯二/著:齋藤千歳/編:太田圭一・齋藤千歳/デザイン:Inori
価格:330円

でも、紹介しておりますので、ご覧いただけると幸いです。

 

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/

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