國政寛の感動表現|マクロレンズで花撮影を楽しみましょう!

季節は春から初夏の風を感じるようになり、花たちもどんどん咲き始めましたね。
こんな季節は、マクロレンズで花撮影を楽しみましょう!

マクロは、接写、またはクローズアップともいいます。
マクロレンズを使うと、一般的なカメラとレンズで撮るよりもずっと被写体に近づいて、画面いっぱいに大きく写すことができるんです。
そして大きく写し出すことで、普段見ている風景が、肉眼では見ることのできない不思議な世界となって広がります。
これがマクロ撮影の最大の魅力なんです。

そこでお薦めしたいのが、トキナーのAT-X M100 PRO D。
等倍までの撮影が可能な焦点距離100mmの中望遠マクロレンズです。
100mm前後のマクロレンズは、柵があって花に近づけない植物園など少し離れた場所からでも撮影できるため、花撮影にはとても扱いやすいレンズです。

手振れ補正やレンズ内モーターは内蔵されていませんが、その分小さく軽いのがいいところ。
最近の大型化したレンズに慣れていると、このコンパクトさ軽さはちょっとした感動です。
これなら、バッグの隅に入れていつでもどこへでも気軽に持って行きたくなりますね。
さっと取り出して気軽に手持ちで……なんて、撮影のフットワークも軽くなりそうです。

AFとMFの切り換えは、ワンタッチフォーカススクラッチ機構を内蔵しています。
これは、フォーカスリングを前後にカチッ!とスライドさせるだけで簡単に切り替えられる機能。
この機能のおかげで、AFとMFを瞬時に切り替えながらピント合わせすることが可能になりました。

例えば、開きかけた蕾の先端にピントを合わせたい。
でもAFだと、あまりにも小さな部分にはなかなか狙い通りにピントが合ってくれません。
そんなとき、大まかに花びらの先端付近にピントを合わせておいて、カチッ!とフォーカスリングを切り替えます。
あとはMFでピントを微調整。
このように臨機応変な撮影ができるんです。

AF時にはフォーカスリングがフリーな状態になります。
ですので、誤ってフォーカスリングを手で回してしまっても空回りするため、レンズに負荷をかける心配も不要です。

フォーカスリングは幅が広くて適度な重みがあり、微妙なピント合わせがやりやすく感じます。
マクロ撮影の場合、AFよりもMFでのピント合わせのほうが圧倒的に多いので、このフォーカスリングの感触は非常に重要です。
フォーカスリングが軽くてスカスカするレンズだと、ほんの少しピントをずらしたいと思っても微調整が難しいんですよね。
ピントの合う範囲が非常に狭くなって慎重なピント合わせが要求されるマクロ撮影には、この操作感はありがたいです。

AT-X M100 PRO Dには絞りリングが付いているので、銀塩カメラと併用する方にもお薦めです。
また、フォーカスリングの回転方向がニコン純正と同じなのもニコンユーザーには嬉しいところ。
フード内部は起毛処理されていて、高級感があります。
こういう細かな気配りが、撮影を快適にしてくれるんですよね。

AT-X M100 PRO Dで撮影してみてまず「へぇ~!」と驚いたのは、ボケが素直でふんわり柔らかく、なめらかな美しいグラデーションを描くところ。

色乗りもよくクリアで鮮やかな印象です。それでいて派手になりすぎずに質感をきっちり残してくれます。
花撮影は花びらの微妙なグラデーションをいかに再現するかが命ですので、これは嬉しいところです。

特に絞りを開放にして最短撮影距離付近で撮影したときの後ボケが、とろけるように柔らかく背景に溶け込んでいきます。

背景に木漏れ日などの点光源を入れて円ボケを演出するのもよくある撮影方法です。
そんな場合でも、不自然に角張ったりすることなく、きれいな円形のぼけが得られます。

注意したいのは、ピントが近づくにつれて銅鏡が伸びるところ。

最短撮影距離付近で花に近づいていると、伸びた銅鏡の影が花に写ったり、銅鏡が花にぶつかってしまいそうになります。
特に水滴を撮影している場合など、花にぶつかって水滴を落としてしまった!なんてことにならないように気をつけたいですね。

これから外歩きが気持ちのいい季節。
さあ、皆さんもAT-X M100 PRO Dを使っていろいろな花撮影にチャレンジしてみませんか?