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齋藤千歳の感動表現|ミラーレス一眼カメラシステムの軽快さを引き出してくれるSAMYANG AF24mm F2.8 FE

みなさん、撮ってますか! 齋藤千歳です。

最近は、豊富な実写作例と実写チャートでレンズを解説するAmazonKindle電子書籍「レンズラボ」シリーズにプラスして、実写チャートでレンズを解説する「レンズデータベース」シリーズの制作のため、最新のレンズを数々テストしています。

そんな最新レンズでのチャートの撮影まみれのなかに、やってきたのがSAMYANG AF24mm F2.8 FEです。

約Φ61.8×37mmとコンパクトで、質量はわずか約93gと100gを切る軽量ぶりになっています。

このところ、超高画質の新世代単焦点ばかり触っていたので、SAMYANG AF24mm F2.8 FEの軽さ、小ささはちょっと感動的です。

実勢価格は43,000円前後と価格もコンパクトといえます。

まさに「安い」「軽い」「小さい」を実現したレンズです。

実はサムヤンの35mm判フルサイズ対応のEマウント向けAFレンズとしては、すでにSAMYANGAF35mm F2.8 FEが同じコンセプトで発売されています。

SAMYANGAF35mm F2.8 FEはAmazonKindle電子書籍の

Foton機種別作例集185 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG AF35mm F1.4 FE 機種別レンズラボ

SONY α7 II で撮影

監修:小山壯二/著:齋藤千歳/編:太田圭一・齋藤千歳/デザイン:Inori

価格:330円

で各種チャートでの解析などを行い、「安くて軽く小さくてよく写る」ことが分かっています。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE

◎焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:100 補正値:+1段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

単焦点レンズとしては、さほど明るいとはいえないF2.8で24mmの広角ですが、しっかり被写体に寄れば、大きくぼけます。

「安くて軽くて小さくてよく写る」というコンセプトを引き継いだであろうSAMYANG AF24mm F2.8 FEですが、実は軽くて小さいだけでも、35mm判フルサイズミラーレス一眼ユーザーにとってはうれしいコンセプトといえるでしょう。

Sony αシリーズのなかでも、普及率の高そうなα7IIでバッテリーと記録メディアを含む重さは約599g、α7 IIIで同約650gと一眼レフカメラの比べてカメラボディは、軽くて小さくなっています。

しかし、それに見合うような軽くて小さいレンズは少なく、ほとんどが一眼レフ用並みのサイズ、もしくは最近の高画質レンズのはやりとしてはより重く、より大きくの傾向にあります。

せっかくのミラーレス一眼の大きなセールスポイントである軽くて小さいが活かせる35mm判フルサイズ対応レンズは思った以上に少ないのが現状です。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE

◎焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100 補正値:+1段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

軒下につるされたサケ。風で揺れるのでコンティニュアスAFを使って中腰の不安定な体勢で見上げる角度をさまざまに変えながら撮影しました。

また、5,000万画素に差し迫る超多画素機を使うと、その多画素を活かした精密な写真が撮りたくなるのは当然です。

超多画素をより活かすために、より高性能なレンズを使うことになりますが、ボディより重いのは当たり前、価格もボディより高いことも珍しくありません。

超多画素を活かすためにボディとレンズの合計重量が上がると、超多画素の高解像力を活かすための最大の敵といってもよい「ぶれ」を排除するために大型の雲台と三脚を導入することになります。

残念ながら、極限まで超多画素の解像力を活かして撮影しようと考えると、三脚や雲台の大きさはデジタル一眼レフ時代と同じ、もしくはそれ以上の大きさ・重さが必要になるのです。

カメラ本体は小さくて軽いのですが、撮影システム自体が大きくなるので、撮影が軽快さを失い、フィルムでいうなら大判フィルムカメラでの撮影のようになっていきます。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE

◎焦点距離:24mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:100 補正値:−1/3段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

橋を渡っているときに「おもしろいかも」と思い、撮影しました。実はカメラとレンズが軽くなると、使う三脚と雲台も軽くなるので撮影が軽快になります。

どっしりと三脚を据えて、安定感の高い位置にカメラを取り付けて撮影する、これはこれで王道的な撮影といえるのですが、私はこの方向で撮影するとアングルやフレーミングが単調になることが多く「私の写真ってつまらない」と思い悩むことになります。

一方、SAMYANG AF24mm F2.8 FEのように軽いレンズとの組み合わせだと、手持ちでも撮影しやすいですし、三脚を使うにしても軽くて小さいものの十分です。

結果、軽快に撮影が行え、さまざまな位置からの多くのアングルやフレーミングを試すことができます。

撮影システムの大きさや重さは、意識しているにしろ、していないにしろ、撮影者の大きな影響を与えているといえるでしょう。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE

◎焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100 補正値:+2/3段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

小さなお社の側面をほぼ真上を見上げるような角度で撮影しました。カメラとレンズが軽いので、小さな三脚でも安心してさまざまな角度で撮影できます。

SAMYANG AF24mm F2.8 FEのような小さくて軽くて安いレンズでは、せっかくのカメラの性能が活かせないのでは心配する方もいるでしょう。

多くのレンズで解像力チャートをなどを撮影してきた経験からいうと、周辺部分の解像力を含めて、単焦点レンズがズームレンズ以下の性能をマークすることはまずありません。

さらに同じコンセプト製造されたSAMYANG AF35mm F1.4 FEは、絞り開放から中央部分は非常にシャープで、周辺部分は絞るほどにシャープになりF8.0前後で全体にもっともシャープになる傾向でした。

SAMYANG AF24mm F2.8 FEの解像力・ぼけディスク・最短撮影距離・周辺光量落ちの実写チャートと豊富な作例を掲載した

『Foton機種別作例集240 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG AF24mm F1.4 FE 機種別レンズラボ』

は現在鋭意制作中ですが、2本のレンズのMTF曲線などを比較する限りでは、同じような傾向が観察されることが予想されます。

今回、撮影した作例についても、絞り開放から十分以上の解像力やぼけなどの描写を発揮してくれました。

AFについても、軒下に干してあるサケが風でゆれるので、絞り開放ではピントが合いづらいだろうと考え、コンティニュアスAF+連続撮影を行いましたが、予想以上にピントの合った写真が多く、少し撮影し過ぎたと後悔したほどです。

超多画素による高精細撮影も、小さくて軽いボディによる軽快な撮影も、それぞれ35mm判フルサイズミラーレス一眼カメラの魅力の一面であると思います。

レンズはもちろん、三脚や雲台、レリーズなど撮影システム全体として、自分はカメラのどの魅力を引き出して、どう楽しむのかを考えるのも写真を撮る楽しみのひとつだと思います。

個人的にはSAMYANG AF24mm F2.8 FEのような「軽くて小さくて安くてよく写る」レンズとの組み合わせでの軽快な撮影は、超多画素による高精細撮影とは異なった楽しみがあるので、それぞれをぜひ楽しんでいただきたいと思います。

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/