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齋藤千歳の感動表現|「MC プロソフトン(B)N」を使って広角スナップ撮影のノスタルジックな印象を強調して仕上げる

みなさん、撮ってますか!

齋藤千歳です。

今月も、さまざまな電子書籍のために、北海道のあちこちを撮影しています。

そして本ブログの「齋藤千歳の感動表現|ずっと気になっていた焦点距離によるプロソフトンのソフト効果の違いをチャートと風景で検証しました」の結果も踏まえて、ソフトフィルターを使って、どんな風景を撮影すると楽しいかを検証していました。

今年の北海道は雪の少ない印象ですが、雪景色にソフトフィルターを使うと、それだけで素敵な印象になるのではないかとテストもしました。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE
使用フィルター:「MC プロソフトン(B)N」

◎焦点距離:24mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100 補正値:+2/3段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

雪の景色に「MC プロソフトン(B)N」を使ってソフト効果をプラスして撮影しました。悪くはないのですが、あまり意図を感じない仕上がりに。

単純に雪景色にソフトフィルターを使っても、ソフトにはなるのですが、それを使って伝えたい意図が感じられません。

ソフトフィルターを使ってエフェクト的な効果を加えるからには、写真を見る人に伝えたい意図を強調してくれる必要があると思うのです。

ただ冬景色にソフト効果を加えても、意図の部分が足りません。

悩みながら、撮影を続けているうちにたどり着いたのが「幸福駅」です。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE
使用フィルター:「MC プロソフトン(B)N」

◎焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/5,000秒 ISO感度:100 補正値:+2/3段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

幸福(こうふく)駅の看板を観光用に保存されているキハ22形をバックに撮影。ソフト効果でノスタルジックな印象に仕上がりました。

幸福駅は北海道帯広市幸福町にあった日本国有鉄道(国鉄)の広尾線の駅で、1987年の広尾線の廃線に伴い廃駅となっています。

しかし、同じ広尾線の「愛国駅」から「幸福駅」への切符が「愛国から幸福ゆき」として一大ブームとなり、これを元にした芹洋子さんの歌「愛の国から幸福へ」のヒットなども後押しして1970年代からの有名な観光地です。

そのため、現在でも毎年多くの観光客が訪れる、恋人の聖地としても有名はスポットになっています。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE
使用フィルター:「MC プロソフトン(B)N」

◎焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100 補正値:+1段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

天井までびっしりと絵馬のように願いごとの書かれた「幸福ゆき」のチケットで覆われた「幸福駅の駅舎」です。記憶のなかの風景のように少しソフトに仕上げました。

当然、現在でも人気の観光スポットなのですが、廃駅をベースにしているためか、どこか懐かしいような、昔の記憶のなかをのぞき込むような印象を受けます。

そんな景色を少しぼんやりとした追憶のように仕上げようとソフトフィルターで撮影してみました。

SAMYANG AF24mm F2.8 FEを使った広角のスナップ的な撮影なので、広角でもソフトフィルターの効果が十分に感じられるように効果の強いBタイプの「MC プロソフトン(B)N」を選択しています。

ソフトフィルターとレンズ焦点距離による効果の違いは「齋藤千歳の感動表現|ずっと気になっていた焦点距離によるプロソフトンのソフト効果の違いをチャートと風景で検証しました」をご覧ください。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE
使用フィルター:「MC プロソフトン(B)N」

◎焦点距離:24mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:100 補正値:+2/3段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

ソフトフィルターを使うことで、どこか懐かしいような、どこかで見た記憶があるような印象になるのは、おもしろい効果だと思います。

使用レンズ:SAMYANG AF24mm F2.8 FE
使用フィルター:「MC プロソフトン(B)N」

◎焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1,600秒 ISO感度:100 補正値:+2/3段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

近くにある「幸福駅願いごと館」。写真ファンとしては「FUJICOLOR」のベンチも懐かしさを強調してくれます。

ソフトフィルターは追憶のなかの風景のようなノスタルジックな印象を強めてくれるのだな、と思いながら撮影を続けて、幸福駅のような懐かしさを感じる風景はソフトフィルターで撮影するのも楽しいと結論付けたわけです。

しかし、去年や一昨年にも撮影に来ているのは分かっているのですが、なにか懐かしいは、もしかして幼いときに来たことがあるのでは? と疑問に思ったのです。

記憶にはまったくありません。

「愛国から幸福ゆき」ブームは、1970年代前半なので、最初のブームのときにはまだ私は生まれていません。

とはいえ、北海道出身なので、もしかしたらと思い、母に電話したところ「私は行ったことあるから、連れていった気もするのだけど……」とのことです。

私はソフトフィルターの画像効果で追憶のなかのようなノスタルジックな印象に仕上がったと思うのですが、ただ単に私の追憶のなかの景色が呼び起こされただけであれば、たいへん申し訳ありません。

しかし、実際に作例をご覧いただくと分かるように「MC プロソフトン(B)N」のようなソフトフィルターは、懐かしさを感じるような風景に使うと、ノスタルジックな印象をさらに強調してくれると私が感じます。

ぜひ、一度試してみてください。

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/