光川十洋の感動表現|「平成ラストデー、山手線沿線の記憶」

平成31年4月30日は、誰もが平成を振り返る一日だったことでしょう。私は、山手線の駅から歩いて、平成のラストデーとして沿線の記録を試みました。この日の状況は、令和では変わるに違いない。しかし、記憶では変わらないかもしれない、との思いを込めて、誰もが知っている場所の感動表現を心がけ、みなさまの「記憶」のお手伝いができればと思います。画像の一部にぼかしを施しております。

手軽にスナップ写真を撮るとき、あるいは1枚画像に状況を欲張って盛り込みたいとき、予測できない狭い場所に遭遇したとき……、と考えて超ワイドズームレンズ1本を携帯しました。

銀座博品館の店頭で人気なのが「顔出しパネル」。改元を楽しむ場面が街にあふれています。撮影許可をとって、モデルになっていただきました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:18mm 絞り:F/13 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:1000(APS-Cサイズカメラで撮影)

通称「おばあちゃんの原宿」……巣鴨地蔵通り商店街は、個人商店に活況があふれています。とげぬき地蔵尊縁日には露店が並び、若い人たちにも行列が絶えません。「令和」が未来へつなぎます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:14mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:1400 -1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

海外からのマスコミ取材を含めて、皇居二重橋前は雨対策をした取材陣でびっしり。一般の人々は雨にもめげず、報道で伝わっている通りの人出があり、遠方からの人たちもいました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/9 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100(APS-Cサイズカメラで撮影)

池袋演芸場は、昭和26年創業、平成5年改築。池袋歓楽街にあり、落語の定席の一つ。「只今立見になります」が見えます。夕刊配達の人は、地下の入り口まで届けに行きました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/40秒 ISO感度:200 -1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

ひぐらしの里「谷中銀座」には、海外からの観光客も目立ちます。「夕やけだんだん」の石段の下には、電線模様が、レトロのお店の活気を感じさせます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100 +1補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

原宿駅は都内で最も古い木造駅舎ですが、大正13年にイギリス調デザインの「大正モダン」として開業、現在駅舎保存運動も起こっています。左には、明治神宮側に出入り口を設けた新駅舎の工事が行われています。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/40秒 ISO感度:100 -1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

令和元年の秋に開業する「渋谷スクランブルスクエア」は、地上47階建て、約230メートルの高さ。展望台「渋谷スカイ」は、日本最大級の屋上展望空間を誇り、スクランブル交差点を眼下に見ることもできます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100 -1補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

品川区港南にある芝浦中央公園から、「高輪ゲートウェイ駅」方面を見ています。令和2年春に開業に向けて工事中のクレーンが見えます。平成31年4月22日発表された品川開発プロジェクトの都市計画によると、令和6年頃に計4街区の高層ビル群がこの空の空間に出現します。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:16mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100(APS-Cサイズカメラで撮影)

東京駅日本橋口を出るとすぐにサッカー選手やゴジラの塀が続きます。高さ390mの超高層タワーや大規模広場をもつ4棟のビルが令和3年に竣工し始め、令和9年に全棟完成します。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/9 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:100(APS-Cサイズカメラで撮影)

限られた時間をひたすら歩き回って寸景をお伝えしました。読者の皆様の平成ラストデーも思い出が込められたことでしょう。そして、令和が穏やかに開幕しました。引き続きこのレンズブログでお会いいたしましょう……。

光川十洋(みつかわとうよう)

光川十洋(みつかわとうよう)

日本大学芸術学部写真学科卒。学研で創作分野歴任。現在クラブツーリズム、カルチャーセンター、写真団体の写真講師。日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター