光川十洋の感動表現|イルミネーション魚眼テクニック
近年のイルミネーションは、LEDをふんだんに使ったボリューム感のある装飾が増えてきて、壮観な展開が人をひきつけます。都会では街路樹の枝いっぱいに絡ませて、通りが華やかになります。また、光をたくさん使うことができるために、面を作る展示や演出にも出会えます。クリスマスツリーはどの時代もワクワクするおしゃれな見せ方をしています。今回は都会のなかで入場料のない場所でのイルミネーションを、魚眼レンズを駆使して、感動表現にチャレンジいたしました。
魚眼レンズの特長
この魚眼レンズ「Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5」の特長のひとつは、ズームレンズということです。ズームリングを回すと、画像を拡大縮小することができます。また対角線で180度の視界を持つので、狭い場所でも広くとらえることができ、対象に近づけば強烈な遠近感が得られます。この効果を活かしながら、さらに撮影テクニックにもひと工夫をして表現しました。
表現テクニック
一般の鑑賞者が見るように、演出されたイルミネーションをきちんと記録するように撮影いたします。さて「ここから自分ではどう撮影するか」を考えます。これがカメラワークなのですが、アングルの工夫、ズームリングの活用、回転、事前に用意した小物活用など、フォトジェニックな試みをご披露いたします。
クリスマスツリーに大きな赤いリボンが風に揺れていました。装飾品が多すぎないツリーでしたので、にぎやかな印象を試みました。画面中央に赤いリボンを配し、レンズを近づけます。超広角の視界のおかげで、ツリー全体が画面内に入ります。スローシャッターでカメラを回転させました。シャッタースピードをいろいろ変え、回転の仕方も変え、たくさんの中からの1枚です。
◎使用レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
焦点距離:11mm 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/4秒 ISO感度:125 -1&2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)
東京駅前の丸の内仲通りは歩行者天国となりますので、道路中央から真上を眺めますと、巨大なビル群が頭の上から覆いかぶさります。街路樹の並び方がわかるように下部に収めました。
◎使用レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
焦点距離:10mm 絞り:F/3.5 シャッタースピード:1/40秒 ISO感度:2200 -1補正(APS-Cサイズカメラで撮影)
東京のカレッタ汐留「カレッタプラザ」でイルミネーションショーを上演しています。メインとは反対の人がほとんどいない場所でスタンバイ、スモークがカメラの方に流れ来た瞬間です。赤い色が点灯したカットとともに「2カットを比較明合成」しました。
◎使用レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
焦点距離:10mm 絞り:F/10 シャッタースピード:0.62/秒 ISO感度:180 -1補正(APS-Cサイズカメラで撮影)
横浜みなとみらい21地区の大観覧車「コスモクロック21」の木曜日は、休園のために回転していないので、これぞというフルカラー色の動きの時に露光間ズーミングいたしました。ズームリングの動かし方の工夫で、イルミネーションの光が中央から周辺に向かって立体的に描写できました。
◎使用レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
焦点距離:17mm 絞り:F/20 シャッタースピード:2.5秒 ISO感度:320 -1補正(APS-Cサイズカメラで撮影)
横浜赤レンガ倉庫では、クリスマスマーケットでにぎわっていました。イルミネーションルーフの光のトンネルが風に揺らいで思わず見上げて歓声が上がります。私はカラーセロファンを用意していき、魚眼レンズにかぶせて変化をつけてみました。
◎使用レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
焦点距離:13mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1秒 ISO感度:100 -1補正(APS-Cサイズカメラで撮影)