光川十洋の感動表現|「たそがれスナップ」

マジックアワーは、風景写真を撮るときには、魅力的な時間帯です。しかし、たそがれ時のスナップ写真は昼間よりずっと難しいため、多くの人は半ばあきらめていると思われます。最近のデジタルカメラの進歩によって、ISO感度を少し上げてもきれいな画像を得ることが可能となりました。ところがむやみにISO6400にして、例えば1/250秒でスナップするのは考えものです。では、どんなレンズで、どう設定すればよいでしょうか。 

 

ここで便利なのが、スナップに適しているワイドズームレンズの利用です。しかも、どの焦点距離を使っても、大口径の明るい「開放F値2」は強い味方となります。自分がブレないと思う1/30秒を基準に、絞りF2と決めて、Mモードで撮影します。タイミングが重要なスナップ撮影では、明るい場所や暗い場所ごとに、適正露出を求めてシャッタースピードを変える手間は困りものです。ここでご提案するのが、「ISOオート」の利用です。ベテランほど、ISOは目的によって固定して撮るものですが、感度を少し上げても安心感があるので、「ISOオート」ならば暗くなってからの撮影も快適となります。絞り開放で撮影する場合、ピント位置が甘くなる心配がありますが、暗くなったときでもAF(オートフォーカス)を利用してみたところ、F2ですべて以下のような作例を撮ることができました。 

 

さらにカメラの種類によっては、Mモードでありながら、マイナス補正がきくデジタル一眼カメラがあります。今回はこれらの機能を利用して、明るい時から暗くなるまで刻々と暗さが変わり、照明のバラエティのある横浜の赤レンガパークでスナップを試みてみました。 

 

 

暗くなってきても、多くの人たちがポケモンGOに夢中です。この日は、「ピカチュウ大量発生チュウ」のイベントもあり、ポケモンがいつもより多く発生したり、日本では見ることができない「バリヤード」が特別に出現したりしてにぎわっています。(一部顔をぼかしました) 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX 

焦点距離:15mm 絞り:F/2  シャッタースピード:1/50秒 ISO感度100   -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影) 

 

「ポケストップ」のオブジェが人気です。コスチュームを楽しみ、ポケモンGOを楽しんで、工夫をした演技の記念写真を撮っていました。 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX 

焦点距離:20mm 絞り:F/2  シャッタースピード:1/125秒 ISO感度100   (APS-Cサイズカメラで撮影) 

 

砂浜やハンモックを設置したイベント会場に強い海風が吹き抜けます。スローシャッターにして、はためいている感じを表現しました。たそがれ時の曇り空の色と、電球の暖色が交差しています。オートホワイトバランス(AWB)を利用しました。 

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX 

焦点距離:14mm 絞り:F/2  シャッタースピード:1/15秒 ISO感度220   (APS-Cサイズカメラで撮影) 

 

ピカチュウを楽しんでいる兄妹が、足元の光と戯れて、ほほえましい光景です。こまめによく動くので、多く撮影した中から人の位置がいいものをセレクトします。 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX 

焦点距離:14mm 絞り:F/2  シャッタースピード:1/30秒 ISO感度560   -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影) 

 

ライトの色光が子供たちの動きに合わせてフォトジェニックです。横浜みなとみらい地区のビルを背景に、走り回る子供たちの動感を出すように、手持ちでも1/15秒の撮影。たそがれスナップは感動的な味わいが出ます。 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX 

焦点距離:19mm 絞り:F/2  シャッタースピード:1/15秒 ISO感度2500   -1補正(APS-Cサイズカメラで撮影) 

 

かなり暗くなってからの撮影ですが、二人の心を汲んで、マイナス1補正で夕暮れ感が出ました。20mmというワイドでも、大口径F2効果で背景の大型客船の灯りが、美しい丸ボケとなって感動表現となりました。 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX 

焦点距離:20mm 絞り:F/2  シャッタースピード:1/30秒 ISO感度5000   -1補正(APS-Cサイズカメラで撮影)