國政寛の感動表現|たのしくマスター! マクロ撮影術!(4) 構図・フレーミングを吟味する
『フルーティ』
~すっぱそうで
あまそうで
おいしそうで~
撮りたい被写体を見つけた時、何気なく撮ってしまうのではなく、じっくり被写体を観察してから撮影しましょう。というのが、前回のお話でした。
実際に撮影する時、主役に選んだ被写体をどう切り撮るか、切り取った被写体をどう画面上に配置するのかをよく吟味する必要があります。
このような考え方の基本となるのが、「構図」と「フレーミング」です。
ちょっとややこしいかもしれませんが、じっくり読んでマスターしてくださいね。
構図とは
「構図」という言葉、よく聞きますよね。
これは、「被写体をどう画面の中に配置するか」をパターン化したものです。
基本的な構図としては、「日の丸構図」や「三分割構図」、「対角線構図」、「S字構図」などがあります。
・日の丸構図
・三分割構図
・こちらも三分割構図ですが、主役と反対側の交点に脇役を配置しました。
被写体をどこに配置するかで、勢いが出たり、バランスよくまとまったり、逆に不安定さを演出したりと、さまざまな表現が可能になります。
ここではそれぞれの構図については詳しくお話ししませんが、写真表現の基本となるものですので、ぜひ一度入門書などで勉強しておいてください。
注意したいのは、実際に撮影する時にどれかの構図に当てはめて撮らないといけない、というわけではないということです。
あくまで構図は基本であって、まず大事なのは、何を撮りたいのか、どう表現したいのか、ということ。
どう表現したいのかによって、どんな構図で撮影するのがいいかがおのずと決まってくるのです。
フレーミングとは
フレーミングという言葉もよく聞くのではないでしょうか?
構図と同じ意味じゃないの? 何が違うの? と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
フレーミングとは構図の前段階のお話で、「被写体をどう切り取るか」「被写体を切り取る範囲」のことです。
一方、「フレーミングで切り取った被写体をどう画面上(フレームの中)に配置するか」が、構図です。
例えば、お花畑を目にして漠然と撮ってしまうと、このように何を撮りたいと思ったのかが伝わらない写真になりがちです。
そうならないために、そのお花畑の中から何をどう切り撮るかを考えます。
群生のなかから一輪を選んで寄ってみましょう。
でもただ寄っただけでは、ちょっと大きく撮っただけの写真でしかありません。
そこで次に、主役に選んで寄ってみた花の魅力を感じた部分に的を絞っていきます。
花びらのライン
おしりの部分のカーブ
ちらりとのぞく花芯
光に輝く葉っぱのカーブ
ボケの中に浮かび上がる一輪
このように、被写体のどの部分に魅力を感じたか、どの部分を表現したいかを吟味して切り取っていくことを「フレーミング」といいます。
こうして切り取った部分を、撮りたいイメージに合わせて画面内に配置していくのが「構図」です。
構図を考える時は、前回お話しした視点やアングル、脇役の存在などにも気を配って、主役がより活きるような表現を吟味してくださいね。
おわりに
「撮りたいな」と思った花そのものを漠然と撮るのではなく、さらに一歩踏み込んで、花のどこに心惹かれたのかをしっかり自分の中で確認しましょう。
それを意識してフレーミング、構図を決めていくことで、何を表現したかったのかが明確な写真になりますよ!