國政寛の感動表現|たのしくマスター! マクロ撮影術!(2)被写体の見つけ方
『ぴったり』
~雨が降っても風が吹いても
離れられない~
今回は被写体の見つけ方についてお話しします。
きれいな風景やお花畑を目の前にして、どこをどう撮っていいかわからないという話を聞きます。
そんなときは、ちょっとでも気になった被写体、無意識に目についた被写体を主役にしましょう。
その被写体になぜ心惹かれたのかをじっくり吟味することで、撮りたいイメージがはっきりしてきますよ。
目次[非表示]
- 0.1.心惹かれる被写体を見つける
- 0.2.心の動きを吟味する
- 0.3.どう撮りたいのかイメージする
- 0.4.それでもなかなか見つからない!
心惹かれる被写体を見つける
まずは植物園や身近な公園に出かけて、そこにある花をじっくり観察してみましょう。
形がきれいな花や葉っぱ、形が面白いもの、変わった形のもの。
色がきれいなものや、自分の好きな色。
そんな、少しでも気になったもの、心を動かされたものを主役にしましょう。
花びらが描くカーブにの美しさに心惹かれました。
群生で咲いているお花畑を漠然と見ているだけでは、なかなか主役を見つけられないかもしれませんね。
そんなとき、姿勢を低くして花と同じ視点から眺めてみると、違った世界が見えてきます。
一面に咲く花たちの中からちょっと頭が飛び出していたり、目立っている花を見つけたら、主人公にしてあげましょう。
どこを見てもきれいなチューリップ畑。どう撮っていいか迷いますね。
しゃがんで花たちと同じ目線で見てみると、ぴょこんと飛び出した子が見つかりました。
心の動きを吟味する
気になる主役が見つかってもすぐに撮影するのではなく、なぜその主役に目が止まったのかを考えてみましょう。
花びらのラインが美しかった、形に心惹かれた。
茎、茎についたトゲやヒゲ、ガクや葉っぱの形が面白かった。
滴に写り込んだ花が綺麗だった。
そんな心の動きをしっかり確認してから撮影してください。
ねじれた水仙の葉に光が当たって不思議なイメージになっていたのが心に留まりました。
花びらの隙間から覗いたシベが生き物のようで面白く感じました。
寄り添い合った花の中にかわいいハートを見つけました。
このとき、心を動かされた主役だけに思い切って寄りましょう。
花全体を写さないといけないとか、何の花かわかるように撮らないといけない、なんて思わなくても大丈夫です。
炎がゆらめくような花びらの模様に心惹かれました。
これだけ見ても、何の花だかわかりませんよね。
でもいいんです。そんなこと気にせずに撮りたい部分だけを切り取るんです!
どう撮りたいのかイメージする
選んだ被写体をどんなイメージで撮りたいのか、しっかり考えましょう。
例えば、かわいく撮りたい、楽しそうに撮りたい、明るく、寂しそうに、などなど。
そしてイメージしたように撮るにはどうすればいいか、吟味してください。
かわいくポップな感じで撮りたければ、黄色やピンクを散りばめて露出は明るめに。
寂しそうなイメージにするにはちょっと暗めの露出で主役を小さく配置して。
同じ花を撮るにも、撮りたいイメージによってどう撮るかが変わってきます。
他の群生とはちょっと離れて咲いていたスノードロップ。
小さく配置して寂しげなイメージで撮ってみました。
ファインダーを覗きながら、被写体に近づいたり離れたり、縦横斜めいろいろな角度から見てみたり、じっくり観察しましょう。
ほんの少し見方を変えるだけで大きくイメージが変わるのがマクロの面白いところです。
サクラソウの花を真上から見ると、普段とは違う姿が見えてきます。
花火が開くようなイメージを狙って撮りました。
それでもなかなか見つからない!
どうしても気になる被写体が見つからないときは、先にイメージを作るのも手です。
例えば二人仲良くというイメージだったら、二輪並んでくっついている花を探してみる。
ひとりぼっちで寂しそうなイメージで撮りたければ、他の花と離れて一輪だけ咲いている花を小さく撮る。
元気いっぱいな様子や希望が溢れるようなイメージなら、キラキラした光で包み込む。
二つ並んで咲いていたネモフィラ。
楽しそうに遊んでいるように見えました。
キラキラの木漏れ日に包まれた紫陽花。
明日への希望にワクワクしているようです。
皆さんもいろいろな被写体の見つけ方にチャレンジしてみてくださいね!