國政寛の感動表現|マクロレンズにテレコンバーターを装着して、もっともっと寄って撮ろう!
『春の香り』
~春の香りを
振りまくように~
マクロレンズで撮影していると、どんどん被写体に寄りたくなってしまいますよね。
そうすると、小さな花をもっと大きく撮りたい、花のこの部分だけを画面いっぱいに切り取りたい、と欲望がどんどん膨らみます。
でも、マクロレンズといえども近づける距離には限界があるので、「これ以上は無理か……」と諦めることもしばしばです。
サザンカのシベの部分をもっと大きく切り取りたかったけど、これが限界。
こんなとき、撮影の助けになるアイテムの一つが、以前もご紹介しました接写リング。
ケンコー・トキナーからは、12mm、20mm、36mmの3つのリングがセットになった「デジタル接写リングセット」が発売されています。
「デジタル接写リングって何だっけ?」という方のためにもう一度おさらいしておきますと、「カメラボディとレンズの間に取り付けることで、レンズの最短距離よりさらに被写体に近づいて接写撮影することができるようになるリング」のことです。
つまり、マクロレンズ単体で撮影するより、もう少し寄れるようになるんですね。
「AT-X M100 PRO D」に「デジタル接写リング」の36mmを装着して撮影しました。
マクロレンズ単体で撮った写真よりシベを大きく切り取れて満足!
この時の撮影風景です。
花にくっつくぐらい寄っているのがわかりますよね。
マクロ撮影には便利なデジタル接写リングですが、本格的にマクロ撮影に熱を上げている方ならまだしも、普段はスナップや風景を撮っていてたまにマクロでも撮る、というぐらいの方だと、なかなかデジタル接写リングまで購入までには至らないかもしれません。
遠いところにある被写体にはピントが合わないなど、使うシーンが限定されますしね。
そんなとき、あれば便利なのが「テレコンバーター」。
ケンコー・トキナーからは「Kenkoテレプラス」として発売されています。
(※トキナーのマクロレンズ「AT-X M100 PRO D」に使用できるのは「テレプラスPRO 300 1.4X」および「同2X」です。「テレプラスHD」では作動いたしませんのでご注意下さい!)
テレコンバーターは、カメラボディと撮影レンズの中間に装着するだけで焦点距離を伸ばすことができる便利なアイテムです。
例えば「AT-X M100 PRO D」に「テレプラスPRO 300 2X」を装着すれば、焦点距離が2倍、200mmのマクロレンズとして使用できるのです。
なんて便利でお手軽でお得なんでしょう!
そして、テレプラスを装着しても最短撮影距離は変わらないというメリットがあります。つまり、マクロレンズ単体で撮影した場所はそのまま、2倍に拡大した写真を撮ることができるのです。
接写リングを使用した場合と同じぐらい大きく撮影できました。
接写リングを使用した場合に比べると花までの距離は遠くなっていますが、倍率がアップしているため、大きく写せます。
テレコンバーターを装着すると、その分レンズが長くなる上に画像が拡大された状態になりますので、ブレには注意して下さい。
三脚を使っていても、そっとレンズに触れただけで大きく揺れるのがファインダー内でわかるほどです。
また、マスターレンズのみの場合や接写リングを使用した撮影の場合と比べると、どうしても画質が低下してしまいます。
サザンカのシベが背伸びして覗いているようでした。
一本のシベだけが目立つようにマクロレンズにテレコンバーターを装着して撮影しています。
ビオラを上から撮影。苦虫を噛み潰したような顔が面白いです。
正面からだけでなくいろいろな角度から迫ってみると、新しい発見がありますよ。
ビオラの一部分に迫ってみました。
異世界への入口が大きく口を開けているようなイメージです。
デジタル接写リングでは遠くにピントを合わせられませんが、テレコンバーターならそんな制限はありません。
テレコンバーターひとつあれば、普段使用しているレンズに装着して焦点距離を伸ばすことで望遠レンズ的な使い方もできるんです。
少し遠い場所に咲くスノードロップ。
大きさも物足りないし、背景がいろいろ入って煩雑な印象です。
「テレプラスPRO 300 2X」を装着して撮影。
大きく写すことができ、背景も整理されて主役が浮き上がってきました。
このように、マクロから望遠レンズまで、あらゆる場面で使えるテレコンバーター。
撮影の幅が広がるので、一つ持っておいて損はないですよ!