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國政寛の感動表現|冬の灯火のように咲く水仙をマクロならではの表現で切り取ろう!

『密やかに』

~耳元でそっと
 ささやくように~

 

あっという間にお正月も終わって、もう1月も半ばを過ぎてしまいました。
今年もマクロ撮影の楽しさをお伝えしていけたらなと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

冬の間は花も少なく、花撮影する僕のような人にとってはちょっと寂しい季節。
目にする風景も、まるでモノクロームのように思えてきます。

そんな風景に、ほんのり灯りを点してくれるかのように咲くのが水仙です。
寒い季節、外に出たくない気持ちもありますが、寒空の下で健気に咲く水仙にぜひ会いに行きましょう!

水仙といえば特徴的なのは、そのアヒルのような、おちょぼ口のような副花冠。
真ん中の黄色い花びらの部分です。

マクロ撮影の醍醐味といえば、何でしたっけ?
そう、特徴的な部分、一番心惹かれた部分に思い切り寄ることでしたよね。
ここは迷わず(でもしっかり吟味して)この可愛いおちょぼ口に迫りましょう!

 

こういう場合、ピントをどこに合わせるか迷うかもしれません。
花全体の雰囲気を出したいなら、中心のしべの部分に合わせましょう。
副花冠に心惹かれて「副花冠がたまらなく可愛い!ここだけ見てればいい!」なんて思ったのなら、副花冠の縁の部分にピントを合わせて他の部分を完全にボカしてしまうのも面白いですね。

アップで寄るとオートフォーカスではなかなかピントが合わなくなります。
ここはぜひ、マニュアルフォーカスでの撮影に挑戦してください。
トキナーの「AT-X M100 PRO D」なら、ワンタッチフォーカススクラッチ機構で瞬時にAFとMFを切り換えられますので撮影もスムーズです。

 

こちらは少し離れ気味に撮影。
奥にある花をボカして背景に取り入れました。

水仙は、一つの茎に一輪だけではなく、数輪の花が固まって咲いています。
そのうちの一輪にだけ迫り、固まって咲いている他の花をボケとして引き立て役にしてしまいましょう。
これぞマクロならではの撮り方ですね。

 

この時、絞りは必ず開放(f値が一番小さい数値)で撮りましょう。
絞ってしまうと、周囲の花があまりボケずに主役の花が引き立ちません。

 

水仙の背景に雑木林などがあれば、円ボケを作るチャンスです!
木漏れ日や光に反射した葉っぱなどが様々なボケを作り出してくれます。
上の写真は、こんな背景の場所で撮りました。

 

でも立ったままの姿勢で撮っていたり、座って目線と水平にカメラを向けて撮っていても、画面に円ボケが入ってこないかもしれません。
そんなときはもっと低い体勢で、ちょっと下から花や空を見上げるような意識で撮ってみましょう。
そうすると、背景に光のキラキラが入ってきますよ!

この時期は葉っぱを落とした木が多いので、そんな木を背景にするとちょっと暗くて寒い雰囲気になりがちです。
最初に撮った場所だけにこだわらず、上へ下へ右へ左へといろいろ動いてみましょう。
背景の入り方が変わって、いろんなボケができますよ。

 

背景の茶色いボケ。左上に向かって斜めに線が伸びているように見えますが、何だと思いますか?
実はこれ、ウッドデッキの屋根なんです。

 

人工物があるとついつい排除したくなりますが、あえて入れて面白いボケ味として活かすこともできるんですね。

水仙は、一輪だけでなく群生して咲いていることが多いと思います。
その群生をボケに活用しましょう。
ちょっと飛び出た一輪を見つけたら、手前に咲いている花たちをボカして前ボケに。

 

群生の一番奥にある一輪に注目しました。
手前の群生をボカして前ボケにし、たくさん群生している雰囲気を出しています。

 

いかがでしたか?
ぜひ皆さんもいろいろな水仙の撮り方を試してみてくださいね。
水仙の甘~香りにも癒されますよ(*^^*)