國政寛の感動表現|色とりどりの秋はマクロが楽しい季節です!

暑い夏が終わって、もうすぐ色とりどりの花が咲きはじめる季節がやってきます。
そんな季節を前に、マクロ撮影についておさらいをしておきましょう!

『だいじな宝物』

~空からもらったお星さま
 だいじにだいじにぶら下げて~

マクロ撮影では、花全体を写す必要はありません。
その花の特徴的な部分にぐぐっと迫って撮ってみましょう。

リコリス(彼岸花の仲間)の特徴は、大きくカーブを描くシベ。
そのシベにピントを合わせ、花びらの部分はボカしました。
雨の後だったので水滴がついて、いいアクセントになっています。

第一回目でも書きましたが、マクロレンズを使うと、普通のカメラで撮るよりも、ずっと被写体に近づいて画面いっぱいに大きく写すことができます。
でもマクロ撮影の魅力は、単に大きく写ることだけではないんです。
被写体に近寄って大きく写すことでピントの合う範囲が狭くなり、ピントの合っていない部分が大きくボケる。
それによって、見慣れたはずの風景が肉眼では見えない不思議な世界となって目の前に広がる。
これがマクロの一番の魅力です。

『はばたけ』

~力強く
 天までとどけ~

バラの花にマクロレンズの最短距離付近まで近づいてみました。
ピントを合わせたシベの部分以外がふわっと大きくボケています。
マイナス補正で撮影したことで、背景が黒く落ち、濃厚な赤色が強調されました。

次に、ほとんど同じ撮影位置で、今度はピントを花びらに合わせてみます。
すると、シベの部分が黄色いボケとなり、奥の花びらもより大きくボケました。

『静かな想い』

~ゆらゆらと
 静かに燃やして~

このように、ピント位置を変えることでボケ方も大きく変わり、まったく違ったイメージの写真になるんです。
このボケをコントロールすることがマクロ撮影の楽しみの一つです。

ちなみに、このような撮影の場合、オートフォーカスではほとんどピントを合わせることはできません。
マニュアルフォーカスに切り替えて、自分で合わせたいところにピントを合わせる必要があります。
AT-X M100 PRO Dは、ピントリングの幅も広く動きもなめらかですので、マニュアルフォーカスでのピント合わせも快適です。

『届きますように』

~空に向かって手を伸ばし
 君にささげるプレゼント~

これは、ひまわりの中心部を横からアップで撮ったものです。
さわさわと風で揺れているかのようなシベの上に小さな滴がちょこんと乗っていました。
普通、ひまわりを見るときは正面から見ますよね。
いつもどおり何気なくひまわりを見ていたら、こんな小さな滴には気が付かないと思います。
でもこうして横からマクロレンズで近づいてみると、今まで見ていたのとは違ったひまわりの表情が見えてくるんです。

綺麗な花を前にすると、さっそくカメラを出して早く撮りたくなる気持ち、わかります。でもちょっと立ち止まって被写体をよ~く観察してみてください。
右から左から、上から下から斜めから……。
しっかり被写体を観察してみると、今まで見えなかったいろんな表情が見えてくるはずです。
そこでこんな滴を発見したら……感動ですよね!
そう、そんな感動が呼び起こされたときに初めて、カメラを構えてシャッターを押してください。

『ぐ~るぐる』

~ぐるぐるまわるその奥に
 どんな世界が待ってるの~

マチルダという、とても清楚で美しいバラ。大好きな花のひとつです。
やわらかく巻き巻きした花びらの中をそっと覗いてみると、こっそり隠れた一粒の滴を見つけました。
滴にピントを合わせることで、渦のように巻かれた花びらが不思議なボケを描いてくれました。

さあ、マクロレンズを持ち出して、いろんな感動を見つけに行きましょう!