浦口宏俊の感動表現|広角から標準域までの画角カバー

写真を撮る者たちの中で、ズームレンズ・単焦点レンズどちらが好みであるか論争は尽きない話ではないだろうか。私自身は、ここ最近もっぱらズームレンズを多用している。ズームレンズ多用している理由としては、広範から標準域までの画角をカバーできるからである。理由は他にもいくつかあるが、今回は画角のカバーについてフォーカスを当てる。
そんなズームレンズユーザの私にTokinaのAT-X 24-70mm F2.8 PRO FX Canon EFのレンズを使用しさせていただく機会をいただいた。せっかくなので、24・35・50・70mmの画角を意識し写真を撮ってみた。

 

写真を見る前に、このレンズを付けるボディについて触れたい。AT-X 24-70mm F2.8 PRO FXは、Canon用とNikon用の物が現在発売されている。しかし、私が所有しているボデイはSONY α7IIの2台である。そこで今回は、SONY α7IIにSIGMA MC-11というマウントアダプターを挟む事によって使用してみた。本来であれば公式で使用可能であると謳われていない組み合わせであるが、きちんとAFも効き問題なく撮影が行えた。
 

まず初めに鎌倉で撮影した、着物Lovegraphでの1枚である。
最大ズームの70mmで紅葉と被写体であるお客様を圧縮してみた。絞りはF/2.8でありながら、左側にある紅葉の前ボケが非常に綺麗である。RAWで撮影しレタッチをているが、このオレンジはLightroomでの基本補正色の調整のみであり、色味についてはほぼいじっておらずこの色鮮やかさがしっかりと出ている。個人的にはとても好みなオレンジである。

 


使用レンズ:AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX 
焦点距離:70mm  絞り:F/2.8  シャッタースピード:1/800 ISO:100

 

お客様とのLovegraphを終えそのまま鶴岡八幡宮近辺の散策をした。
12月中盤ではあるが、まだ紅葉が残っておりついつい撮りたくなってしまった。こ
こでは、様々な画角で撮ってみたが50mmが一番しっくりくる画角であった。もし35mmの単焦点のみでの撮影であったら、この絵は撮れる事なく、いい絵が撮れなかったとこの場を去ってしまっていたであろうと考えるとやはりズームレンズは万能であり優秀である。

 


使用レンズ:AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX 
焦点距離:50mm  絞り:F/4.0  シャッタースピード:1/500 ISO:200

 

鶴岡八幡宮へ向かうストリートである。
綺麗な一本道になっており、視線誘導が演出しやすい通りでお気に入りの場所である。視線誘導の先はほんのり夕日のオレンジであり、そこから写真上側に行くに連れてうっすらとした青への移りかわいがとても良い。グラデーションの表現がとても綺麗である。濃すぎもせず、薄すぎもせずいい塩梅である。

 


使用レンズ:AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX 
焦点距離:36mm  絞り:F/4.0  シャッタースピード:1/320 ISO:200

 

最後に24mmで鶴岡八幡宮を撮りつつもスナップ要素を入れ込んでみた。建物を撮るのに35mmでは物足りないが、広角で撮る事によって少々のパースを生み出しダイナミックな表現を作り出すことが可能である。また色味は、神宮側の空のブルーが綺麗に出ており、オレンジ色の神宮にさらに夕日が注ぐ事によって、寒色と暖色のコントラストがいい演出となっている。
 


使用レンズ:AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX 
焦点距離:24mm  絞り:F/4.0  シャッタースピード:1/250 ISO:200

 

[総評]
やはズームレンズは万能であり、様々なシチュエーションで使うことができる。使用をしてみて一番に抱いた感想としては「ブルーが綺麗」であった。うたい文句としているだけあり非常に関心をした。ブルーを上手く活かせる様な晴れ晴れとした空の日にこのレンズを持ち出すことができて、とても魅力的なレンズであることがよくわかった。
サードパーティならではの安いからオススメのレンズとしてだけでなく、綺麗なブルーを表現したい方には特にオススメの一本であった。