zenの感動表現|持っておくべき標準レンズ

前回の記事ではAT-X 24-70mm F2.8 PRO FXの外観及び性能面にフォーカスを当てたレビューをさせていただいた。本記事では参考程度に当レンズを用いた作例を添えてレビューの続きを行っていこうと思う。


連休を使って福岡に行く機会があり、筆者はどのレンズを旅の友にしていくかに悩んでいた。しかし少々重量感はあるものの、自然とこのレンズを選んだ。初めていく場所にどの画角が良いかの選択肢を単焦点の中から吟味するほどであれば、使い勝手の良い焦点幅のズームレンズを1本持っていこうと。

いよいよ描写や解像度の観点を述べていく。事前に読者の方に断りを入れておきたいのだが、例え他の欠点に目を向けたとしても、このレンズを持っておいて損はないというくらいに筆者は満足している。


◎使用レンズ:AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
焦点距離:70mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100

 

まず特筆したいのが色の入り方。色が「しっかり」というよりは「しっとり」入る印象を持ち、特に暖色系の色は編集する段階でも全く触る必要がない。肌は輪郭がはっきりする一方で、質感は気持ち明瞭度が下がっているようにも思える。
(余談:ある日のラブグラフの撮影で当レンズと純正16-35mmの高級レンズを使い分けるような瞬間があったのだが、色の入り方に関しては純正では当レンズの後だと物足らなさを感じた。写真は非公開なので悪しからず。)

AFについて述べれば「丁寧」という言葉がしっくりくる。
速度は速い部類ではないため動体の撮影は困難かもしれないが、精度は日中であればMFで追い込む必要も殆ど無い。筆者のようにポートレートやスナップがメインのカメラマンにとって特段問題はなく、もちろん風景写真家の方々にとっても不便はないはずだ。


◎使用レンズ:AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
焦点距離:40mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/40秒 ISO感度:800

せっかくのズームレンズなので、広域側から中望遠側まで撮り尽くしてみたが収差が目立つようなズーム域はなく、開放から絞り(筆者はF8程度)まで中央付近は非常にシャープである。難しい夜の場面の撮影においても前回の記事で述べたワンタッチ・フォーカスクラッチ機構が役に立ち、ライブビューで丁寧にピントを追い込みやすい。


◎使用レンズ:AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX

焦点距離:50mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/40秒 ISO感度:800

振り返れば福岡であることが伝わるような写真を殆ど撮っていないことに執筆中に気づいたのだが、どうかご愛嬌頂きたい。せめて明太子や博多ラーメンは私の胃袋に入る前に撮影しておけば良かったのだが、残念ながら食欲が勝ってしまった。

【総評】
重厚感のあるレンズだが、前回の記事で述べた外観の作り込みの他、色の入り方においても純正や他のサードパーティーレンズと比較しても良い意味で特徴的で、素晴らしいレンズとなっている。24-70mm/F2.8という使い勝手の良い標準ズームレンズは他社も大三元レンズの1つとしてラインナップを広げているが、購入を検討している読者の方々にも一度はこのレンズを手に取り、その良さを実感していただいた上で吟味していただきたい。

【余談】
当レンズは伝統のTokinaの「トキナブルー」を謳っているレンズだが、週末カメラマンの筆者にとっては残念なことに10月の撮影タイミングが殆ど曇りか雨に見舞われてしまったため、青空のもとでの撮影は出来なかった。しかし、後続でラブグラフ社のカメラマン達がこのレンズの魅力を引続き語ってくれるはずなので、(勝手に)彼らに委託したい。

当レンズを用いた他の写真たちは筆者のSNS(主にInstagram:@zen_cam)に徐々にアップロードしていく予定なので、これを機にご注目戴けたら光栄である。