zenの感動表現|単焦点レンズばかり使ってきたけど

「写真の上達には使っているレンズが全て」とは言えないが、一方で「ズームレンズよりも単焦点レンズを使うべき」という文言はカメラをやっている方ならば一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。恐らくズームレンズのズーミングにばかり頼って写真が単調になる恐れがカメラを始めたての人にとっては起こりうるために、そのような説が出てきたのだと思われる。要は自分の脚を使って写真のパターンを稼ぐべきだと。

実際に私自身も無意識ながらその言葉に従いながらカメラをやってきた節はあって、手持ちのレンズはもっぱら単焦点ばかり。ズームレンズの購入を意図的に避けていたわけではないが、気付けばズームレンズは使う機会はまだしも購入する機会は少なかった。

そんななか機会があって使わせていただいたのがTokinaのAT-X 24-70mm F2.8 PRO FXである。結果から言えばやたらズームレンズから遠ざかっていた自分にとって有意義な出会いとなるレンズである。サードパーティーのレンズはやはり純正のレンズとの比較対象になりがちだが、同ズーム域のレンズラインナップの中でひと味違うが素晴らしい出来のレンズに仕上がっている。

本記事では描写などの性能面以上に、外観を中心とした機能面での個人的な所感を述べたいと思う。


届いてまず思ったのが重量感があるレンズである。実際の質量は1,010g。他社メーカーの24-70mmレンズと比較しても若干重たい部類には入るものの、外観の造りは高級感がある。一眼レフを構えて撮るようなときはしっかりカメラバッグに必要備品を取り込んでいく筆者にとってはあまり気にならない点だが、携帯性や俊敏性を求めているカメラマンにとってはやや懸念されるかもしれない。

サイズ感に関してどのレンズと比較したら読者の方々は分かりやすいだろうかと考えたところ、各々で所持しているメーカーも異なることを考慮して身近なiPhone7plusで簡易的に比較した。35mm側でレンズは伸長するが、どちらにしても手軽なサイズ感である問題はないと思われる。付属の花形のレンズフードも接合部分含め造りはしっかりしており

(参考)iPhone7plusの全長:158.2mm

広角側(24mm)との比較

望遠側(70mm)との比較

ズームリング及びフォーカスリングについては筆舌に尽くし難いが、固すぎず非常にしっかりしており、うっかり触れてしまった時にずれてしまうようなことはまずない。Tokinaの細かなこだわりを感じた部分でもあった。
 
さらに筆者が驚いたのは、ワンタッチ・フォーカスクラッチ機構。AFポジションとMFポジションの切り替え方は一般のレンズは小さなスイッチ式であるが、当レンズはフォーカスリングを前後に移動させることで行う。慣れを要する機能かもしれないが、ファインダーを覗きながらAF⇔MFの切り替えを行う際に小さなスイッチ式では左手が迷子になることがあるが本機能ではそれが格段に減る。AFの後にMFでピントを追い込む撮影をする機会が多いカメラマンにとっては撮影速度の向上に繋がるだろう。


 


【総評】
今回は外観及び機能面でのレビューに留まるが、肝心の当レンズによる写真及びその描写や性能は次回の記事でじっくり行うこととする。しかし、当レンズは若干重量感はあるものの外観及び機能面に不満はない。サードパーティーのレンズが純正のレンズよりも劣っているという概念が近年崩れてきているが、まさにその実感が次回述べる性能面含めて感じられるような1本のレンズをTokinaは仕上げてきたように思える。同ズーム領域のレンズの購入を考えているカメラマンにはぜひこのレンズを薦めたい。