mokkunの感動表現|Lensbaby velvet56

こんにちわ。沖縄県でフォトグラファーとして活動しておりますmokkunです。

遂にご対面しました。

レンズベビーから登場のVelvet56 F1.6のMFレンズ。
「クラシックポートレンズ」と称したこのレンズ、このレンズの虜になるのにはそう時間はかかり
ませんでした。

さてこのレンズ。デザインもすごくカッコ良く所有者欲求も満たしてくれます。

私はsonya7RIIIとa6500にsigma MC11のマウントアダプターを装着して使用しております。

フルサイズセンサー機で標準域、APS-C機では中望遠域として使えますのでポートレーターの私にとってはすごくありがたい焦点距離。

さらに開放F1.6~16まで一絞りごとに変化する描写はまさに魅惑的で、F1.6~F2.8まではソフトフォーカス、F4あたりからソフト効果が弱まり絞るごとにキレキレな描写へと変貌していきます。
最初は「これは本当に同じレンズで撮った写真なのか?」と驚きました。
でわさっそくvelvet56の世界を覗いて見ましょう。

①sonya7RIII×velvet56 f1.6
焦点距離56mm 絞り:F1.6 シャッタースピード1/8000 iso100

この日は天気の良い晴天の沖繩。
太陽が順光で綺麗に入る午前中の西海岸沿いで撮影。

こ、これが噂のvelvet56の開放域。
高次球面収差によるクラシックレンズさながらのソフト効果。まるで夢のなかにいるようなファンタジーな描写。
周辺の流れも特徴です。何気ない瞬間もこのレンズにかかれば発想次第でアートに表現できてしまいます。

F1.6は被写界深度が浅く、強いソフト効果でピントが甘く見えるため確実なピント合わせが必要であると感じました。そのためミラーレス機は背面液晶やEVFでソフト効果やピント面を拡大確認しながら撮影できるため相性が良いかもしれません。

②sonya7RIII×velvet56 f1.6
焦点距離56mm 絞り:F2.8 シャッタースピード1/8000 iso100

さて、絞りを2段絞ってF2.8で撮影。
個人的には一番美味しい値だと感じました。

velvet56特有のボケ、滲み、ソフト効果は同じ設定で
も光の環境下で大きく変化します。

撮り手の撮影環境の選択、設定次第で表現の可能性は無限にコントロールできるまさに「遊べるレンズ」だと実感しました。

また中心には芯がしっかり残り、デジタル処理や光学フィルターでは得られない描写が印象的です。

③sonya7RIII×velvet56 f1.6
焦点距離56mm 絞り:F シャッタースピード1/8000 iso100

さらに3段絞ってF4で撮影。

F4あたりから突如性格をガラッと変えキレのあるシャープな描写に。(この振り幅にまた絶句。笑)

いやいやいや…

良いです良いです。なんというこの質感。

ソフト効果も鳴りを沈め、背景の情報もくっきりとして来ました。それでも周辺の流れが中心に置いた被写体を印象的に主役へ引き立ててくれていますので個人的には最も扱いやすい値だなという印象でした。

その場で欲しい表現が一本でここまで選択でき画作り出来るのがすごくユニークでワクワクするレンズです。

この日はそのままホテルバイキングへレッツゴー。「velvet56で感じる旨みシリーズ」

④sonya7RIII×velvet56 f1.6 
焦点距離56mm絞り:F4 シャッタースピード1/60 iso100

注目するべきはローストビーフの脂がのったハイライト部分。
まさにこのレンズの特徴が出た一枚ではないでしょうか。光が回った環境下で威力を発揮します。
撮りながらヨダレが…

まだ我慢まだ我慢…。

⑤sonyR7rIII×velvet56 f1.6 
焦点距離56mm絞り:F2.8 シャッタースピード1/125 iso100

続いては私の奥さんに協力してもらい綺麗
な自然光が入る窓際へ移動して撮影。

いかがでしょうか?
やはり光の使い方で効果が大きく変化するのがこのレンズの魅力。
料理全体に注ぐ柔らかい光が表現できた一枚で個人的にはすごく好みです。
人肌の描写も素敵ですね。

⑥sonyR7rIII×velvet56 f1.6 
焦点距離56mm絞り:F2 シャッタースピード1/160 iso100

写真の中のパスタに思わず手を伸ばしてしまいそうな「光と空気をぎゅっと閉じ込めたような一枚に」

不思議と写真から旨みすら感じませんか?
もう我慢できない!いただきます…!

⑦sonya7RIII×velvet56 f1.6 
焦点距離56mm絞り:F2.8 シャッタースピード1/1600 iso100

続いては日の丸構図でドーンと。

写真の中心はピントがありつつソフトな描写。周辺はグルグルと回転するようなユニークなボケ味。

ハイライトの美しい滲みがたまらない。

半逆光での環境下で髪にエッジも優しく入りました。

⑧sonya7RIII×velvet56 f1.6 
焦点距離56mm絞り:F2.8 シャッタースピード1/160 iso100

さらにグルグルボケを試そうとごちゃごちゃした背景へ。

「キラキラのグルグルの周辺ふわトロ~~~。」

今回はハイライト部分からの光の滲みにソフトフォーカスの効果が強くでるため試験的に被写体の位置を背景に比べ暗い位置に立ってもらい効果をコントロールしてみました。
同じ絞り値でも光の使い分けで様々な表現ができる非常に面白いレンズだとまた新たな発見。

sonya6500×velvet56 f1.6 
焦点距離56mm絞り:F2.8 シャッタースピード1/60 iso100

続きまして私がいつもお世話になっているモデルのセナちゃんご協力のもと浴衣ポートレート。

a6500はAPS-C機にあたるため焦点距離は56mm×1.5倍=約84mm換算になるため、ポートレー
ト撮影に最適な中望遠域のレンズとして使用することが出来ます。

■感想

velvet56の魅力である絞り開放からのソフトフォーカス、またF4~は絞るごとにキレのあるシャープな描写。
個人的な好みでは無意識にF2~2.8の幅でほとんど使用していることに気がつきました。
特に私はF2.8で出てくるvelvet56の描写が絶妙で虜になりました。
ボケ、滲み、ソフト効果、色調の段階的変化がまるで絵画のようでそれをどうコントロールするか、背景処理や周囲の光と環境との兼ね合い、そして自ら脳内にイメージする画とvelvet56が描写してくる写真をどう合致させ擦り合わせていくか。

そのプロセスを含めて改めて「写真を撮る」という行為そのものの楽しみを何倍にも膨れ上がら
せてくれるワクワクするレンズといったところでしょうか。

このレンズの面白味は無限に尽きることがなさそうです