浦口宏俊の感動表現|Velvet 56を使いこなすまでの道のり

非常に魅力的でじゃじゃ馬なレンズが手元に届いた。
Velvet 56のレビューするにあたって色々な作例を見つつどんなレンズなのか楽しみに届くのを待っていた。しかし、思わぬ壁にぶつかった。実際に手に取り撮影をしてみると写りの特徴・特製などと引き換えに、非常に撮りにくいレンズなのであった……。

 

今回Velvet 56をSONY α7II+マウントコンバーター MC-11を噛ませ、ポートレート、スナップ、花を中心とした撮影を行なった。結果的に惨敗であった。自分の中でしっくりとくる写真が撮れなかったのである。
敗因としてはの3つ程が挙げられるのであるが、その中でも特に感じたことについて主に記事として書かせていただく。

 

~レンズの特性を理解していなかった~
→これが大きな要因である。
 今回の記事では解放時のソフトフォーカスから絞って行く過程でどんな変化が見られるのか実験的な撮影を行なった。
まずシンプルな壁を背景にソフトフォーカスが程よく効く距離感・位置にモデルさんに立ってもらった。光により条件が左右されない為に夜の室内での撮影である。f値を1.6→2.0→2.8→4.0と一段ずつずらして行く。f値を変更して行くにあたって、シャッタースピードやisoも変更し、4枚ともほぼ同じ光の写真のように撮影を行なった。(余談であるがモデルのポージングは4枚ともほぼ同じであるが、表情の若干の違いがこの実験結果としての別の視点で面白みがあった。)

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
 焦点距離:56mm 絞り:F/1.6

ポートレートでの解放時のソフトフォーカスがうまく効く距離感をやっと見つけることができた。
56mmの焦点距離でバストアップぐらいが望ましいのかもしれない。そしてこのふんわり感である。
この描写を楽しみにしていたのだ!言わんばかりのふんわり具合でありもう満足である。

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
 焦点距離:56mm 絞り:F/2.0

解放時のソフトフォーカスはとても魅力的であり、このレンズの代表的な描写と言えるかもしれない。ただ一番程よい塩梅であるのは1段絞ったF/2.0なのかもしれない。次回ポートレートを使用する際にはF/2.0を中心とした作例と撮って行きたい。
 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
 焦点距離:56mm 絞り:F/2.8

2段絞る事によりだいぶ背景がはっきりとしてきた。この時点ではソフトフォーカスのふんわり感があり、モデルと背景どちらの情報も大切な環境でありながらも特性を活かすにはこれくらいの絞り具合が良いと感じた。
 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
 焦点距離:56mm 絞り:F/4.0

f4.0に入り描写にだいぶ差異が現れ始めたのではないだろうか。この程度のソフトフォーカス感であれば、トイレンズの様な表現に近い物が感じられた。この表現力もまた乙なレンズであると感じられた。
 

[総評]
4枚の違いについていかがであっただろうか。簡易的な実験ではあったが、Velvet 56について少し知ることができもっともっといい写真を生み出して生きたいと感じた。今回は私の実力不足によりレンズの最大限の魅力を引き出せなかったが、この実験を活かし後半の記事では最高のポートレート撮影してこようと思う。
最後に今回の撮影の中でもバッチと決まったと感じた写真を載せ終わりとする。

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
 焦点距離:56mm 絞り:F/1.6 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:640