伊藤宏美の感動表現|3月31日三江線運行最終日ラストラン

3月31日三江線が運行最終日を迎えました。

式典が開かれ、多くの人が訪れました。

私も、思い出がたくさん詰まった三江線。

前日の最終便の飛行機で向かいました。

この時期には桜は見られないと思っていたのですが、この日は合わせたかのように桜も満開。

レールバスのころから三江線を利用していたおじいさんは

「こんなに人が集まったのに、本当に廃線にするのか。。。これで本当にさようならだ。」

と隣でつぶやきました。

私は、最終列車を、上下共に、宇都井駅で見届けることにしました。

山と山の間にあるこの駅は、高い位置にホームがあり、トンネルから出てきてトンネルに入っていきます。

最終列車は、たくさんの人が待つ中、少し遅れてトンネルから、やってきました。

そして、長い汽笛を鳴らし、静かにトンネルに去っていきました。

静かな見届けでした。

​​​​​​​◎使用レンズ:AT-X 107 DX Fisheye
焦点距離:8mm 絞り:F/8 シャッタースピード:11秒 ISO感度:100

花火が上がると聞いていたので、花火の上がる高さがどのくらいか分からないのと、

撮影場所が前方だったため、全景が入るように魚眼レンズAT-X 107 DX Fisheyeを使用しました。

対角線魚眼の歪曲収差によって地面のイルミネーションが印象的なカーブを描く絵作りができました。

魚眼レンズにおいても、解像度の良さは顕在で、右端に映るトンネルや周りの木々まで描写が綺麗です。

F8の絞込みでも、光芒が美しくでてくれました。

撮影してみると、花火が低い位置で上がったので、今度はレンズを変えて

AT-X 14-20 F2 PRO DXで撮影しました。

◎使用レンズ:AT-X 14-20 F2 PRO DX
焦点距離:18mm 絞り:F/8 シャッタースピード:18秒 ISO感度:100

AT-X 14-20 F2 PRO DXの描写力はトキナーの広角ズームレンズの中でも群を抜いています。

駅舎の質感や列車のシャープネス、夜に浮かぶ花火の抜け感などは、本当に単眼レンズに引けをとりません。

私にとって、廃線の日に目の前で列車を見送ったのははじめての事です。

宇都井駅の最後は、思った以上に静かでした。

列車が見えなくなって、しばらくしてから、「ありがとう」という言葉と拍手がおこりました。

脳裏にしっかり焼きついています。

翌日は静かになった駅を見にまわる予定でしたが、

なんとなく、見に行く気持ちになれず、三江線をあとにしました。

なので、まだ、走っているようなそんな気持ちがします。

翌日はそのまま山口線に足を延ばしました。

何も予定を決めずに出遅れて出発したので、撮影場所にはすでに人がたくさんいました。

でも、桜の木の下にはあまり人がいなかったので、そこに場所を決め、

広角レンズを使うことにしました。

この日はD51が具合が悪くお休みしていましたが、

桜満開の木のしたで、春いっぱいの撮影ができました。

◎AT-X 12-28 PRO DX
​​​​​​​焦点距離:15mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:640

AT-X 12-28 PRO DX は、細かな桜の一輪一輪まで見事に描写してくれました。

桜のやさしいピンクから、青空までとてもバランスの良い発色もこのレンズの魅力です。