伊藤宏美の感動表現|秋色の列車を撮る

今年の夏は雨が多く、この日も雨でした。
午後から曇りの予報だったので、晴れるのを願って、上長瀞へ出かけました。

私の家から1時間ちょっとで行ける距離に、上長瀞の駅はあります。
ひさびさのお休みにちょこっと行くには、とっても良い場所です。
上長瀞で下車して荒川まで歩くと、荒川橋梁が見えてきます。

ここは、昔、受験勉強の時に’息抜き’という言い訳をして、友達と川下りにきた夏の思い出があります。
あの時は、まわりにあるもの全てが楽しかったなぁと思い出しながら岩に座っていると
たまに、お日様が雲の隙間から、水面をキラキラと輝かせてくれます。

何度も何度も「今だ!光って」と願いながら待っていると、
キラキラの水面の瞬間に貨物列車が走っていきました。

◎使用レンズ:AT-X 14-20 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/11  シャッタースピード:1/2500秒 ISO200感度

こんなことをしていると、つい気分が上がり、なんとなく居心地がよくなり、
1日、この荒川橋梁の見える岩に座ってすごしました。
すると、この日は、雨あがりの素晴らしい夕焼けになりました。

受験勉強していたあの頃は、
なんでも出来そうなパワーに満ちていたけれど、
あの日の空が何色だったかなんて覚えていないし、夕焼けを待つような贅沢もしなかったなと思うと、大人も悪くないなと思いました。

そして、
素晴らしい夕焼けを残すことができて
写真をやっていて良かったなぁと思った瞬間でした。

◎使用レンズ:AT-X 14-20 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/9  シャッタースピード:1/400秒 ISO400感度

帰り道、駅舎に戻ってみると、まだうっすらと夕焼けが残っていて、それも綺麗でした。

◎使用レンズ:AT-X 14-20 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/10  シャッタースピード:0.62秒 ISO100感度

 

この日は、AT-X 14-20 F2 PRO DXのレンズ1本で出かけたのですが、空いっぱいの作品を作るのにはとても良い選択でした。
陽がさす瞬間の水面のキラキラを狙う逆光の中、ハレーションもない仕上がりです。
隅の波や、石ころまでしっかりとした質感を表現できるのはAT-X 14-20 F2 PRO DXならではだと思います。

夕焼けが美しく、ブルー以外の発色もとても鮮やかで、美しい雲と雲の隙間から見える青がとても印象的な1枚に仕上がりました。また、シルエットの輪郭や窓越しに見える雲の描写力も素晴らしいです。
今回も、空を主役にたくさん入れたかったので、列車を画面の端に撮影したのですが、歪まずに撮影できました。
 
 
今回は秋空がテーマになりましたが、
別の日に今度はAT-X 12-28 PRO DXを持って東武鉄道 SL大樹を撮影しに行きました。

◎使用レンズ:AT-X 12-28 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/10  シャッタースピード:1/640秒 ISO800感度
 
この日も雨降りの日でしたが、雨粒がたくさんついた曼珠沙華がとても綺麗だったので、
主役は、SLでなく曼珠沙華にしました。
撮影していて、四季を感じた時、私は改めて
四季のはっきりした日本は素敵だなあ。と思います。
 
 
 
実はこの日は、秋色を探していたので、曼珠沙華の群生を見つけたとき、広角レンズを考えていました。
ところが、ここは、写したくないものも周りに多く、広角では難しい状況でした。
しかし、AT-X 12-28 PRO DXは標準域に届く28mmまでのズームも可能なので、画面を整理して撮りたいものを思ったとおりに撮るにはとても便利です。