山口勝廣の感動表現|Tokina opera 50mm F1.4 FF で撮る佃島

「佃島」は東京の中心中央区に位置します。

徳川家康は江戸幕府開府の折、大阪佃村の漁師をともない、隅田川河口の干潟を与え漁民は自ら造成工事を行い、誕生した島を故郷の佃村にちなんで「佃島」としたとのこと。現在の佃島は高層マンション群を背景に船溜まりや佃煮店の店構えや暖簾等に僅かに往時の面影を垣間見ることができます。


残念ながら今回は船溜まりは工事中で船を見ることはできませんでしたが、その分、単焦点レンズ「opera 50mm F1.4 FF」を片手に佃島のイメージ探索を楽しめました。


「江戸前」という表現を聞いたことがありますか。 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)時代となった今日でも「江戸前の寿司」といった言葉がありますが、この「江戸前」とは、江戸の前の海を指し、まさに、この佃島界隈の東京湾の入り口付近のことを言っています。


江戸前で撮れる魚貝類は新鮮で生きがよく、この握りの寿司は今では寿司の代表格として世界の人々の味覚を楽しませています。

また、「佃煮」は小魚や魚介類を塩や醤油で煮詰めて保存食とし、漁民は悪天応や出漁時の食料として利用。後に江戸庶民に普及したとされ、この佃島が「佃煮」発祥の地と言われています。

これを商う商家の店構えや看板、幟などに江戸下町の情緒が色濃く感じられ、暖簾に迫ったり引いたりと単焦点レンズならでの楽しみが倍増しました。


街の写真撮影では足を使って対象を発見することが大切で、そこに自分だけの視点や表現が生まれます。その点で写真は、頭で撮るのではなく足で撮るものだといえますね。


①   高層マンション群を背景に朱塗りの「佃小橋」が時代を超えた架け橋のように感じられ、その時空間を「opera 50mm F1.4 FF」で記録しました。

●撮影データ:F/2.5 1/4000sec  ISO:100


②   朱塗りの「佃小橋」をベビーカーで渡る母子は現代の象徴か、右手にはスマートフォン。歴史の架け橋の情景として切り撮ってみました。

●撮影データ:F/2.8 1/3200sec ISO:100


③   江戸庶民にはお馴染みの銭湯、お年寄りたちが「ゆ」に行ってきたとか、「ゆ屋」に行こうよ!、とかよく話していたことが懐かしい。そんな情景をとどめる「湯屋の暖簾」を発見、思わず「opera 50mm F1.4 FF」を握りしめて画角いっぱいに寄ってみました。


●撮影データ:F3.2 1/85sec ISO:100


④   江戸風情を残すつくだ煮屋の店構え、今や都会の中では見ることも少なくなった商家のたたずまい。暖簾には天保八年の文字が見え歴史の中の風格を感じ二階家全体を入れるように、植え込みぎりぎりに下がって撮影しました。

●撮影データ:F4.0 1/250sec ISO:100


⑤   江戸前の海で獲れる小魚、こはだ、アナゴ、シラウオ、ハゼやアサリ、エビ、小女子などを材料にした佃煮、それを商いとするお店の看板や幟には地域の環境や歴史がとどめられています。

●撮影データ:F4.0 1/500sec ISO:100


⑥   大川端の階段を上った佃大橋の上からは遠方に勝鬨橋がシルエットに、眼下に白波を起こしながら迫ってくる遊覧船。逆光に輝く水面と船影が「opera 50mm F1.4 FF」画面いっぱいになる一瞬を切り撮りました。

●撮影データ:F14 1/400sec ISO:100




山口勝廣(ヤマグチ カツヒロ)

山口勝廣(ヤマグチ カツヒロ)

1940年生 名古屋市出身。(株)グラフ社写真部チーフカメラマンを経てフリー 1967年フォトオフィス・アルプ設立。 旅をテーマとする出版・雑誌にて活躍。 ライフワークとして、中山道という一本の街道に育まれた歴史や伝統「木曽路」の風俗、風物、御嶽信仰・山岳宗教等、木曽谷の人々の暮らしを半世紀に亘り撮影記録。木曽街道400年記念祭企画≪木曽路の祭≫を始め、写真展多数開催。 2003年4月NHKハイビジョン「公園通りで会いましょう」«木曽路賛歌»出演。 2010年「BSジャパン:写真家たちの日本紀行」「夏の水の物語」出演 第1回 岐阜県郡上八幡下殿町の盆踊り ・ 第2回 長良川沿いの伝統文化と小瀬鵜飼  2011年「御嶽信仰と里のまつり」展開催 キヤノンギャラリーS 2013年「木曽・信仰と祭り」展開催 伊那かんてんぱぱホール 各種写真コンテスト審査員歴任 • NHK八王子文化センター講師 • 木曽ふるさと大使 • 公益社団法人 日本写真家協会会員(専務理事) • 日本旅行写真家協会正会員(会長)

opera 50mm F1.4 FF


撮像素子の高画素化に対応するため、絞り開放近辺から高い光学性能を実現させた、コントラスト重視の光学設計です。ガラスモールド非球面レンズ1枚、異常低分散ガラス3枚を理想的に配置、最適化することにより、各収差をバランスよく除去しております。トキナーがこのレンズに求めた具体的な描写は、単焦点レンズ特有のコントラストの高い「立体感のある描写」をイメージしています。