千手正教の感動表現|星空を撮る①

昨今、デジタル一眼レフカメラの普及によって、銀塩時代と比べて天体写真撮影(星空撮影)が身近になってきました。

特に手軽な機材で撮影の出来る「星景写真(せいけいしゃしん)=風景と星空」や「星野写真(せいやしゃしん)=星空のみ」は、誰にでも撮影できるという魅力があり、人気も高いものです。

そこで、これから始めてみたいという天体写真初心者の方にどの様な機材を揃えれば良いのか。。。

 カメラ:各社から出ている一般的なデジタル一眼レフカメラであれば、概ね撮影が可能です。一部、コンパクトデジタルカメラでも機能を搭載しているものもあります。

 レンズ:星景写真の様に風景も一緒にという場合には、なるべく広い写野が得られる超広角を、星野写真の様に星空のみでという場合には、標準系がおススメです。

 三脚:なるべく頑丈なものが良いが、手軽に出掛けたいという事も考えると、そのシチュエーションによって選択するのも良いかと思う。パイプ系28mmクラスを目安に持ち運びを考えるとカーボン素材の三脚も考えたいですね。

 赤道儀:星を点像に写したい時に必要とする。地球が自転しているので、高感度・短時間露出すれば良いという方も多くいらっしゃいますが、綺麗に仕上げたいなら、赤道儀は必須アイテムとなります。(赤道儀を用いた「ガイド撮影」については、別の機会に詳しく紹介する事としましょう。)

 リモートコントローラー:カメラを直接触る事無くシャッターを制御するには、これも必須アイテムであります。

 ヘッドランプ:暗い中で作業するので、これも必需品ですが、なるべく「赤い」ライトをおススメしますが、他の撮影者の居ない場所なら「白い」ライトでも良いと思います。特に視力の弱くなってきているシニア層には、赤いライトは見難く足元や手元を見る事が困難になる場合もありますので、安全第一でお考え下さい。

 その他、書けばキリが無いので、先ずは、これらを準備したいですね。

1:固定撮影のシステム

 一般的に星景写真と呼ばれるものを撮影するシステムです。

 三脚(SLIKライトカーボンE84 FA)にカメラ+レンズ+リモートコントローラーがあればOKです。(画像内のリモートコントローラーは、ケンコーリモートケーブル・リモート90L/レンズは、トキナーAT-X 11-20PRO DXです。)

2:追尾撮影のシステム

 星を点像に写したい場合のシステムです。

 三脚(SLIKライトカーボンE84 FA)に小型軽量の電動雲台SLIK ASTRA ECH-630を搭載し、カメラ+レンズ+リモートコントローラーを用いたシステムです。(画像内のリモートコントローラーは、ケンコーリモートケーブル・リモート90L/レンズは、トキナーAT-X 11-20PRO DXです。)

 また、ポータブル赤道儀スカイメモSも選択肢のひとつです。

 最後にASTRA ECH-630を用いて撮影した画像を紹介して、今回は、ここまでとしましょう。

タイトル:南十字星とケンタウルス座αβ

レンズ:SAMYANG85mmF1.4 AS IF UMC

カメラ:CANON-EOS6D(天文改造)

撮影地:沖縄県石垣市(南ぬ浜緑地公園)

露出時間:30秒1枚ISO800 恒星時追尾

 

タイトル:さそり座アンタレス付近

レンズ:SAMYANG85mmF1.4 AS IF UMC

カメラ:CANON-EOS6D(天文改造)

撮影地:沖縄県石垣市伊原間

露出時間:30秒60枚ISO800 恒星時追尾

次回は、これらを応用して、作例を交えて星空撮影を楽しむ方法について述べさせて頂きたいと考えています。

千手正教(せんしゅまさのり)

千手正教(せんしゅまさのり)

1965年、千葉県君津市生まれ。(同・富津市在住)。 沖縄県石垣島に魅せられ、現在「沖縄県石垣市」と「千葉県富津市」の二拠点活動をする自然科学分野のカメラマン。主に天体写真を得意とする。 ここ数年は地方創生に関わる官公庁からの依頼も多く、自然写真と観光PRを融合とした情報発信にも力を入れている。今年は、石垣市・富津市に加えて徳島県美馬市にも活動の場を広げている。また、千葉県や沖縄県のリゾートホテルでの星空ガイドや教育機関のプラネタリウムでは、番組制作~投影~解説までの一連の業務を請ける一方、千葉県市原市にあるFMラジオ局で毎週木曜日に二時間の生放送のワイド番組を長年にわたり務める人気パーソナリティとしても有名。飽きさせない語り口が人気となっている。