齋藤千歳の感動表現|やや値段が高いのは悩ましいが星景写真を撮影するなら、今後必ずもっておきたい角型フィルター「ハーフプロソフトン(A) 100×125mm」

みなさん、撮ってますか!

7月の北海道といえば、初夏らしい天気に、美しい花々、被写体に困ることのない撮影のハイシーズンです。

しかし、実は今月前半の中国・ハルビン旅行、帰国してからの北海道とまったく天気に恵まれませんでした。

毎年、言っているような気もしますが、今年もおかしな天気が続きますね。

天気が悪いながらも、なんとか撮影しないといけないわけで、そんな苦労をしながら撮影した写真は「ケンコー・トキナー写真ブログ」やAmazonKindle電子書籍「ぼろフォト解&Foton電子写真集シリーズ」、さらには「Boro-Photoブログ」に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。


ソフトフィルターブログも6回目となりますが、いま注目のソフトフィルターといえば、5月に発売された「ハーフプロソフトン(A) 100×125mm」でしょう。

星や星景の撮影において、すでに必須といえるテクニックがソフトフィルターによるぼかしで星をにじませて、より印象的に仕上げる手法です。

ソフトフィルターの種類による効果の違いは、「齋藤千歳の感動表現|星・星景の定番Kenko PRO SOFTONの効果を7種のフィルターを比較して実写で確認します。」をご覧ください。

星景写真の撮影などで、星をにじませて効果的な結果を得られるのは、現状「プロソフトン」シリーズの「PRO1D プロソフトン[A](W)」、「MC プロソフトン(B)N」、「MC プロソフトン(A)N」となります。

しかし、これらの丸形フィルターは、画面全体に対してソフト効果が均一にかかるため、星景写真では星空部分だけでなく、画面下部の風景部分にもソフト効果がかかってしまうという弱点がありました。

ハーフプロソフトン(A) 100×125mm」は、「画面上部の夜空の星はにじませて、画面下部の風景はにじませたくない」という要望に答えて、フィルター面の半分だけにプロソフトン(A)のソフト効果のある角形フィルターです。

私も発売前から注目しており、やっと入手したのですが、天気に恵まれないため、星景の撮影前に効果をまずはチャート撮影で「PRO1D プロソフトン[A](W)」や「MC プロソフトン(B)N」と比較してみました。

その結果をご覧ください。

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使用フィルター:なし

フィルターなしの状態では画面全体にしっかりと解像しています。星をにじませるために、これにソフトをかけていくことになります。


使用フィルター:PRO1D プロソフトン[A](W)

画面の上下、左右に関係なく、全体のソフト効果がかかっていることがわかります。星空はもちろん、風景部分のぼやけてしまうわけです。



使用フィルター:MC プロソフトン(B)N

PRO1D プロソフトン[A](W)に比べて強いソフト効果が画面全体にかかっています。星はより大きくにじみますが、風景もソフトになります。



使用フィルター:ハーフプロソフトン(A) 100×125mm

画面の上半分だけがプロソフトン(A)相当のソフト効果でぼけているのがわかります。下半分については、ソフト効果は発生していません。


チャート撮影結果を見てもらうとわかるように「ハーフプロソフトン(A) 100×125mm」を使うと、夜空の星はにじませて印象的に、しかし、地上の風景をシャープにという撮影が簡単に実現できます。

星景写真を楽しむ人間にとって、夢にフィルターといえるでしょう。

ただし、100×125mmというサイズのためか、「ハーフプロソフトン(A) 100×125mm」は実勢価格が21,500円程度とちょっと高めになっています。

また、レンズに装着する際にはKenkoマルチホルダーG100LEE Filters ファウンデーションキットCokin EVOフィルターホルダーL[BZE01]などのフィルターフォルダーと、フィルターを装着したいレンズの口径にあったアダプターリングが必要です。

「ハーフプロソフトン(A) 100×125mm」を使うために必要なものも多く、価格も高いので「丸型フィルターならいいのに……」と思われる方も多いでしょう。

しかし、一度必要な道具をそろえてしまうと、口径の違うレンズに装着する際にもアダプターリングだけを買い増せば、同じフィルターを使えるので、丸型フィルターのように口径ごとに新しいフィルターを買う必要はありません。

さらに重要なポイントは大型の角型フィルターなので、撮影時にフィルターの位置をずらすことで画面のどこまでをぼかして、どこまでをぼかさないという境界位置も調整可能になっています。

装着する角度も動かすことができるので、画面下部の風景に合わせてぼかしはじめる位置を微調整できるのも角型フィルターならではメリットといえます。

「ハーフプロソフトン(A) 100×125mm」で得ることのできる効果は、撮影後のRAW現像やレタッチなどでは得ることの難しい効果なので、普段から星景写真を撮影される方は、ぜひ思い切って購入してみてはどうでしょうか。

星景写真の仕上がりが、より充実することは間違いありません。

次回は、実際に星景写真を撮影して「ハーフプロソフトン(A) 100×125mm」の効果を検証します。


齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/

ハーフプロソフトン(A) 100×125mm


カメラを構える場所が限られる鉄道撮影にズーム比が高いこのレンズはとても重宝します。
広角側でも抜群の描写力なので、鉄道と風景を写し込みたい時に適したレンズです。