光川十洋の感動表現|自然氷

山あいの渓流沿いに崖があり、清水が流れ出る場所があちこちにあります。厳冬期になるとつららとなり、規模が大きいと氷瀑となって、これらの冬の風物詩は人気の撮影地です。有名な氷瀑を離れて撮ることが一般的ですが、今回はあえて山道などで見つけた小さなつららや氷に近づいて撮って、感動表現を試みました。

自然がつくり出す造形美なので、タイトルを「天然氷」としたいところですが、寒冷地で湧水を池にためてつくる氷板が有名で、かき氷などでもうたい文句に使うほど。そこで、「自然氷」として、しずくや透明感ある細いつらら、岩の隙間から出てくる場面などをまとめました。

つららは鋭く、落下したとき危険ですので、ノーファインダーで撮る場合もありました。足元が滑りやすく、近づいて撮る場合三脚が使いにくいので、超ワイドズームレンズを用い、オートフォーカスを活用。こんな場合、軽くてコンパクトなレンズ「Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX」は好都合です。日陰で暗く、最新のカメラなので、ISOオートも利用しています。

岩の隙間からしみ出た水が美しい造形美を見せてくれます。パースペクティブを活かした作画ができます。白トビをしないようにマイナス補正も大切です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:6400 -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

上の写真の場所で、カメラを岩の隙間に手を伸ばして差し入れ、つららの透明感を表現したい。克明に描く描写力に満足です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:320 -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

岩の下にカメラを差し入れています。画角の広さを生かして、太いつらら群を透過光でとらえて、遠方に人物を配しました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:2500 -1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

雪が降った後なので、氷との共演です。レンズの先端から0.14mまでも近づいて撮影できるので、アップでの撮影も可能です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:17mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/40秒 ISO感度:4000(APS-Cサイズカメラで撮影)

水が頻繁にしたたり落ちます。水滴がぶれるようなシャッタースピードで撮ると、湧水と氷の差が表現できます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:13mm 絞り:F/9 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:3600(APS-Cサイズカメラで撮影)

氷の大きな塊に出合いました。1枚写真として冷たさを強調するために、全体を青味のモノトーンに仕上げています。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/14 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:900(APS-Cサイズカメラで撮影)

太いつららの芯にシアン色を感じます。崖を氷の柱が支えているかのような錯覚をしてしまいます。「感動発見!」です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:11mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:800(APS-Cサイズカメラで撮影)

小さなケルンを主役にして、背景に氷瀑をぼかし気味に入れました。近くまで寄れるレンズはとても便利です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 11-20 F2.8 PRO DX

焦点距離:15mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:360(APS-Cサイズカメラで撮影)

光川十洋(みつかわとうよう)

光川十洋(みつかわとうよう)

日本大学芸術学部写真学科卒。学研で創作分野歴任。現在クラブツーリズム、カルチャーセンター、写真団体の写真講師。日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター