光川十洋の感動表現|富士山を下山する

富士山の登山シーズンは、5合目から頂上までは、7月上旬から9月上旬までと、短いため、混雑をします。このブログが掲載される9月12日には登山道が閉鎖し、ほとんどの山小屋は営業をしていません。よって、富士山の登山や撮影はできないと思ってしまいますが、五合目の登山口までは、バス、タクシー、マイカーで行くことができます。今回は、9月上旬に富士宮口五合目に行き、宝永第一火口を通り、宝永山頂上(2693m)へ。そこから下山を開始しますが、「大砂走り」を味わって、御殿場口新五合目に下ってきました。途中の山小屋の方が「10月10日まで営業しています」と教えてくれましたので、トイレなども含めて、登山期間を下調べをしてお出かけください。富士山の登山に関しては、装備は十分に準備し、経験者が同行するなど安全第一を心がけてください。マイカーに関しては、規制期間や規制ルートがありますので、あらかじめ下調べが必要です。

今回の撮影機材は、たくさん歩くこと、強風や雨も視野に入れて、手持ち撮影できる小さく軽くて手軽なワイドズームレンズ1本にしました。APSサイズ用の12-28mmのレンズは、35mm換算で18-42mm相当となって、超ワイドから準標準の画角が得られます。広大な富士山の景観から、植物のアップまで、多様な撮影を楽しむことができます。

1707年に噴火した宝永第一火口の底には水がたまりません。オンタデの植生がわずかに見られます。強風で雲が流れ込みます。超ワイドレンズの描写です。後で知ったのですが、この時は変形した傘雲の中にいました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:12mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:160(APS-Cサイズカメラで撮影)

登山道の各所に「落石注意」の看板があります。ここでも砂礫が崩れかけていて、溶岩がいまにも落ち転げていきそうです。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:12mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:180 (APS-Cサイズカメラで撮影)

宝永山頂上。9月上旬で12度、指もかじかんできます。ウインドブレーカーを着ようとしても一人では着ることが難しいほどの強風、それと横からの霧雨。服のブレを表現するために1/50秒。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:12mm 絞り:F/14 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:100 (APS-Cサイズカメラで撮影)

御殿場口に至る下山道「大砂走り」は、植物も生えない荒涼とした斜面。厚い雲の中は、視界が遠くまで効きません。所どころに木の柱が立っていますので、ロープで示された道を降りていきます。風化した木の質感が美しいですね。遠近感のある場面にはワイドズームは魅力的です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:17mm 絞り:F/9 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:100 (APS-Cサイズカメラで撮影)

「大砂走り」を降りていくときに、太陽光がさっと射しました。影で砂の状態がよくわかります。歩く人の登山靴は砂礫に潜るほど。急な下りは早足になるので、1/200秒なら全体がブレずに動く足だけをブラすことができます。歩く楽しさのほかに、写真でも感動表現ができます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/9 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:250 (APS-Cサイズカメラで撮影)

標高1520mの大石茶屋のコンロに焼印ゴテが熱せられています。富士登山の記念品にもなる金剛杖に、焼印を押して思い出を残す人も多くいます。富士山には、外国からの登山者も多く訪れます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:15mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:1400 -1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

五合目付近まで降りてくると、フジアザミが大きな花を見せてくれます。強風に中でも、水滴がわずかにキラリと光ります。花に近づいても、APSサイズの場合、F10まで絞ると被写界深度が深くなり、背景の状況を含めて描写できます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:24mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:2000 (APS-Cサイズカメラで撮影)​​​​​​​