光川十洋の感動表現|太陽の光芒で花木を飾る

花や草木を撮る機会は多いですね。遠景から花のピークを、あるいはマクロレンズで接近してクローズアップも魅力的です。前ボケや、背景の丸ボケ(玉ボケ)も画の要素として意識したいものです。今回は、ファインダーで見たときには見えない、しかし、撮ってみて初めて分かる太陽の「光芒」を、花木撮影に導入してみました。どこかで見たような絵柄でも、光芒が表現されていると、飾りというアクセントがついて、写真作品として感動表現になります。

「光芒」とは、強い光がレンズを通して描写される光の筋のことで、光条、絞りウニとも呼ばれることがあります。太陽をはじめ、月、街灯や工場の照明、イルミネーションなどのキラリとした光の表現にも応用できます。

では、どんな工夫をしましょうか。望遠レンズよりワイドレンズのほうが、鋭いキラリとした筋が出ます。絞るほど、筋の鋭さが増します。絞り羽根の数が多いほど数多く、奇数の場合は、倍の筋となります。多くのレンズの中でも絞り羽根枚数が多い「9枚」を備えている「Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX  」を使用して、作例をご覧にいれます。また、最小絞りを使うと回折現象によって解像力がわずかに低下するという常識を、あえて無視して使うことがあります。フィルム時代では考えられないことですが、必要な時は画像ソフトのシャープ機能が助けてくれます。


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潔い落花の姿を見せる花のひとつ、シャクナゲ。そこへ太陽からのスポット光が射していて、もう一つアクセントが欲しい場面。暗い中に光芒の花を咲かせました。手持ち撮影なので、ブレ防止のためにISO感度をわずかに上げました。


◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:15mm 絞り:F/22  シャッタースピード:1/40秒 ISO感度 :500 -1補正(APS-Cサイズカメラで撮影)


林脇の広い草原にタンポポが綿毛を力いっぱい持ち上げています。太陽光からの輝きが綿毛に増すように下から見上げると、空間に一体感が醸し出されます。太陽を画面内に入れる場合、ライブビューでモニターを使用する時は素早く構図を決め、撮ったらレンズを太陽から背けて、カメラの安全に配慮します。


◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:13mm 絞り:F/22  シャッタースピード:1/160秒 ISO感度 :125 +1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)


あしかがフラワーパークの大藤棚は天然記念物だけあって、花房の長さが見事です。ワイドズームレンズの28mmは画角的に準標準レンズなので、見上げても密に描写でき、広がった藤の花に、夕陽の色がついた光芒を画のポイントに取り込みました。


◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/18  シャッタースピード:1/40秒 ISO感度 :400 +1補正(APS-Cサイズイズカメラで撮影)


伸びてゆくタケノコのボリューム感を出すために、対角線構図にし、準標準画角を活用、その際パンフォーカスを期待して最小絞りを採用するため、三脚を使用。竹林の生命力を盛り上げたいので、太陽光の光芒を大きく表現できるようにプラス補正をしました。


◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/22  シャッタースピード:1/25秒 ISO感度 :400 +2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)


標高1500メートル、信州・大鹿村に咲く幻の花、ヒマラヤの青いケシは、梅雨時期に開花していますが、この日は快晴。真下から、微笑むような太陽を画面中央に配置。華奢な花が風に揺れますので、速いシャッタースピードで、動きを止めました。輪のような周辺のレンズ効果も、たまたま利用できました。


◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:13mm 絞り:F/20  シャッタースピード:1/160秒 ISO感度 :200 +1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)​​​​​​​

光川十洋(みつかわとうよう)

光川十洋(みつかわとうよう)

日本大学芸術学部写真学科卒。学研で創作分野歴任。現在クラブツーリズム、カルチャーセンター、写真団体の写真講師。日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター

AT-X 12-28 PRO DX


多くのレンズの中でも絞り羽根枚数が多い「9枚」を備えている「Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX 」のワイドズームレンズは、美しい光芒表現にはもってこいです。