光川十洋の感動表現|横浜中華街、スナップ写真にスパイスを

スナップ撮影では、相手に気づかれずに、素早いタイミングを心がけます。面白いものを見つけて、後で写真を見る人に感動を与える努力をします。今回は、スナップ写真でありながら、同じ場面でも感動表現を意識して、一味違ったテイストに挑戦しました。

横浜中華街は、いつも観光客でにぎわっていますが、状況を記録するような撮り方では誰でも同じようになります。中華街らしくスパイスの効いた場面を見つけ、見たことのある場所では、カメラワークで表現の仕上がりを印象的で、個性的にしたいもの。

こんなときに有効なのが、明るいレンズのワイドズーム。同じ画角のレンズに比べて、ボケ表現が広がります。ピント合わせもすばやく楽です。ISO感度を上げてもきれいな時代になりましたので、シャッタースピードと絞り値は自分で決め、ISOオートを使います。カメラによっては、Mモードでも露出補正機能が働くときは、これを活用します。

 

 

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横浜中華街の幅の広い歩行者天国では、にぎやかなお菓子のディスプレイに出くわしました。「Please don’t touch」と小さく書かれていますが、海外からの観光客は思わず出来栄えに驚いて、触ってしまうのでしょう。並んでいる女の子たちよりも、お菓子を手前に大きく表現するのに、ワイドレンズは便利です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/14 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:900 +1/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

大きなショーウインドウの中には魅力的な肉製品がいっぱい。「おいしそう」とふたり連れのおしゃれな女の子。ここでは食べ歩きが普通、肉まんを持っています。声をかけて撮影許可をとり、ポーズをもう一度とっていただきました。近年のマナーとして特定の人物撮影では、留意したいことです。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/14 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:2000 +1/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

横浜大世界は、「アートリックミュージアム」と名乗って、体験・体感型アート作品が楽しめます。派手な中華街にあって、入り口も目を引きます。獅子像と「パンダ門」が大きい口を開けています。被写界深度の深いAPSのワイドレンズですが、開放値F2のおかげで背景をぼかした遠近感の中で、楽しんでいる外国の女の子が写真の味を付け加えてくれました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:14mm 絞り:F/2 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:100 -1/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

獅子像がしっかり見下ろしているのですが、ペットのワンちゃんは一目見ただけで相手にしません。オーナーさんに声をかけて、撮影させていただきました。白い動物の出会いが面白い雰囲気となりました。近くと遠くとで、解像感の高い画像が得られました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/14 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:1250 +1.7補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

昼間の青空を背景にするよりも、また電気がついても黒い空よりも、日没直後のブルーモーメントの時間のほうが色のバランスがきれいです。ワイドレンズの広い画角と遠近感を利用して、竜の姿をのびのびと表現できました。ズームレンズなので、焦点距離を変え、立つ位置を変え、バリエーションをたくさん撮ることができました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:17mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:400 (APS-Cサイズカメラで撮影)

 

横浜関帝廟本殿の中では、数多くの僧がお経をあげているときに出合いました。一般の人は、有料で線香を5本買って、5か所に供えますが、このピンク色の線香は、僧の方が供えました。この幅広い線香を印象的な存在感を出すために、近づいて撮影をいたしましたが、シャープネス、コントラストは見事です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:14mm 絞り:F/ 7.1 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100 -1/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

「道しるべとして足元を照らしてくれます」と書かれた「光明蝋燭」は、中国らしく赤い色をしています。女の子が供えようとすると、お母様の手が添えられ、スナップに個性的なテイストが加わりました。祈りの雰囲気を醸し出すために、ボケ表現を利用しました。開放撮影時では、AF(オートフォーカス)でピント合わせがしっかりできます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/ 2 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100 -1/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

神様に供えるお金で「金紙」と呼ばれます。黄色の紙には、金色と赤の文字などが印刷されており、参拝後金炉と呼ばれる中にいれると、空気の流れによって、めくれるように炉の中に飛んでいきます。動きが出るようなシャッタースピードを使いました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:1100 -2/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

中国の旧正月は「春節」と言われ、2月中旬に中華街ではさまざまな行事が行われます。この神技(中国雑技)のステージもたくさんの人が観賞しています。ゆっくりした動きですが、ブレも表現できるように、手持ち撮影で1/6秒に挑戦。暗い時でも明るいレンズなので、MF(マニュアルフォーカス)でピント合わせが容易です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:17mm 絞り:F/ 2.8 シャッタースピード:1/6秒 ISO感度:100 

(APS-Cサイズカメラで撮影)

光川十洋(みつかわとうよう)

光川十洋(みつかわとうよう)

日本大学芸術学部写真学科卒。学研で創作分野歴任。現在クラブツーリズム、カルチャーセンター、写真団体の写真講師。日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター

Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX


14mmから20mmまで、ワイドズームのどの焦点距離でも開放値F2の大口径は、スナップ撮影では特に威力を発揮。暗くてもピント合わせがしやすく、AF(オートフォーカス)の速さは便利。同じ画角のレンズよりもボケ表現ができます。