光川十洋の感動表現|「火山島で感動発見!」

火山島と聞くと、大きな一つの山が海に上に出てきたイメージがあることでしょう。ところがここで紹介するアイスランドはもっと壮大な位置にあります。北米プレートとユーラシアプレートに挟まれた「大西洋中央海嶺」と呼ばれる海底山脈を、地表で見ることのできる世界でここだけの火山島となっています。マントルの上昇する真上に位置し、ギャゥ(地表の割れ目)と呼ばれる広大な溶岩の活動を見ることができる貴重な島です。活発な火山活動が繰り返され、近年では、2010年に大噴火が起こり、火山灰がヨーロッパ上空に漂い、飛行機の運航に支障が出たことを思い出す人もいるでしょう。

これらの溶岩台地を歩いてみました。断層が高い崖となり、溶岩が冷えたときの造形模様をあちこちで見つけることができます。地球の呼吸のような間欠泉、世界一の露天風呂など、有名地においても多岐にわたる感動を発見すべく、常用広角スナップズーム1本で、多彩な表情をカメラに収めることができました。オートフォーカスも素早く、わずかに絞り込むことで、かなりの被写界深度が得られるので、被写体探しにエネルギーを注ぐことができます。

 

 

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島全体に、溶岩がうねるように覆いかぶさっています。寒冷地であり、溶岩は水を透過してしまうので、コケ植物などが広大に分布し、荒涼とした溶岩台地の様相です。秋には所どころに色が変わる葉を見かけることもあります。手持ち撮影では手ぶれに注意しますが、たくさん絞り込まなくてもピント範囲は深く描写できます。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:14mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100 -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

ギャゥ(地表の割れ目)で多くの人が見ることができる大絶壁です。歩き回ると、溶岩の跡を間近かで見つけることもできます。この日は雨の降る中の撮影でしたので、空の反射を拾って明るい岩となるため、マイナス補正を施して、帰国後RAW現像しました。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:15mm 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:400 -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

六角柱の柱状節理は、日本でもあちこち露出している場所がありますが、ここでは1本の太さに驚かされました。いまにも崩れ落ちそうな怖さがありますが、海岸で波の浸食を繰り返したとあって、洞窟のようにあいている中では、岩のかけらがありませんでした。北欧の人は背が高く、柱のようなプロポーションです。12mmは35ミリ換算で18mmの超ワイド画角。そのおかげで、1枚に上までの状況をうまく収めることができます。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:12mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:160 -1/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

小さな火口を一周しましたが、「落ちないで!」ドキッとする場面です。土の色は赤くて、富士山の上部で出合った色に似ています。陥没したところに雨水がたまったカルデラ湖です。色のコントラストにも感動しました。28mmは35mm換算42mmですので、標準レンズのように使いやすいワイドズームです。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:100 -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

氷河から大量に流れ出た大きな川が轟音を立てて段階的な滝となって流れ落ちていきます。そばで見ることができるのですが、この展望台そのものの岩も、岩脈がもろに浮き出ています。マグマが固まった岩でも、さまざまな表情を発見できます。超ワイド画角の効果で、足元の岩を描写し、湧き上がる水煙など、遠景の状況を幅広く収めることができました。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:12mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

地下のマグマが地下水を熱し、ときどき熱水を噴き上げる間欠泉で有名な観光地です。火山島の活動をじかに見る気がします。流れ出た温泉水は、広がって大地をすべり流れていますので、おのずとそこに美しい模様が生み出されます。日本で味わう硫黄のツンとした臭いではなく、料理中の蒸気の香りという感じです。しゃがんで思い切り近づいて、絞り込んでパンフォーカス表現です。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:12mm 絞り:F/14 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:320(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

世界一広大な露天風呂「ブルーラグーン」の人が少ない中央で泳いでみました。身長175cmの私なら、最も深い所では立っても息はできます。観光地として人気がありますので、「ターコイズブルー」色の温泉水につかり、ビールを片手に談笑し、二酸化ケイ素の泥パックで肌ケアをする人がゆったりしています。湯煙のかなたに地熱発電所の水蒸気が冷気のなかで沸き上がっています。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:20mm 絞り:F/18 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

地熱発電所から供給された大露天風呂の温泉水は、なんと地中に吸い込まれていくではありませんか!これには驚きました。途絶えることなく、大量の水が火山島の伏流水となって、海岸近くから川となって湧き出していることでしょう。溶岩台地がいかに大きな包容力があって、日本では想像できない現象を見つけたときは「感動発見!」です。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:12mm 絞り:F/14 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:450 -2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

光川十洋(みつかわとうよう)

光川十洋(みつかわとうよう)

日本大学芸術学部写真学科卒。学研で創作分野歴任。現在クラブツーリズム、カルチャーセンター、写真団体の写真講師。日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター

AT-X 12-28 PRO DX


35mm換算でニコン用18-42mm相当。小さく軽くて手持ちで手軽なので、近くでじっくり撮影、歩いて広角スナップズームの機動性抜群。