光川十洋の感動表現|「伝統のころ柿」

 写真愛好家団体の写真講師として、JR塩山駅近くの「甘草屋敷」へ、ころ柿の撮影に出かけました。漢字では「枯露柿」と書きますが、百(ひゃく)匁(もんめ)クラスの大振りの吊るし柿は、天日にあたって鮮やかなオレンジ色に輝いています。皮をむいた手作業の後が残り、太陽に透けた透明感がおいしそうに見えます。重要文化財に指定された旧高野家住宅は19世紀初頭の伝統的な建築物です。この軒先などに吊るされたころ柿を、民家との絡みでどう写真で表現をするか……。会員にはベテランが多いので、個性的な感動表現を試みました。三脚は使えませんので、手持ち撮影でさっと撮っては会員にお見せしています。

このブログでは、懐かしさが感じられるようなモノトーンの淡いセピア色で作例を紹介します。RAWで撮影したものを、Nikonの画像ソフト「CaptureNX-D」でRAW現像しました。「ピクチャーコントロール」で「モノクローム」を選択、「調色セピア」のところで「色の濃淡を調整」をしました。JPEGデータをモノトーン表現する場合は、「フォトショップ」の例では、「色相・彩度」のなかの「色彩の統一」を利用します。パソコンに入っている「フォトギャラリー」でも手軽なモノトーン画像が得られます。

このレンズ「Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX」を使って、カラー画像ではシャープネスやコントラストが大変気持ちいい経験をしています。明るいレンズを持っていると暗い中に入っても安心な上、マニュアルフォーカス(MF)の場合にはピント合わせが容易で、ピント位置を決めたい要求には重宝です。今回はモノクロ表現をしてみて、階調の豊かさに十分な満足が得られました。とくに、強烈に輝く太陽を画面内に取り入れたときは、フレアで中間調の濃淡差がなくなる恐れがあったり、シャドウの黒のしまりがおろそかになったりしがちですが、今回は美しい画像を手に入れたので、驚いています。

 

 

 

 

 

吊るされたころ柿がすだれやのれんのようにきれいに並んでいます。同時に美しい影を障子に投げかけています。14mmの広角を生かして、放射状の構図を作り、画面の四隅まで広がりを感じさせました。やや絞り込むことによって、パンフォーカスとなっています。

 

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:14mm 絞り:F/14  シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:200 (APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

 

 

障子の影も、畳に伸びた影も、フォトジェニックで美しく、畳の質感もシャープです。秋の太陽光をあえて画面内に取り込み、感動表現としました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:19mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:100 -2/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

 

 

主屋と離れた所にある東門の板に、ころ柿の影が印象的です。木目や木の濃さに応じて影の濃さも変化して、ころ柿の透明感とともに、豊かな階調が感じられます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:16mm 絞り:F/14 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:360(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

 

 

 

干してあるころ柿に近づいて撮影できます。太陽の光芒を取り入れることによって、ころ柿が自然の天日で乾燥させられている表現を醸し出しました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:17mm 絞り:F/9 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:100 -1/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

 

 

 

 

急な階段を上がると2階にはかつて仕事をしてきた木製の器具・道具が展示してあります。これをシルエットにして、ころ柿とコラボしてみました。近くの器具にフォーカスを合わせても、APS-CサイズのF/16の被写界深度は驚異的です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX

焦点距離:14mm 絞り:F/16 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:560 -1/3補正

(APS-Cサイズカメラで撮影)

光川十洋(みつかわとうよう)

光川十洋(みつかわとうよう)

日本大学芸術学部写真学科卒。学研で創作分野歴任。現在クラブツーリズム、カルチャーセンター、写真団体の写真講師。日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター

Tokina AT-X 14-20 F2 PRO DX


暗い場所でも明るいレンズがあれば安心な上、自分でピントを合わせるポイントがすぐ決めることができて撮影効率が上がります。太陽のフレアが少なく、モノクロ表現でも階調が豊かな画像が得られます。