光川十洋の感動表現|「オーロラ舞う」

オーロラの撮影にアイスランドへ行ってきました。初めてのオーロラ撮影ですが、妙に自信があるのはデジタルカメラになって、モニターを見てすぐ修正ができるからでしょう。本やネットで調べると、撮影データはまちまち。うまく撮れていない人は、コンパクトデジタルカメラの人、三脚を持っていない人、マニュアルフォーカスができない人などです。オーロラの出現が前提ですが、うっすら出ていても、肉眼では見分けられないため、「出ていない」と口をあんぐりしている人も撮影チャンスを逃していることでしょう。目では白い雲に見えるものが、カメラで撮影すると黄緑色のオーロラなのです。形がわからなくても、上空ではオーロラが広がっているのです。撮影経験した視点で作例を選んでみました。
オーロラの基礎知識ですが、太陽の爆発で出た太陽風が地球の磁場によって、北緯65度から70度付近で酸素などにぶつかって発光するのがオーロラです。北極を囲むリング状のオーロラ帯の下にあるアイスランドは適地です。氷点下の極寒な時期でなくても9月に出合えました。アイスランドは火山国なので、溶岩台地にコケが豊かで、街の明かりや道路が少ない広大な島です。おかげで人工光の影響を受けにくいのも撮影に適しています。郊外のホテルに泊まって、借り切った小型バスで移動しました。また、首都レイキャヴィークの都会では、オーロラ観測バスツアーも利用してみました。星が見え、光害のない場所に連れて行ってくれ、夜中2時にホテルに帰りました。この時ははっきりしたオーロラに出合えませんでしたが。
撮影のアイデアを最後に。上空のほとんどを視界に入れるように魚眼レンズ使い、三脚でカメラを上に向けて設置し、インターバル撮影で自動撮影をします。体は自由に動けますので、もう1台のカメラを手持ち撮影用に設定。開放F値1.4の明るいレンズで、ISO25600、1/10秒。目では雲とオーロラの区別がつかなくても、この手持ちのサブカメラでオーロラ探しができ、オーロラが舞うときは、特徴のある部分をこまめに撮ることができました。

 

 

北極星の位置は、日本で見るよりずっと高く見えます。星が見えるのに、オーロラが現れないけれど、インターバル撮影をして北極圏の星の光跡を狙いました。ところがなんと、比較明合成をしてみたら上空に黄緑色が広がっているではありませんか。カメラ設定と魚眼レンズに感謝です。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
焦点距離:10mm 絞り:F/4 シャッタースピード:8秒 ISO1600感度  24時過ぎから19分間 StarStaXで合成(APS-Cサイズカメラで撮影)


目でもはっきりとオーロラの出現に感動しました。天頂ににわかに明るい光の塊が現れた後、傘が開くように、スカートが舞うように、速いスピードでカーテン状の光の筋が広がりました。これを繰り返していましたが、画像を後で見ると空全体が黄緑色でした。オレンジ色は、地上の光の反射を受けた雲です。
 


◎使用レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
焦点距離:10mm 絞り:F/4  シャッタースピード:5秒 ISO3200感度  (APS-Cサイズカメラで撮影)


遠くのほうから強い光が迫ってきます。瞬く間に上空を通過し、雲までオーロラの輝きが突き抜けて、直線状の帯が揺れます、ねじれます、舞います。魚眼レンズならではの空中ショーの1枚となりました。
 


◎使用レンズ:Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
焦点距離:10mm 絞り:F/4  シャッタースピード:5秒 ISO3200感度  (APS-Cサイズカメラで撮影)

光川十洋(みつかわとうよう)

光川十洋(みつかわとうよう)

日本大学芸術学部写真学科卒。学研で創作分野歴任。現在クラブツーリズム、カルチャーセンター、写真団体の写真講師。日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター

Tokina AT-X 107 DX Fisheye


空を広く撮る場合は、必須アイテムの魚眼レンズ。画面内は欠けることのない画像なので、上空をしっかりとらえられます。絞り開放でもシャープなので小さな星も美しく写ります。