國政寛の感動表現|ズームレンズと接写リングを組み合わせた場合のまとめのお話

『てぶくろ』


~真っ赤なてぶくろ
 空からぶら下げて~
(デジタル接写リング12mm使用)


前回・前々回と、ズームレンズにデジタル接写リングを装着した撮影についてお話しました。
ズームレンズだけで撮影する場合とはちょっと勝手が違いましたよね。
焦点距離の長い方にズーミングしても被写体が大きく写らない!
しかもピントも合わなくなる!
びっくりでしたね~。

今回はまとめとして、ズームレンズに接写リングを装着した場合、接写リングの長さによって写り方がどう変わるかを確認してみましょう。
参考にしてみてくださいね。

18mm-140mmのズームレンズに、12mm、20mm、36mmの接写リングを装着して比較しました。

それぞれの長さの接写リングを装着し、最短撮影距離付近にピントを合わせます。
この時、ピントが合うもっとも広角側の焦点距離は下記のようになりました。
(APS-Cのカメラに装着。使用するレンズや条件によって結果は異なります)

接写リング36mm・焦点距離50mm

接写リング20mm・焦点距離35mm

接写リング12mm・焦点距離24mm

どの場合も、ほぼレンズに紅葉がぴったりくっつくぐらいの距離で撮影しています。
焦点距離が変わっているのに、写っている大きさはどの写真でもほぼ同じですね。
ズームレンズだけで撮影した場合とは写り方が違うことがわかると思います。

では次に、一番長い焦点距離(この場合は140mm)で無限遠の位置にピントを合わせた場合です。
以前もお話しましたが、接写リングを装着すると無限遠の距離にはピントは合いません。
ですので、この場合の無限遠というのは、接写リングを装着した場合にピントの合う一番遠い距離ということになります。

接写リング36mm

接写リング20mm

接写リング12mm

接写リングの長さが短くなるにつれ、写っている被写体の大きさが小さくなっています。
先ほどと違い、焦点距離はすべて同じです。
それなのに、写る大きさがこんなに違うんですね。

特に12mmではずいぶん小さく写っています。
この時の撮影状況が下記の写真です。

かなり被写体から離れていますね。
ここまで離れないとピントが合わないんです。


このように、撮影する距離と写したい大きさによって最適な接写リングの長さは変わってきます。
いろいろ試してみて、最適な長さを見つけて下さい。

 

焦点距離を長くしても、被写体が大きく写るわけではない。
同じ焦点距離でも接写リングの長さによって写せる大きさが変わる。

ズームレンズの特徴がすっかりなくなってしまいました。
ズームレンズと接写リングを組み合わせると、撮り方が大きく変わってしまうんですね。

 

最後にもう一つ、接写リングをズームレンズに装着して使用した場合の面白い現象をお話ししましょう。

カメラ位置とピント位置は固定したまま、ズーミングしていきます。
焦点距離18mm、50mm、70mm、140mmと、だんだん焦点距離の長い方へズームしていくと……。

なんと、18mm、50mmではボケボケだったのに、70mm付近でピントが合いました。
そして140mmではまたピントが外れています。

このように、ズーミングすることで被写体が拡大されるのではなく、ピントが移動するんですね。
つまりピント合わせをズーミングで行える、ということなんです。
構図を決めてピントを合わせようとしたものの、撮影可能範囲から外れてしまっていてピントが合わない……。
そんな時にぐるっとズームリングを回してやるとピントが合う!
こんなことが起こるんですね!不思議!

 

3回に渡って、ズームレンズとデジタル接写リングを使った撮影についてお話ししました。
理屈で考えるとなかなか理解しにくいかもしれませんが、ぜひ実際に撮影して楽しみながらあれこれ試していただければ、と思います。

 

國政寛(くにまさひろし)

國政寛(くにまさひろし)

1971年生まれ。大阪府在住。 マクロレンズを自在に操り、 光とボケが織りなす幻想的で不思議な世界を描き出すマクログラファー。 刻々と変化していく花たちの表情や、虫たちのコミカルな姿に 心ときめかせ、癒されながらその一瞬の表情を切り取っています。 「クニさんの花マクロ写真塾」主宰 日本写真講師協会(JPIO)認定フォトインストラクター サイト:Kuniphoto Works( http://kuni-hiro.com/ )

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