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國政寛の感動表現|デジタル接写リングと標準ズームレンズの組み合わせでマクロ撮影に挑戦!

『ものおもい』


~寒さに首をすくめながら
 空を見上げて想いを馳せて~

(「デジタル接写リング 32mm」使用)

前回は望遠ズームにデジタル接写リングを装着してのプチマクロ撮影についてお話しました。
望遠ズームで使えるなら、キットレンズの標準ズームや高倍率ズームでも使えるはず!
って思いますよね。
もちろん使用することは可能ですのでご安心下さい。
でも、広角域を含むレンズで使用する際には、ちょっとだけ注意が必要なんです。
そのことについて少しお話しましょう。

ケンコー・トキナーの「デジタル接写リングセット」には12mm、20mm、36mmの3つのリングがセットになっています。
これらを単独で使用することも、複数組み合わせて使用することも可能です。
ただし、ケンコー・トキナーのホームページに下記のような記載があります。

「装着時はリングの長さの合計が、レンズの焦点距離より短くなる組み合わせでご使用ください」

望遠系のレンズで使用する場合には特に意識する必要もないでしょうけど、接写リングの長さが、レンズの焦点距離より短い必要があります。
例えば18mmのレンズに36mmのデジタル接写リングを装着しても、ピントが合いません。
これは、ピントの合う距離がレンズの中になってしまうためなんです。

じゃあ18mmのレンズに12mmの接写リングだったらOKか?と言うと、必ずしもそうとは限りません。
今回の場合、上記の組み合わせではピントが合いませんでした。
このように、装着するズームレンズや最短撮影距離、カメラのセンサーサイズなどにより使用できる長さが変わってきますので、実際に撮って試してみてください。

今回はニコン純正の18-140mmレンズに20mmのデジタル接写リングを装着して撮影しました。

まず焦点距離18mmで撮影してみます。

どんどん近づいていくと、遂にはレンズが花にくっついてしまいました。
ここまでくっついてもピントは合いません。
20mmのデジタル接写リングでは、やはり焦点距離18mmでの撮影は無理なようです。

そこで、焦点距離50mmで撮影したのがこの写真。

かなり大きく写りました。ピントも合っています。
ここまで大きく写すとなると、ピント合わせがかなりシビアになります。
接写リングを使った撮影ではピントの合う範囲も狭くなっていますので、ピントリングだけでなく、カメラ位置を動かしてのピント合わせも必要になってきます。
以前にもご紹介しました「三脚2WAYフォーカシングレール」などを使用して慎重にピント合わせを行って下さい。

なお、マクロレンズと違ってキットレンズなどは、近接撮影に適した作りとなっていません。
そのためどうしても画質は落ちますし、ピントを合わせた部分のシャープさにも欠けます。
そこは理解した上でお使いいただければと思います。

さて、この時の撮影状況です。

ほぼ花にくっつくぐらいの距離から撮影しています。大きく写るわけですね。

次に焦点距離70mmでの撮影。

先ほどの焦点距離50mmで撮影した写真とほぼ同じ大きさに写っています。

そして次が焦点距離140mmで撮影したもの。
なんと、焦点距離50mmで撮った写真よりも小さく写っています。

ズームレンズというと、焦点距離が長ければ長いほど被写体が大きく写るはずですよね?
それなのになぜ小さく写るんでしょう?
その答えは次の写真を見て下さい。

焦点距離140mmで撮影している状況です。
先ほどの焦点距離50mmで撮影している時に比べて、かなり下がって撮っていることがわかります。
焦点距離140mmのレンズを使うと、ここまで下がらないとピントが合わないんですね。
同じ場所で焦点距離を変えて撮影できるズームレンズのみの撮影とはここが違うところです。

このように、接写リングと広角域を含んだズームレンズを組み合わせて使用する場合、ズームレンズのみで撮影する場合とは違った撮影になります。

このあたり、次回でもう少し掘り下げてみたいと思います。