浦口宏俊の感動表現|Velvet 56で桜の季節を撮る

緩やかな描写とシャープな描写どちらが好みであろうか。
私はふんわりとした緩やかな描写がとても好きである。
ただ時としてシャープな描写で撮りたい時もある。
そんな贅沢な悩みを1本で解決できるのがVelvet 56である。

 

前回の記事を執筆した際には、このレンズを思い通りに使いこなすことができず非常に凹んでいた。そんなレンズであるが3月の後半にもなればなんとなく使い所がわかって来た。
今回は大宮公園にて桜とスナップ撮影を行なった。

 

まずは桜の写真を数枚。
多少風があり、フルマニュアルなこのレンズに撮ってはとても厳しい撮影環境であった。
普段どれだけオートフォーカスに助けられているのかがよくわかり精進しなければと感じた。

 

1枚目のF値はF/1.6である。2、3枚目はF/2.8 である。
描写の違いがよくわかり、F/2.8ぐらいがほど良い使い心地ではないだろうか。
4枚目のF/3.2まで行くとシャープな世界も見え初めてくる。

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/1.6  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/2.8  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/3.2  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100

寄りのカットに続き、引きである。
全体的にふんわりとしながら、周辺はぐるぐると回り、中央一点はしっかりとした描写。
F/1.6で撮る場合は、日の丸構図がオススメのようだ。

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/1.6  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:125

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/1.6  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:125

その後スナップの挑戦を行なった。
これまた動き物なのでマニュアルでの撮影はシビアであったがレンズのおかげもあり、いつもと違った世界観になり、個人的にはとてもお気に入りの写真たちとなった。
またF/2.0が自分の中では一番しっくりくるF値であることも発見した。

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/2.0  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:125

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/2.0  シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:125

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/2.0  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:125

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/2.8  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:125

マクロでの撮影も行なった。
もう言わずもがなであるがこのふんわり感を出しながら、寄りに寄った写真が撮れることがなんとも面白いレンズである。

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/1.6  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:250

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/1.6  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:500

最後に今回の撮影で一番のお気に入りカットである。
こんな風に撮れば良いのか。と、自分の中で一つの回答としてしっくりとくる一枚であった。

 


◎使用レンズ:Lensbaby Velvet 56
焦点距離:56mm 絞り:F/1.6  シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:125

 

[総評]
前回何枚撮ってもしっくりとこなかったVelvet 56であるが、それはレンズの特徴を理解していなかったからである。やはりたくさん写真を撮り、レンズのことを理解してあげることは非常に大切であることがわかった。
Velvet 56は一癖も二癖もあるレンズではありますが、このレンズにしか出せない描写があるのは確実です。この1本を使いこなせるようになれば、それこそ個性あるフォトグラファー・カメラマンになれるのではないだろうか。

 

季節は、春が一番好き。花は、桜が一番好き。
そんな時期にVelvet 56を持ち歩いて写真を撮れた事にともて感謝いたします。