伊藤宏美の感動表現|三江線を追いかけて ~三江線の魅力と撮影地~
来年の春に廃止が決まっている三江線。
廃止が近づくにつれて、たくさんの人で賑わうようになりました。
三江線にとって、最後の秋です。
私は、三江線の魅力と特徴残したい思いで出かけました。
三江線は、江の川沿いに沿って進んで行くところも魅力の1つです。
私は、江の川と三江線の夜明けを残すために、
5:38に三次駅から出発する朝の1番列車を江平駅で迎える事にしました。
夜明け前で暗く、少し寒い秋の朝。
山のと山の間を流れる江の川と空が、少しずつ薄明るくなってきたころ、
ずいぶん遠くからも、列車の灯りが近づいてくるのを見つけることができます。
暗い中を列車の灯りだけが光っているのは、とてもワクワクします。
車内の灯りがついた1番列車は、三江線を楽しみにしていた乗客をたくさん乗せてやってきました。
◎使用レンズ:AT-X 14-20 F2 PRO DX
焦点距離:14mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:2500
この1枚は夜明けの空の美しいブルーはトキナーレンズの出番です。AT- X14-20 F2 のレンズを使用したのですが、
まだ暗い状態でも開放値が明るいレンズは、列車をぶらしたくない時に、シャッタースピードを稼げるため、とても便利です。
また、水面の細かいさざなみまで表現できる描写力です。
今回のように薄暗い中、列車を画面の右端に入れた構図にすると、画面端でAFをあわせることになり、すばやく反応してくれるかどうか心配でしたが、
列車のライトにうまく食いついてくれました。
AFの精度も純正のレンズに匹敵するボディとの相性の良さを感じました。
江平駅を出た1番列車は、次の口羽駅で交換列車を待ち、約20分停車します。
口羽駅は、イルミネーションが飾られていて手作り感のある駅です。
この日は、この時間に合わせて、お弁当屋さんが車で到着していました。
列車から降りてきた人たちは、停車時間を利用してお弁当を買い、また旅を続けるのです。
なかなかできない贅沢な旅です。
◎使用レンズ:AT-X 12-28 PRO DX
焦点距離:23mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:3200
◎使用レンズ:AT-X 12-28 PRO DX
焦点距離:28mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:3200
三江線は、ところどころ、石州瓦の屋根を見かけることができます。
これを三江線から見ることのできるのも、魅力の1つです。
私は、江津本町~江津の町並みを撮影してきました。
石州瓦の赤い屋根が続く町並みは、とても可愛く、私にとって小さな小さなイタリアの町のようです。
三江線はその間を走り抜けていくのです。
◎使用レンズ:AT-X 12-28 PRO DX
焦点距離:24mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:400
AT-X12-28のこのレンズは、標準域までカバーできるズーム比を持つので使いやすく重宝します。
また、瓦屋根の並ぶ町並みを、画面の隅までシャープに写す事ができました。
この石州瓦の屋根の町並みが気に入った私は、この町でご飯もいただきました。
喫茶店の窓を覗くと、先ほどは見下ろして撮影していた高架橋が今度は上に見えています。
ふと、「今度は、高架橋の下から撮影したいな」と考えていると、気になって仕方がなくなり、
列車の時刻に合わせて外に出ました。
しばらくする、列車は秋空の中を元気に走っていきました。
◎使用レンズ:AT-X 12-28 PRO DX
焦点距離:16mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:250
空の青さを表現する時、トキナーブルーは綺麗だなあと感じます。濃淡を作り出すカラーバランスも秀逸で、広角にもかかわらず、ゆがみが少ないレンズでお気に入りです。