齋藤千歳の感動表現|ぼかしてよし、暗くてもよし、寄ってよし、SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSはあらゆるシーンで活躍します

みなさん、撮ってますか! 齋藤千歳です。

さて、みなさんは、レンズを絞りを絞るときにどんなことを考えていますか?

開放F値が2.0を下回るような明るいレンズでは、絞り開放の際に画面周辺部の解像力が低下したり、レンズによっては画面の中央部でも解像力が低下したり、描写がにじんだり、コントラストが落ちたりすることがあります。

これらを防ぐために、要は画面全体の解像力を上げるために、風景写真などでは、絞りを絞って撮影するのが一般的というか、習慣的にそうされている方もいるのではないでしょうか?

では、絞り開放でも、絞っても、さほど画面全体の解像力が変わらないレンズがあるとするなら、絞るのはどんなときでしょうか?

おそらくあまりぼけないように被写界深度を稼ぎたいときとシャッター速度を遅くしたいときのふたつになるはずです。


使用レンズ:SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CS

◎焦点距離:128mm相当 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

夜明け前の苫小牧・ウトナイ湖にて、絞り開放で撮影。ほぼ無限遠にピントを合わせているので、対岸付近にいるハクチョウがしっかり解像しています。




忘れてしまうことが多いでしょうが、ほとんどの撮影対象が無限遠に近いような遠景の風景を撮影するときには、絞りが開放でもほとんどぼけることはありません。

なので、今回撮影に使用したSAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSのように、絞り開放から画面全域で解像度が高く、絞らなくても十分な解像力が得られるレンズなら、遠景メインの風景撮影で絞る必要はありません。

開放F値が1.8の大口径で明るいレンズが、絞り開放から画面周辺部までシャープだなんて、信じられないという方もたくさんいると思います。

その点は近日発売予定のAmazon Kindle電子書籍『Foton機種別作例集251 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CS機種別レンズラボ』に詳細な実写解像力チャートを掲載していますので、こちらでお確かめください。

ブログサイトでの掲載サイズでどこまで、確認いただけるかわかりませんが、掲載した朝焼けの湖畔では、対岸付近にいる豆粒のようなハクチョウたちもしっかりと解像しています。


使用レンズ:SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CS

◎焦点距離:128mm相当 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/5,000秒 ISO感度:100 露出補正:+1/3段(APS-Cサイズのカメラで撮影)

遠景の風車が主体なので、絞り開放のF1.8で撮影しています。レンズが明るいのでシャッター速度が非常に速くなっています。


SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSは、APS-C専用レンズという点が優位に働いたためか、ぼけすぎないように気を付けるときとシャッター速度を遅くしたいとき以外は、絞り開放のF1.8で撮影しても画面全体のシャープネスが損なわれることはほぼありません。

そのため、水族館のように暗いシーンでも十分なシャッター速度と画質を保ったまま撮影できます。


使用レンズ:SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CS

◎焦点距離:128mm相当 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:800 露出補正:−1段(APS-Cサイズのカメラで撮影)

絞り開放のF1.8なので、ISO 800でシャッター速度1/200秒を確保できました。おかげで動き回るサカナたちを十分にとらえることができます。



明るい大口径の単焦点レンズが水族館などの暗い撮影シーンでは、とても有利であることは、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSのブログ記事でもお話させていただきました。

明るい中望遠のSAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSの場合は、映り込みよりもぼけを意識して撮影するのがポイントです。

水族館の水槽のなかには、水中の酸素を供給するために空気の泡が浮かんでいるところも多くあります。

これをぼけとして上手にとりこむと、玉ぼけを画面のなかに効果的に配置することができます。

SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSを含め多くのレンズで画面周辺部分での口径食による玉ぼけの変形は避けられないものの、絞り開放がもっとも大きく真円に近いぼけが得られることが多いので、ここでもぜひ絞り開放を試してみください。

絞り開放で解像力が大きく低下するレンズでは試しづらいですが、SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSはこんなシーンでも力を発揮してくれます。


使用レンズ:SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CS

◎焦点距離:128mm相当 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:100 露出補正:−1 2/3段(APS-Cサイズのカメラで撮影)

カタログスペック上は最大撮影倍率は0.17倍と85mmの単焦点してはいいほう程度ですが、実際にはAPS-C用レンズなのでかなり寄れます。



SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSのスペックで見落としがちなのが、実は最大撮影倍率です。

カタログスペック上は、35mm判フルサイズ換算での最大撮影倍率を表記するのが一般的なため、SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSの最大撮影倍率は0.17倍と85mm単焦点のポートレートレンズとしては「まあまあ」といった程度にみえます。

しかし、実際にはAPS-C用レンズなので、最短撮影距離から写る範囲は約138×92mmと実質0.26倍の相当し、わずかにクォーターマクロを上回るほどのクローズアップ撮影が可能です。

掲載写真では、体長5cm程度のエゾアカガエルをかなりクローズアップ気味にとらえることができました。

また、開放のF1.8から合焦位置のシャープネスが高く、大きなぼけが発生するので、印象的な写真に仕上げやすいという効果も得られます。


使用レンズ:SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CS

◎焦点距離:128mm相当 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:100 露出補正:+1段(APS-Cサイズのカメラで撮影)

絞り開放時に画面周辺の解像力が低下するタイプのレンズであれば、ミズバショウを画面の中央に入れて撮影しますが、本レンズではそんな心配はありません。




最後の掲載写真は、ローアングルから絞り開放で撮影したミズバショウです。実は、この写真もSAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSのように絞り開放から周辺部分までしっかりと解像する単焦点レンズでなければ、ミズバショウを画面の中央に配置して撮影したと思います。

実はかなり高価なレンズであっても、絞り開放では周辺部分の解像力が極端に低下するというレンズも珍しくありません。

また、周辺部分だけでなく、F2.0を下回るような明るい絞りのときだけは、中央部分も解像力が低下したり、コントラストが落ちたりするレンズもあります。

そんなレンズでは、絞り開放の際は被写体は中央に配置するとか、シャープネスが必要な被写体では画面の中央に配置しても、少しだけ絞るといった工夫が必要になります。

SAMYANG 85mm F1.8 ED UMC CSは、そんな小細工のいらない絞り開放から画面全域でシャープな希有なレンズになっています。

絞り開放から画面全体でシャープで、開放F値の明るいレンズは、数は少ないですが、撮影時にレンズに配慮する必要がなく、撮影や表現をもっと自由にしてくれます。

ぜひ、一度、その自由度を体感してみてください。

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/

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