齋藤千歳の感動表現|5,000万画素時代の高画質単焦点レンズは大きい重い高いの常識も変わるSAMYANG XP85mm F1.2

みなさん、撮ってますか! 齋藤千歳です。

2018年12月は、Amazon Kindle電子書籍で実写チャートと豊富な作例でレンズを語る「レンズラボ」にプラスして、解像力・ぼけディスク・最短撮影距離・周辺光量落ちの実写チャートだけをひたすら撮影する「レンズデータベース」シリーズの制作を開始したため、毎日ひたすらレンズチャートを撮影しています。

Amazonで「レンズラボ」や「レンズデータベース」で検索いただくとご覧いただけますので、ぜひよろしくお願いします。

そんななかサムヤンレンズのなかでも、発売当初から5,000万画素時代への対応を明記し、マニュアルフォーカスのプレミアムレンズに位置付けされたSAMYANG XP85mm F1.2での撮影を行いました。

詳細な実写チャートの結果などは、この記事が公開されるころには、『Foton機種別作例集208 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG XP85mm F1.2 機種別レンズラボ』で解説しているはずなので、ぜひAmazon Kindleストアを検索してみてください。


さて、SAMYANG XP85mm F1.2は11万円を若干超える価格に1Kgを越えるレンズ質量ということもあり、2017年1月の販売が開始された当初は「でかくて重くて高い単焦点レンズだな〜」と思ったのは事実です。

しかし、2018年12月末時点で、私がどう思っているかというと「小さくて軽くて安いレンズなのではないか」になっています。


使用レンズ:SAMYANG XP85mm F1.2

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.2 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:100

絞り開放から解像力も高く、繊細な描写が気持ちよいです。ピントは非常にシビアなので、ライブビューなどでしっかり合わせましょう。



「でかくて、重くて、高いレンズ」が「小さくて、軽くて、安いレンズなのでは」に変わるのはどういうことなんだという方も多いのではないでしょうか。

2018年は私のなかのレンズの常識が大きく変わった年だったといえます。

カメラ業界の2018年の大きなニュースとしては、大手2社の35mm判フルサイズミラーレス一眼システムの発表と発売といって間違いないと思います。

ミラーレス化でカメラもレンズもコンパクトになり、カメラシステム全体も軽くて小さくなると、みんなさんも思ってませんでしたか。

確かにカメラボディは各社ともに小さくなりました。

しかし、5,000万画素以上を最初から考慮した画質を追求した単焦点レンズなどは、ほぼすべてが大きく重くなったのです。

そのうえ、大きくて重いんだから安くなるということはまったくなく、さらに高価になりました。


使用レンズ:SAMYANG XP85mm F1.2

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.2 シャッタースピード:1/1,000秒 ISO感度:100

SAMYANG XP85mm F1.2クラスの開放だと、周辺の解像力まで含めて、下手なズームレンズの最高解像力よりも高精細なことが多いので安心です。



最新の高画質単焦点レンズの重厚長大化、そして高価価格化は、ちょっとというレベルではありません。

「えー、50mmのF1.8クラスってこのサイズになるんだ」。

「50mmF1.2って一眼レフ用でも大きく高いと思っていたのに、こんな高く大きくなるのって」といった、いままでの常識でのサイズ感や価格感が通用しないレベルなのです。

某大学の先生は「もう学生に買える値段じゃないよね」と言い出すレベルになっています。

SAMYANG XP85mm F1.2と同じ85mmF1.2クラスは、まだ発売されていませんが、一眼レフ用でも超弩級のサイズと価格でした。

これが、すでに発売されている50mmの単焦点のように高く、重く、大きくなるのなら、SAMYANG XP85mm F1.2は安くて、軽くて、小さなレンズとすらいえるのです。


使用レンズ:SAMYANG XP85mm F1.2

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.2 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100

開放のF1.2でもピントの合った部分は非常にシャープです。また、画面周辺に至るまで描写の破綻などもなく、気持ちのよい描写といえます。



ちょうど2000年に私が初めて購入したデジタル一眼レフカメラは約300万画素でした。

35mm判フィルムのほうが高精細といわれている時代でしたが、そこから約20年で撮像素子の解像力は約20倍になっているわけです。

システムラインアップが現行レンズだけで数十本といったカメラメーカーのレンズは、十数年そのまま、もしくはフィルム時代からモデルチェンジしていないレンズも実際のところ存在します。

モデルチェンジはしてないものの中身は、年代によって異なるということもあるとは思いますが……。

とはいえ、レンズの解像力が5,000万画素の対応しているのが、当たり前と考えられるタイミングで新システムを投入した2社ともがカメラ本体を小型化したにもかかわらず、レンズは大型化したことは興味深い事実だと思います。

使用レンズ:SAMYANG XP85mm F1.2

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.2 シャッタースピード:1/1,250秒 ISO感度:100

中望遠の85mmならではの圧縮効果を利用しながら、港の転落防止ブロックにピントを合わせ、背景を大きくぼかして撮影しました。





ちょうど2018年の12月は、

Foton機種別作例集204 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! Tokina opera 50mm F1.4 FF 機種別レンズラボ

Canon EOS 6D Mark IIで撮影

監修:小山壯二/著:齋藤千歳/編:太田圭一・齋藤千歳/デザイン:Inori

価格:330円

を出版させていただきましたが、手に取った当初はTokina opera 50mm F1.4 FFも大柄で高価なレンズだと感じましたが、5,000万画素を最初から視野に入れて設計された最新の35mm判フルサイズ向けの単焦点レンズたちを数多く使ったあとでは、Tokina opera 50mm F1.4 FFは普通サイズどころか、少し小さい目で価格もF1.4のAFレンズであれば安いとすら感じています。

SAMYANG XP85mm F1.2も、Tokina opera 50mm F1.4 FFも、開放F値の明るい単焦点レンズですが、このあたりの新世代単焦点になると中央部分は開放から解像力は高く、周辺部分は絞ると中央部並みの解像力になり、開放でもズームレンズの最高画質並みの解像力を発揮してくれます。

5,000万画素オーバーの解像力に対応していくレンズは、いままでの常識ではちょっと考えられないほどの大型化、高価格化が進むのでしょう。

ミラーレス化が進むと、実はMFでのピント合わせが、より容易になりますので、SAMYANG XP85mm F1.2のような明るく高画質で比較的安価なMFレンズを価値が上がってくると思います。

最近のレンズサイズのアップはしばらく「レンズが大きい」と感じることもあるとは思いますが、そのうちSAMYANG XP85mm F1.2のような高画質レンズは「このくらいが当たり前」になるのだと思います。

店頭などで、実際に各種レンズを手に取って見る機会のある方は、ぜひ最新レンズとそれ以前の同焦点距離で同じ明るさのレンズを比べてみてはどうでしょうか。

きっと、SAMYANG XP85mm F1.2は、5,000万画素時代に対応した高性能レンズとしては、そんなに大きなレンズではなく、安くて軽くて小さいレンズなのだと感じてもらえるかと思います。​​​​​​​

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/

XP85mm F1.2


撮像素子の高画素化に対応するため、絞り開放近辺から高い光学性能を実現させた、コントラスト重視の光学設計です。ガラスモールド非球面レンズ1枚、異常低分散ガラス3枚を理想的に配置、最適化することにより、各収差をバランスよく除去しております。トキナーがこのレンズに求めた具体的な描写は、単焦点レンズ特有のコントラストの高い「立体感のある描写」をイメージしています。