齋藤千歳の感動表現|AFなし、絞り連動なし、絞りリングありのフルマニュアルのサムヤンレンズなら意図してNikon Fマウント用を選択するのもおもしろい

みなさん、撮ってますか!

相も変わらず、北海道千歳市を拠点に、ケンコー・トキナー写真ブログ(https://blogs.kenko-tokina.co.jp/)や、電子書籍「ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ」(https://www.facebook.com/Foton.uncool/)、さらには、Boro-Photoブログ(http://boro-photo.com/)などにさまざまな記事を制作している齋藤千歳です。

今年の北海道は、なんと8月に初雪を観測するという不思議な天気が続いています。

北海道だけでなく、日本全国、いや世界的に思いもよらない天候の変化があちこちで起きているのではないでしょうか。

天気が安定しないのは撮影の日程が立てづらく、フォトグラファーにとっても困った問題です。

そんななか、今回はサムヤンレンズを購入するときの対応マウントについて、SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE IIとSAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS IIを例に考えてみたいと思います。


使用レンズ:SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE II

◎焦点距離:12mm相当 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:100 +2/3補正 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

APS-C機装着時に12mm相当となる開放F2.8の明るさが魅力のSAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE II。解像力の高さも魅力です。


サムヤンレンズを購入するときのマウントといっても、「自分が使いたいカメラのマウントに合わせて購入するしかないじゃない!」という方も多いでしょう。

レンズの交換式カメラの基本の基本になりますが、フォーサーズなどの共同規格でない限り、カメラにレンズを装着するマウントは各メーカーごとに形や大きさなどが異なり、C社のレンズをN社のカメラ本体で使うといったことは基本的にできません。

そのため、サムヤンレンズを購入するときにも、自分が使っているカメラのマウント規格に合ったものを購入するのが基本です。

しかし、複数のメーカーのカメラ本体を所有している方なら、せっかく購入したレンズを異なるマウントのボディで使用してみたいと考えたことはないでしょうか。

異なるマウントのレンズを使用可能にしてくれるのが、マウントアダプターです。

レンズとカメラの間にマウントアダプターを装着することで、マウントの異なるレンズとカメラの組み合わせで撮影を可能にしてくれます。


使用レンズ:SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS II

◎焦点距離:35mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE IIに比べると開放F値がわずかに暗いですが、同じようにAPS-C機で12mm相当で撮影が可能です。


マウントアダプターがあれば、異なるマウントのレンズとカメラでも撮影ができるなら、これからは好きなレンズを購入して、好きなボディに着ければいいと考えるでしょう。

しかし、マウントアダプターには制限が多いのです。

マウントアダプターによる制限を克服しようとする製品も発売されていますが、今度はマウントアダプター自体にレンズが必要になり、結果として価格がネックになってしまうなど、すべてを自由にしてくれる製品はないのが現状です。


マウントアダプターによる基本的な制限

●装着したいカメラのフランジバックよりも、フランジバックが短く設計されたレンズは使えない

●電子接点に対応した特殊なマウントアダプター以外ではレンズに絞りリングのないレンズは使えない

●電子接点に対応した特殊なマウントアダプター以外ではAFは使えない


最近、AF対応レンズが増えているサムヤンですが、基本はSAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE IIやSAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS IIのようにレンズに絞りリングが搭載され、マニュアルフォーカスのレンズが基本です。

すなわちサムヤンのマニュアルフォーカスレンズならマウントアダプターで使う際に問題点はフランジバッグだけということが多くなります。


使用レンズ:SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE II

◎焦点距離:12mm相当 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100 +2/3補正 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

人間の目の限界を越えた広範囲を1枚の写真の収めることのできるフィッシュアイレンズ。1本あるとなにかと重宝します。


フランジバックとはなんでしょう。

レンズをカメラに装着する際のマウント面から撮像面(撮像素子やフィルム)までの距離をフランジバックといいます。

フランジバックは規格ごとの統一されており、一眼レフのキヤノンのEFマウントが44mm、ニコンのFマウントは46.5mm、ミラーレスではソニーのEマウントが18mm、マイクロフォーサーズ規格が20mmなどとなっています。

マニュアルフォーカスで絞りリングの搭載されたレンズで、マウントアダプターでマウントの形を変更しても、フランジバックの長さを合わせないと撮影ができません。

単純化していうとマイクロフォーサーズ規格(フランジバック20mm)のカメラ本体にEFマウント(フランジバック44mm)のレンズを着けるには、24mmの厚さのマウントアダプターを使ってマウント変換し、レンズを装着するとフランジバックの問題は解決するのです。

絞りのコントロールやAFといった問題を除くと、フランジバックの長いレンズをフランジバックの短いカメラにマウントアダプターで取り付けることは可能ということです。

逆にフランジバックの短いレンズを、フランジバックの長いカメラに取り付けるには、マイクロフォーサーズ規格(フランジバック20mm)のレンズをEFマウント(フランジバック44mm)のEOS本体に取り付けるにはマイナス24mmの厚さのマウントアダプターが必要になり、フランジバックをそろえることは基本的にできません。

光学的にフランジバックをマイナスするのと同じような効果を生む、レンズの入ったマウントアダプターが存在する組み合わせもあります。

ただし、レンズが必要になるため高価になり、光学性能が低下することが多いので、あまり現実的な選択とはいえないでしょう。


使用レンズ:SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS II

◎焦点距離:35mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/1,250秒 ISO感度:100 (APS-Cサイズのカメラで撮影)

強力なデフォルメ効果などが楽しめるので、自身のレンズラインアップのなかにぜひ1本を用意したいのがフィッシュアイレンズです。


極端にいうなら、マニュアルフォーカスで絞りリングが搭載された一眼レフ用レンズは、ミラーレス一眼でも、マウントアダプターを使えば、基本的に使えるということです。

逆にミラーレス一眼用のレンズは、フランジバックの問題があるので、基本的に一眼レフでは使えません。

ミラーレス一眼用のSAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE IIは、Canon M(フランジバック:18mm)、FUJJIFILM X(同:17.7mm)、Sony E(同:18mm)マウントのそれぞれに対応したものが用意されています。

3種類のうちの1本を購入してマウントアダプターで変換して使うにはミラーレス一眼同士のフランジバックが近似しすぎており困難です。

なお、マウントアダプターを使用してもミラーレス一眼用のレンズを、一眼レフでは基本的に使用できません。

一方、SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS IIはNikon F(フランジバック:46.5mm)、Canon EF(同:44mm)、PENTAX K(同:45.5mm)、Sony A(同:44.5mm)マウント用がそれぞれ用意されています。

もっともフランジバックの長いNikon Fマウント用のSAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS IIを購入するとPENTAX Kマウントのカメラに装着するには補正レンズ入りのマウントアダプターを購入する必要がありますが、それ以外のほとんどの現行マウントで補正レンズなしのマウントアダプターを使って使うことができます。

そのためSAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS IIのニコン用1本とマウントアダプターでAPS-Cサイズ以下の手持ちのカメラすべてでフィッシュアイによる撮影を可能にするといった使い方もできるのです。

2本は同じAPS-C向けの8mmのフィッシュアイレンズですが、ミラーレス一眼向けのSAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE IIのほうが開放F値が明るく、実勢価格が安いという点に目を奪われます。

しかし、SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS IIのニコン用を選べば、マウントアダプターでさまざまなカメラで活用できるというメリットがあります。

サムヤンのマニュアルフォーカスレンズで、電子接点なし、絞りリングありのレンズならわざとNikon Fマウント用を選んで、さまざまなカメラボディで活用するという選択肢があることを覚えておくことをおすすめします。

フィッシュアイレンズは、1本をさまざまなボディで使い回せるメリットが大きいので、一眼レフとミラーレスを併用している方はもちろん、ミラーレス一眼だけという方も、SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE IIだけでなく、SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CS IIを検討してみることをおすすめします。

サムヤンレンズの一部のように、マニュアルフォーカスで絞りリング搭載、電子接点なしというシンプルな構造のレンズはマウントアダプターで使う際には、とても有利といえるわけです。​​​​​​​

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/

SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE II


手軽でシャープなフィッシュアイレンズSAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE IIは、旅の記録にもおすすめの1本だ。

SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE II


手軽でシャープなフィッシュアイレンズSAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE IIは、旅の記録にもおすすめの1本だ。