齋藤千歳の感動表現|趣味だからこそ単焦点を楽しむ2

みなさん、撮ってますか!
カメラ・写真関連の電子書籍を出版している齋藤千歳です。
ちょうどいまは、ミラーレンズ(Kenko MIRROR LENS 400mm F8 MF N II)の超望遠による薄いピントと格闘しながら、ハクチョウを撮影するのにハマっています。
マニュアルフォーカス(以下、MF)の超望遠であるミラーレンズで動いているものにピントなんて合うの? と思われた方は、ぜひ筆者のFacebookもご覧ください。

実は筆者は、デジタルカメラが進化のおかげでMFでのピント合わせがますます楽になっていると感じています。

おかげで今回紹介するSAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CSのように超明るい単焦点レンズでもMFで十分ピント合わせできます。
シーンによってはMFのほうがピント合わせしやすいと思っているほどです。

 

使用レンズ:SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CS
◎焦点距離:52.5mm相当 絞り:F/1.2 シャッタースピード:1/8,000秒 ISO感度:200 (APS-Cサイズカメラで撮影)
玄関前に置かれた竹製のエクステリア。そのエクステリアの竹にだけにピントを合わせた。光学ファインダーだけではなかなか苦戦したと思います。

 

SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CSはAPS-C機に装着すると52.5mm相当になり、絞り開放の時にF1.2が選択できる、非常に明るい単焦点レンズです。
F1.0やF1.2、F1.4などF値が1台前半となるレンズでは、大きなぼけが発生するのでピントが合って見える範囲が極めて狭く(ピントが薄く)なります。
そのため、初心者にはピントを合わせることすら、難しいなんて話を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?
オートフォーカス(AF)が装備されているレンズでもピント合わせが難しいのに、初心者がSAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CSを含む多くのサムヤンレンズのようにMFでピント合わせなんてとんでもないと、尻込みされている方も多いではないでしょうか。

確かに一眼レフの光学ファインダーだけを頼りにF1台前半の設定でピントを合わせるという話ならば、筆者もやや尻込みします。
実際、光学ファインダーしか使えないなら、MFよりもAFを頼りにできるだけ多くの枚数を撮影し、撮影後にピントの合ったカットをセレクトします。
しかし、現在のデジタル一眼レフでは、ほぼすべてのカメラでライブビュー撮影が可能になっています。
撮像素子のとらえた画像を、そのまま背面モニターに表示するライブビュー。
ライブビューならピント位置を拡大してピントを確認しながら、撮影できます。
デジタル一眼レフではライブビューの出現で、夜景や商品撮影、風景など多くの分野でピント精度が飛躍的に向上したのです。
おかげで明るいレンズでのピント合わせも簡単になりました。

 

使用レンズ:SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CS
◎焦点距離:52.5mm相当 絞り:F/1.2 シャッタースピード:1/3,200秒 ISO感度:100 +2/3補正(APS-Cサイズカメラで撮影)
電子ファインダー内のピーキング表示を見ながら、どの花にピントが来ているかを確認できるので、ピント合わせは予想以上に簡単です。

 

光学ファインダーやミラーを搭載した一眼レフでは、ライブビューの登場でピント合わせの精度は劇的に向上しました。
いまや、ライブビューでのピント合わせを併用していないプロやハイアマチュアはごく少数でしょう。

一方、ミラーレス一眼は、そもそも電子ファインダーも背面モニターもライブビューになっています。
電子ファインダーでも、背面モニターでもピント位置の拡大などが簡単に行えるのが、ミラーレス一眼の特徴です。
また、多くのミラーレス一眼では、電子ファインダーを使った手持ち撮影でも、より高い精度のピント合わせができるように「ピーキング」機能を搭載しているのが一般的になっています。

ピーキングは、MFでの撮影時にピントが合っている部分の輪郭を強調表示する機能です。
カメラの機種によっては、ピーキングの表示の強度や色などを選べる機種もあります。
どちらにしても、ピントが合っている位置を強調表示してくれるので、自分の眼だけを頼りにするピント合わせに比べて、格段に楽であることはいうまでもありません。

 

使用レンズ:SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CS
◎焦点距離:52.5mm相当 絞り:F/1.2 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:100 (APS-Cサイズカメラで撮影)
フォーカスリングを動かしながら、ピントを合わせたい位置にピーキング表示が移動するのを確認してシャッターを切っています。

光学ファインダーをのぞいてMFでピントを合わせていた時代は、まさに撮影者の技術と経験でピントを合わせていました。
しかし、現在のデジタルカメラは電子ファイダーや背面モニターで拡大表示やピーキングなど多数のサポートを受けてMFでピントを合わせられる時代です。
デジタルカメラが撮影者をフォローしてくれる時代だからこそ、初心者だから、未経験だからと尻込みせずに、さまざまな撮影にチャレンジすることをおすすめします。
そのチャレンジのひとつとして、明るい単焦点レンズは、ピンぼけというリスクはありますが、一眼カメラらしい大きなぼけという表現が手に入るのでぜひ挑戦してはどうでしょうか。
サムヤンのレンズなら明るくても低価格のものが多く、気軽に挑戦でくるのもおすすめの理由です。

 

使用レンズ:SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CS
◎焦点距離:52.5mm相当 絞り:F/1.2 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:320 −1/3補正 (APS-Cサイズカメラで撮影)
薄暗い林のなかの暗いほこらのなかに鎮座しているお不動様。筆者には電子ファインダーとピーキングのサポートなしにピントを合わせる自信はないシーンでした。

 

掲載した作例のお不動様のように、暗所では肉眼でのピント確認も、AFでの合焦も、とても難しくなります。
こんな暗いシーンでもピーキング+MFでは安心してピント合わせができますので、使っていないと言う方はぜひ挑戦してみてください。
最初はピント合わせに戸惑うこともあるかもしれませんが、明るい単焦点レンズで思うようにピントが合うと本当に何を撮っても楽しいですし、なによりも撮ること自体が楽しくなります。

最初は絞り開放の大きなぼけが楽しくて、開放でばかり撮影することになると思います。そして、そのうち絞り値を変えることでの描写の変化に気付き、さまざまな絞り値で撮影することになると思います。
そんなときにSAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CSの絞り値よって変化する描写の様子や周辺光量の様子などもチェックしたいと思いましたら
Foton機種別作例集152 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CS 機種別レンズラボ
SONY α7 II で撮影
監修:小山壯二/著:齋藤千歳/編:太田圭一・齋藤千歳/デザイン:Inori 価格:330円
もご覧いただけると幸いです。