齋藤千歳の感動表現|遠景の風景にも奥行きと立体感を演出してくれるSAMYANG AF85mm F1.4 EFの絞り開放撮影

みなさん、撮ってますか! 齋藤千歳です。

最近、AmazonKindle電子書籍の「レンズラボ」シリーズなどのために、チャートばかり撮影しています。

レンズの性能だけでなく気になる描写の検証があると、チャートの撮影が行いたくなる性格です。

同じケンコー・トキナーレンズ&フィルターブログのソフトフィルターブログでは、焦点距離によって異なるソフトフィルターの効果を実写で検証しておりますので、こちらもぜひご覧ください。

「レンズラボ」シリーズといえば、最新作の『SAMYANG AF85mm F1.4 EF 機種別レンズラボ』を含め、数多くのサムヤンの単焦点レンズを検証してきました。

これらの単焦点レンズの大きな特徴として、画像周辺域までを含めた絞り開放からの描写性能の高いことがあります。

また、SAMYANG AF85mm F1.4 EFについては、絞り開放付近で高性能を発揮するという傾向が強いこともありますが、私は高性能な単焦点レンズでは、絞り開放で風景を撮影したくなるのです。


使用レンズ:SAMYANGAF85mm F1.4 EF

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.4 シャッタースピード:1/4,000秒 ISO感度:100 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

山の中腹当たりにピントを合わせて、絞り開放のF1.4で撮影しました。絞って撮影するよりも立体感が感じられるのが魅力です。


絞りを絞って撮影するのには、いくつかの理由があると思います。

例えば、ピントを合わせた場所からの前後がぼけてしまわないように被写界深度を深くするために絞るのも理由のひとつでしょう。

しかし、被写界深度の確保、逆にいうとぼけが発生するには、いくつかのセオリーがあります。

カメラからピントを合わせる距離が短いほど、ぼけは大きくなる、すなわち被写界深度は浅くなります。

マクロ(近接)撮影でぼけが大きくなるのは、カメラからピントを合わせる距離が短いためです。

また、F値の明るいレンズほど、同じ条件ではぼけます。

さらに焦点距離の長いレンズ(望遠)ほどぼけ、ピントが合わせた被写体から背景が離れているほどのぼけるという4つが一般的なセオリーです。

しかし、ピントを合わせる位置が数百m?、数km? 先になると絞り開放の85mmF1.4でも被写界深度はかなり深く(広く)なるのが、作例からもみていただけると思います。



使用レンズ:SAMYANGAF85mm F1.4 EF

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.4 シャッタースピード:1/1,250秒 ISO感度:100 補正値:+1/3段 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

朝霧、もしくは雲海の覆われた町を高台の上から撮影しています。開放のF1.4ですが、ピントを合わせた木も、背後の家もきちんと描写されています。


レンズの絞りを絞る、もうひとつの大きな理由は、画像周辺までしっかりと描写するように絞り開放のF値ではなく、レンズの解像力が上がるF値まで絞って画像全体をきっちりと解像させようというものです。

実はレンズによって、解像力のピークとなるF値は異なるので、多くのプロは自身のレンズを撮影前にテストし、解像力や描写の特性を把握して撮影しています。

さすがに最近は少なくなったかと思いますが、絞りを絞れば絞るほど解像力が上がりシャープになると考えている方もいまだにいるようですが、少なくとも35mm判のデジタルカメラでは絞り過ぎは劇的に画質を低下させる原因でしかありません。

私個人は、明確な理由がない限りF11くらいまでで撮影しています。

シャープに撮影するシーンというと、単純にF8.0を選択しているように感じられる方もいますが、最新の設計のレンズではズームレンズであっても、開放付近に解像力のピークをもつレンズも少なくないので、しっかり確認してから使うのがおすすめです。

撮影時のレンズF値にこだわりがあるなら、なぜ高性能な単焦点レンズで絞り開放で撮影するのでしょうか。



使用レンズ:SAMYANGAF85mm F1.4 EF

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.4 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:100 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

夜明け前に撮影した1枚です。まだ太陽が出ていないので暗いのですが、F1.4のおかげでISO 100でも十分なシャッター速度が確保できています。


私は高性能な単焦点レンズでは、絞り開放で風景が撮影したくなるといいました。

数多くのレンズを検証していて気付いたのですが、高性能な単焦点レンズは絞り開放でもズームレンズよりも高い周辺部を含めた解像力や描写力をもつレンズが少なくないのです。

SAMYANGAF85mm F1.4 EFは全体に高性能な優等生というよりは、絞り開放付近の描写を極端に重視した個性的なレンズですが。

絞り開放は解像力的に、その単焦点レンズの最高性能を引き出す絞り値ではないかもしれないですが、一般的なズームレンズなどより高い描写力が確保できると感じるときに、絞り開放で風景を撮影したくなります。

絞り開放でも高い解像力が確保できていると、このほかにもメリットあるのです。


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使用レンズ:SAMYANGAF85mm F1.4 EF

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.4 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

85mmF1.4の明るさを適度な中望遠による圧縮効果を利用しています。実はピントを合わせる位置で印象が変わるので複数枚撮影しました。


単焦点レンズの絞り開放で撮影すると、ピント位置が無限遠といわれるような遠景にあっても、微妙なぼけが発生するので、このぼけによって写真に繊細な遠近感が付加されて、奥行き感が出るというメリットがあります。

この奥行き感を得られることが、単焦点レンズの開放で風景を撮影するのが好きな大きな理由です。

遠景メインの風景では奥行き感になりますが、明確にぼける部分とぼけない部分を作れる中近距離の風景撮影では、ピントを合わせる位置によって異なる印象を得られることも多いので、同じ位置から異なる印象の写真を複数撮影するのもよいでしょう。

さらに大きなメリットとして、シャッター速度の確保があります。

同条件であれば、レンズのF値が明るいほど速いシャッター速度が得られるわけです。

多画素・高解像化が進むデジタルカメラにおいて、ぶれは画質を低下させる大きな原因といえます。

トップクラスの写真家は、フォーカルプレーン・シャッター自体の振動が気になるという方がいるほど、ぶれは大きな問題です。

そのため、可能な限り三脚を使って撮影して……という話になるのですが、三脚を使うと撮影の自由度が落ちるのも事実でしょう。

すると、ISO感度を上げる必要もなく、シャッター速度を確保できる明るいF値はとても魅力的な要素になります。

特に絞り開放から十分な解像力が確保できる単焦点レンズは、ぼけ以外の要素でも魅力的といえるわけです。

絞り開放に強いSAMYANGAF85mm F1.4 EFなどの明るい単焦点レンズを使った絞り開放の風景撮影もぜひ楽しんでみてください。

風景撮影の楽しみ方も、作品の表現も幅が広がると思います。

ただし、単焦点レンズで撮影しているズームレンズの利便性も痛感することになるので、単焦点レンズだけでなく、ズームレンズをいっしょに持っていくのがおすすめです。​​​​​​​

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