齋藤千歳の感動表現|よく考えるほど、最終的に2本ともほしくなるのが恐ろしい、性格の異なる2本の35mm・SAMYANG AF35mm F1.4 FEとSAMYANG AF35mm F2.8 FE

みなさん、撮ってますか!

ハーフプロソフトン(A) 100×125mmを入手したため、星景写真が撮りたくてしかたない齋藤千歳です。

中国・ハルビンの旅行でも天気に恵まれず、帰国した北海道は7月だというのに天気が悪く、心が折れそうです。

天気が悪くても、いろいろと工夫して撮影し、ケンコー・トキナー写真ブログや、電子書籍「ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ」、さらには、Boro-Photoブログでさまざまな記事に掲載していますので、ぜひご覧ください。

また、Boro-Photoブログでは、中国・ハルビンで経験した風習や食べ物、おもしろい場所なども紹介していますので、ご覧いただけるとうれしいです。


今回のケンコー・トキナー写真ブログでは、ソニーFEマウント向けの2本の35mmAFレンズについてお話したいと思います。


<写真入る:DSC08921-NON.JPG>

使用レンズ:SAMYANG AF35mm F1.4 FE

◎焦点距離:35mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100 +2/3補正 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

スナップや風景など、さまざまな撮影シーンで使われる35mmレンズですが、しっかり絞って風景を撮影するのは定番の使い方です。

撮影協力:安平町・北のなのはな会


最近、ソニーFEマウントやキヤノン EFマウント向けのAF対応レンズを続々と発売しているSAMYANGですが、とはいえ既存ラインアップのなかでは、まだ少数派といえるのがSAMYANGのAFレンズです。

しかし、ラインアップを眺めていると35mmは同じFEマウント用でAFレンズが2本ラインアップされていることに気付くでしょう。

SAMYANG AF35mm F1.4 FEとSAMYANG AF35mm F2.8 FEになります。

35mm判フルサイズ対応の35mmは、昔から多くのフォトグラファーに愛された人気の焦点距離です。

私もSAMYANG AF35mm F1.4 FE、SAMYANG AF35mm F2.8 FEともに下記の電子書籍で詳細に解説させていただきました。


Foton機種別作例集185 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG AF35mm F1.4 FE 機種別レンズラボ


Foton機種別作例集169 実写とチャートでひと目でわかる! 選び方・使い方のレベルが変わる! SAMYANG AF35mm F2.8 FE 機種別レンズラボ


電子書籍をご覧いただくと1本、1本のレンズの特徴がよりよくわかりますが、ブログでは2本のレンズを比較しながら、お話をさせていただきます。


使用レンズ:SAMYANG AF35mm F2.8 FE

◎焦点距離:35mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:100 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

F8.0程度まで絞ると画面全体をしっかりと解像してくれます。小さなレンズですが、解像感の素晴らしいレンズです。


SAMYANG AF35mm F1.4 FEとSAMYANG AF35mm F2.8 FEは同じ35mmの単焦点レンズですが、性格の非常に異なるレンズです。

レンズ名称からもわかる最大の違いは開放F値がF1.4か、F2.8かという部分なのですが、この点は後で解説するとして、まずはそれ以外の部分をみていきましょう。

実は、レンズの重さがまったく違います。

SAMYANG AF35mm F2.8 FEが約85.6gに対して、SAMYANG AF35mm F1.4 FEは約645gと質量が約7.5倍も違うのです。

さらに大きさはSAMYANG AF35mm F2.8 FEが最大径61.8×33mmで、SAMYANG AF35mm F1.4 FEは最大径75.9×115mmと、レンズの長さだけで約3.5倍も異なります。


使用レンズ:SAMYANG AF35mm F1.4 FE

使用フィルター:MC プロソフトン(B)N

◎焦点距離:35mm 絞り:F/1.6 シャッタースピード:30秒 ISO感度:1250 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

F1.4という圧倒的な明るさのため、開放ではなくちょっと絞ってみる余裕もあります。また、ISO感度もあまり上げないで済むのは魅力です。

撮影協力:小坂農園


大きさや質量はまったく異なる2本ですが、実勢価格については、SAMYANG AF35mm F1.4 FEは75,000円前後、SAMYANG AF35mm F2.8 FEが43,000円程度と、大きさや質量、明るさほどの差はありません。

気軽にカメラの着けっぱなしにして使うには、SAMYANG AF35mm F2.8 FEが圧倒的に優位なのですが、開放F値での2段の差は、思う以上に大きな差になってきます。


使用レンズ:SAMYANG AF35mm F2.8 FE

使用フィルター:MC プロソフトン(B)N

◎焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:20秒 ISO感度:800 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

撮影条件にもよりますが、開放F2.8であれば星景写真の撮影にも十分に対応できます。そういう意味でも守備範囲の広いレンズといえます。


開放F値のF1.4とF2.8の違いは数値だけを眺めると、さほどでもないように感じます。

しかし、実際にはF2.8でシャッタースピードが1/400秒のシーンではF1.4では1/1,600秒となります。

星景写真などの長秒露光ではF2.8で30秒の条件ではF1.4なら約8秒です。

F2.8で1/8秒のシーンでもF1.4なら1/30秒とギリギリ手持ちでの撮影が可能になるといった差が出ます。

シャッタースピードの差は厳しい撮影条件のときほど差が大きく感じるはずです。

また、レンズが明るい分、高いISO感度を使わなくてよいので、撮影できる画質も優位になる点は見逃せません。

さらに、同じ焦点距離のレンズなら、F値の明るいほうがぼけるという法則どおり、ぼけについてもSAMYANG AF35mm F1.4 FEが優位になります。


使用レンズ:SAMYANG AF35mm F1.4 FE

◎焦点距離:35mm 絞り:F/1.4 シャッタースピード:1/2,500秒 ISO感度:100 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

35mmの広角であることを忘れてしまいそうな勢いでぼける開放のF1.4。しっかりと背景をぼかして撮影できるのは、とても魅力的です。


35mmはレンズのカテゴリーとしては広角になりますので、あまりぼけない印象です。

スナップ撮影などでは、あまりぼけ過ぎるよりも、ある程度の被写界深度(ピントの合って見える範囲)を確保できることが重要になります。

開放F値が明るければ、絞ればいいのでの開放F値が明るいことはマイナスにはなりません。

逆に大きなぼけが発生しない、人間の目と異なる遠近感の大幅な変化のないレンズは、写真のインパクトが出しづらいのので、私はあまり得意としていないレンズのカテゴリーでもあります。

ただし、SAMYANG AF35mm F1.4 FEは、開放F値がとても明るいので、広角でもぼけを簡単に発生させてくれるのです。

おかげで写真にインパクトを出しやすいという、ありがたい効果があります。


使用レンズ:SAMYANG AF35mm F2.8 FE

◎焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:200 +1/3補正 (35mm判フルサイズのカメラで撮影)

開放F値はF2.8と決して暗いわけではないのですが、35mmの広角なので、大きくぼけるとはいいがたいのが実情です。


レンズの開放F値が明るいということは、シャッタースピードやISO感度的に優位で、結果として画質を確保するという意味でもメリットが多くなります。

さらに撮影時の表現の幅といった意味でも、大きなぼけが活用できるというメリットがあるわけです。

素直に映像表現という意味では、明るいSAMYANG AF35mm F1.4 FEが圧倒的に優位といえます。

しかし、SAMYANG AF35mm F2.8 FEの約85.6gという質量は、約645gのSAMYANG AF35mm F1.4 FEに比べて圧倒的に軽いのが魅力です。

軽く小さければ、やはり取り回しがよく、さまざまな角度や位置から撮影に挑戦しやすいというメリットが出てきます。

従来は、同じ35mmでもF2.0よりも暗いレンズとF1.4クラスのレンズでは、購入時に比較すること自体が無意味なほど価格差があるのが一般的でした。

35mmのF1.4は、使用目的がはっきりしたハイアマチュアやプロ向けのちょっと特殊なレンズだったわけです。

しかし、SAMYANG AF35mm F1.4 FEとSAMYANG AF35mm F2.8 FEの価格差は約30,000円となっています。

差がここまで小さくなると、思い切れるならSAMYANG AF35mm F1.4 FEをおすすめしたくなります。

ただし、着けっぱなしでいつも使うなら100gを切るSAMYANG AF35mm F2.8 FEの小型・軽量も非常に魅力的です。

結論としては、ぼけや明るさを重視するならSAMYANG AF35mm F1.4 FE、小型・軽量を重視するならSAMYANG AF35mm F2.8 FEという平凡な答えになります。

ただし、撮影シーンなどを真剣に考えれば、考えるほど、最終的には両方ともほしくなるのが、交換レンズの恐ろしさといえるのではないでしょうか。

多くの上級者が自分の好きな焦点距離のレンズを何本も所有していることからも、交換レンズの奥深さは明らかでしょう。

ぜひ、一度明るさの違う同じ焦点距離の単焦点レンズを真剣に検討してみてください。

交換レンズの奥深い世界の一面をきっと垣間見ることができると思います。

齋藤千歳

齋藤千歳

Amazon Kindleを中心に写真・カメラ・レンズ関連の電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」や「Foton機種別作例集」を手掛ける電子書籍出版社。月刊カメラ誌の編集を経て、海外にてカメラメーカー関連の解説書籍や機能PR用冊子などを制作。帰国後、北海道・千歳市にて電子書籍出版社として独立。2017年は10月までに約200冊の電子書籍を出版し、70本のレンズを試写した。カメラ・写真関連の多くの情報を発信している。Facebookページはhttps://www.facebook.com/Foton.uncool/

SAMYANG AF35mm F1.4 FE


はじめての単焦点レンズとしてもおすすめできる明るい広角レンズSAMYANG AF35mm F1.4 FE

SAMYANG AF35mm F1.4 FE


はじめての単焦点レンズとしてもおすすめできる明るい広角レンズSAMYANG AF35mm F1.4 FE