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光川十洋の感動表現|「個性的な木陰花火」

Posted: 2018.08.01 Category: Tokinaレンズ Comment: 光川十洋の感動表現|「個性的な木陰花火」 はコメントを受け付けていません

花火は、夏の欠かせない風物詩です。今年のように強烈な暑さの中で、撮影する場所を確保するために、太陽がギラギラとするような時間帯でスタンバイすることは、過酷で危険を伴うこともあります。また、有料席が完売となって、撮影場所を求めてあちこちウロウロしている人をよく見かけます。努力が必要なのは花火撮影に限りませんが、少しでも快適に、しかも個性的な花火表現を望む写真愛好家へ、ここに提案をいたします。

ウラワザがあります! 木のウラに気が付きました。ここなら、花火が上がっても人がいません。つまり、待ち時間を気にせず、太陽が隠れて涼しくなってから、撮影場所を決めることができるのです。円形の花火が空中に浮かぶ絵柄は美しいのですが、昔からよくあるし、どこでも見かけます。ときには、花火を主役にしない「個性的な花火」を撮影してみませんか?自分なりに画面構成ができれば、感動表現、間違いなし、です。

さて、花火会場に行く場合、花火の高さや、木の状況など、撮影する場所が予測できないので、広角ズームレンズを推奨いたします。そのなかでも、12mm-28mm(APSサイズ用)というズーム比は、現地で応用の幅がありますので、とても安心です。

さらに提案をいたします。最近の花火は、以前より明るいし、頻繁に打ち上がります。風があると花火の筋も広がります。よって、短いシャッタースピードで撮影すると重なりが少なくなり、シャープです。この画像を後日「比較明合成(コンポジット)」で合わせて表現する時代と私は考えます。フィルム時代では想像することができない新技法です。KikuchiMagick  SiriusComp  StarStaX などのソフトを無料でダウンロードして利用します。白トビで悩む花火描写については、「困ったな、を解決。創作意欲が湧く!」方法であることをお伝えいたします。

花火が打ち上がり始める時間帯は、ブルーモーメント、空に明るさが残っています。いろいろな濃度で撮影しておき、後日好みの1点をセレクトします。暗い空と木のシルエットが主役になります。そのあと打ち上がる花火は、細かく分けて「要素撮り」して、「比較明合成」をします。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:27mm 絞り:F/13  シャッタースピード:1/5秒~10秒 ISO感度:100 10点を合わせた(APS-Cサイズカメラで撮影)

花火の打ち上がる場所を観察して、改めてフレ―ミングを確定します。花火の形を意識したシャッタースピードでこまめに「要素撮り」して、後日セレクトし、組み合わせます。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/16 シャッタースピード:2.1秒~5.7秒 ISO感度:100 26点を合わせた(APS-Cサイズカメラで撮影)

花火も佳境に入ると、時々動きの複雑な花火が登場します。円形描写の花火以外のシーンを集めて合わせてみました。より個性的に表現できました。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/16 シャッタースピード:1.3秒~15.5秒 ISO感度:100 10点を合わせた(APS-Cサイズカメラで撮影)

ラストに近い時に、白い花火の連発が続きます。多くの撮影者は、重なりすぎて白トビの失敗をする場面です。この時は、速いシャッタースピードで細かくたくさん撮影します。そのうちのいくつかに、色がついた花火も混ざります。その1シーンだけ見てみましょう。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/13  シャッタースピード:1秒 ISO感度:100 (APS-Cサイズカメラで撮影)

色のついた花火がないシーンを集めて、白い花火だけの描写をすると、白い光跡だけのスクリーンができました。モノトーン花火を背景に、木のシルエットが見事に浮かび上がった、感動表現です。花火写真の新表現としてこれからはやっていくこと、必至でしょう。

◎使用レンズ:Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX

焦点距離:28mm 絞り:F/13  シャッタースピード:0.6秒~1.5秒 ISO感度:100 17点を合わせた(APS-Cサイズカメラで撮影)

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オオヤマナホの感動表現|ローコントラストフィルターでストーリー性のあるポートレートを撮ってみる

Posted: 2018.08.01 Category: ソフトフィルター Comment: オオヤマナホの感動表現|ローコントラストフィルターでストーリー性のあるポートレートを撮ってみる はコメントを受け付けていません

① 

焦点距離:135mm 絞り:F/2 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200

みなさんこんにちは。オオヤマナホです!

今回から毎週更新で「ソフトフィルターのポートレート活用術」を

わたしだったら「こう」使うという視点でお届けしていこうと思います。

よろしくお願いいたします。

ポートレート撮影といっても幅は広いものです。

家族写真からモデルさんのグラビア撮影。広告用。コスプレ。。。イマジネーションの数だけ

ポートレートの世界は多岐に拡がります。

写真表現。まずは「なにを」「どう」撮るか。表現するかは基本のキ。

もっとも大切なところです。そのどう表現するか、したいのか。のインスピレーションの中で

「淡い色の世界の中に」

「統一感のある色調の世界観」

そんなつくりあげたいイメージがあったとしたら・・・

「ローコントラスト」フィルターはかなり有効だと私は感じています。

みていきましょう!

まず、TOPの①「少年と紫陽花」をみてみましょう。

この時の撮影時のわたしの気持ちは「色褪せて来た紫陽花」をちょっとさみしげに表現したいと思いました。まず撮りたかったのは色褪せて来た紫陽花の花でした。

花の色はグレーがかった紫やピンク。それに加えての葉の深緑を「さみしげな」世界にひとまとめにできたらなという印象です。

光選びとして選んだのは夕景。モデルさんにはちょっと「さみしげ」な感じにとお願いをしました。モデルさんは紫と黒という浴衣を着てきてくれました。一つの世界を表すのに衣装(色、デザイン)も大事ですよね。ありがたいです。

フィルターなしと「ローコントラスト」の画像比較を次の作例からみてみましょう。

②   

焦点距離:135mm 絞り:F/2 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:200

こちらがフィルターなしになります。

メリハリありますよね。背景から浮き出る形で紫陽花と少年が存在している。

紫陽花も少年も対峙するような形で存在している。

そんな印象を受けます。 

続いてほぼ同じ位置からの「ローコントラスト」をみてみます。

③   

焦点距離:135mm 絞り:F/2 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:200

どうでしょうか。まず気づくのは白っぽさがでています。

フィルターなしの黒は黒。白は白。きっちりとはっきりと色のメリハリ(コントラスト)がでていた

画像が「ローコントラスト」フィルターをレンズの前につけるだけでこんなに簡単に

やわらかなやさしい質感にかえることができるのです。

コントラストは弱く(淡く)なったけれど写真が与える印象は深くなりましたね!

この子は何をここで思っているの?感じているの?とか、どうしてここにいるの?そんな感じしませんか?

ローコントラスト表現っていうのは色の淡さとやわらかさと世界を醸し出す雰囲気づくり。

ローコントラストにすることで背景に溶け込むような一体感を作り上げることができるんですね。レンズの前につけるだけ!^^なんです!

ホワイトバランスに関してもカメラの設定は「晴れ」にしています。特に青みを強調するというような細かな設定はしていないのですが・・・

②のフィルターなしの時にはあまり感じなかった辺りの気配の色というのでしょうか、全体の色、ここでは「世界観の色」とでもいうのでしょうか。全体的にブルーがかった色が前におしだされているようにおもいませんか?

そこを別の作例からみてみましょう。

④   

焦点距離:135mm 絞り:F/2 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:200

135mmf2開放で今回の撮影はしています。このアングルだと背景の紫陽花は近距離ですから中望遠レンズ絞り開放の魅力のボケ、ふわふわ感もいまひとつ。紫陽花の花の前で同じ紫の着物の女の子を撮るという平凡な一枚の印象です。

では「ローコントラスト」を使うとどう変わるでしょうか。

⑤   

焦点距離:135mm 絞り:F/2 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:200

​​​​​​​

撮影ポジションをずらすことで奥行きと光の照射角度も変わっています。光のメリハリも明るいところが優しくふんわりでてきますね。全体のブルーグレー。パープルグレーの淡い色の世界に女の子も溶け込んでいるように感じませんか?

④のようにフィルターなしで撮った写真にあとからレタッチでストーリーやイメージをを加えるのも一つの方法。

「ローコントラスト」フィルターを撮影現場で試してみて、色や空気感を感じ取る。

自分が「どう」その世界を表したいかを強く意識する。ノスタルジーやせつなさ。そんなやわらかな女性的な心象風景の描写に「ローコントラスト」はうまくマッチするように・・・。

撮影者の心象風景が不思議と画像に反映してくるもの・・・とかいうとオカルトチックになってしまいますが、光選び(光と影のバランス)と画面を占める「色」の割合がその世界を形作るのではないかなと思います。今回は全体的に「さみしげな紫陽花色」の占める割合が多いですもんね。

「さみしげ」な描写をしたいのにピーカンな昼の夏空が多かったらブルーグレーの世界には統一できないと思います。

自分がここで表したいのはなんなのか。主人公と脇役と光を見たり感じたりしながら自問自答しつつ撮影しています。

ふんわりとした心象ポートレート風景には「ローコントラストフィルター」推しです。

あなただったら、「ローコントラスト」フィルターでどんな世界を表現しますか?

*モデルさんはコウくんとメイカちゃんでした!

*今回のブログは絵文字一切なし(笑)でがんばってみたオオヤマナホでした^^

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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