國政寛の感動表現|自由雲台で自由なイメージを!
「國政寛の感動表現|自由雲台で自由なイメージを!」
『届けたい』
「きらきらな想い 明日へ届け!」
このバラ、本当はまっすぐ上に向かって蕾が伸びています。
でもそのまま撮ってみても、もうひとつ面白味がありません。
そこで、少し斜めにして動きを出してみました。
ただ斜めにするだけでなく、同時に少し仰ぎ見るようにして空を少しだけ入れて、空にぐ~んと伸びていくようなイメージを表現しています。
マクロ撮影においては、構図をどう決めるかが大事です。
背景をどうするか、ピントをどこに合わせるか、下から見上げるのか、上から見下ろすのか……。
表現方法は無限にありますので、一枚撮ったら終わりではなく、上から、下から、縦に横に、とにかくあれこれアングルを変えながら撮ってみましょう!
いろいろな角度から撮ってみるというのも、マクロ撮影の上達の秘訣ですよ。
被写体にグッと近づくマクロ撮影は、ほんの数mmカメラが動いただけでピントが大きく外れてしまいます。
さらに、等倍近くでは被写体がかなり拡大されているので、ほんの少しの手ブレが大きなブレ写真を生み出すことになります。
このため、三脚にしっかりカメラを固定して撮影することが大事なんですね。
そんなマクロ撮影に使う三脚に向いているのが「自由雲台」。
今回はこのスリックの自由雲台「SBH-330」を使ったマクロ撮影の表現方法をご紹介します。
一般的に、三脚の雲台というと「3Way雲台」という、水平・垂直に動かすための二本の棒(パーン棒)が付いた雲台が主流です。
それに対し「自由雲台」は、カメラ台座の付け根にあるボールにより、雲台を縦横斜めどんな角度にも自由に動かすことができるものです。
カメラ台座の固定は台座の下にある締め付けネジひとつですので、ワンアクションで締めたり緩めたり、素早く直感的に構図を決められます。
上の写真が自由雲台にカメラをセットした状態。そこからカメラを傾けたのが下の写真です。
カメラの台座の付け根、丸いボール状になっているのが見えると思います。
このボールのおかげで自由自在にくりくりカメラを動かすことができるというわけです。
そんな自由雲台を使って、いろいろな角度で撮影したのが次の写真です。
『ナイショのきもち』
「きづかれないように
そっと。」
二枚の花びらの間から覗いたハートを発見!
カメラを縦にしたり横にしたり斜めにしたり。
角度だけでなく背景や前ボケが微妙に違うため、少しずつ雰囲気も変わりますね。
こうやって何枚も撮影しては確認、を繰り返しながらシャッターを切っていきます。
『脈々と……』
「過去から未来へ
明日への想いを紡いでく」
こちらの3枚は、少しずつ角度を変えながら、さらにピントも変えながらどんどん撮った中の3枚です。
水滴が永遠に流れ続けていくようなイメージを思い描いてファインダー内で確認しながら撮っています。
このような撮影の場合、自由雲台なら締め付けネジをクリッと回すだけ。
後は水平とか垂直とか考えることなく、思い通りの角度にサッとカメラを動かせるんです。
ファインダーを覗きながら直感的に素早く構図を決める事ができる。これが自由雲台の魅力ですね!
ここで僕流のマクロ撮影時における三脚の使い方のコツを。
自由雲台を使用する時、締め付けネジはきっちり締めずに少しだけ緩めたままにしておきます。
カメラを完全に固定してしまわず、ある程度自由に動かせる状態にしておくわけです。
こうすることで、いちいち締め付けネジを締めたり緩めたりせずに構図を微調整しながらどんどん撮影していけるのです。
どうですか?
自由雲台、便利でしょ?
水平や垂直を意識したりせず、直感的に自由な角度で撮影ができる自由雲台。
使っているだけでイメージも自由に撮影できる気がしてきましたね!
ところで、雲台だけでは対応できない場合もあります。
それは「あともう1ミリぐらい、ほんの少しだけ前に動きたい……」なんて場合です。
前後左右の動きは、三脚自体を動かして調整するしかありません。
三脚の脚をそっと触って慎重~に慎重~に動かすものの、やはり微調整が難しく、動かしすぎて何度も何度もやり直したり。
これってかなり神経も体力も使います。
そんなときに便利な秘密兵器が実はあるんです。
その話はまた次回。